どうも、りきぞうです。
大学のころから、世界史に親しんできました。
大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。
・大事なキーワード&人物は?
・各時代のポイントは?
きょうは、この問いに答えていきます。
イスラームの歴史は、つぎの流れをおさえると、すっきり理解できます。
- イスラームの成立
- 正統カリフ時代
- ウマイヤ朝
- アッバース朝
- 東方イスラーム
- 西方イスラーム
- イスラーム文明&文化
以下、各時代のキーワード・重要人物・ポイントをあげて、解説していきます。
なお、この記事では、つぎの本を参考にしました。
目次
イスラーム史の流れ① ─ イスラーム成立

イスラーム成立のキーワード・重要人物・ポイントは、つぎのとおり。
・預言者
・ヒジュラ
・メディナ
・ウンマ
・カーバー
・アッラー
・『コーラン』
・六信五行
イスラーム教の成立にかんしては、その背景と、イスラーム共同体であるウンマが形成されるプロセスをおさえるのがポイントです。
またイスラームの基本的な教え(教義)を知っておくと、その後のイスラーム世界の展開をつかむことができます。
くわえてムハンマドの人がらや生涯についてふれておくと、イスラームの成り立ちを深く理解できるかなと思います。

詳しく内容は、こちらに書きました。ご参考にどうぞ。
イスラーム史の流れ② ─ 正統カリフ時代

正統カリフ時代のキーワード・重要人物・ポイントは、つぎのとおり。
・ハラージュ(土地税)
・ウマル
・ウスマーン
・アリー
・征服地にはミスル(軍営都市)をたて、異教徒にたいしてもジズヤ(人頭税)とハラージュ(土地税)を払えば、かれらの信仰を認めた
正統カリフ時代については、4人の指導者(カリフ)の名まえをしっかりと覚えておきましょう。
とくに4代目のアリーが重要で、彼の死をきっかけにイスラーム世界では[スンナ派 vs シーア派]の対立がうまれることになります。
また正統カリフ時代の中ごろから本格的に征服活動(ジハード)が開始されます。征服地には軍営基地がたてられ、そこが拠点となってイスラームの主要都市がつぎつぎ発展していくことになります。
そのさい、ジズヤ(人頭税)やハラージュ(土地税)といった異教徒にたいする税金の問題も発生します。
これら一連のできごとを把握しておくのが正統カリフ時代のポイントになります。

詳しい内容は、こちらです。
イスラーム史の流れ③ ─ ウマイヤ朝

ウマイヤ朝のキーワード・重要人物・ポイントは、つぎのとおり。
・トゥール・ポワティエ間の戦い
・カール・マルテル
・ウマイヤ朝は、ウマイヤ家による世襲と「アラブ人第一主義」をかかげ、アラブ帝国をきずいていった
ウマイヤ朝にかんしては、正統カリフ時代後の内乱をつうじて、シリア総督のムアーウィヤが国をたてたプロセスをおさえるのが理解のコツになります。
そのさい[スンナ派 vs シーア派]の対立が決定的となります。両者の思想や政治的立場を理解するのも、ウマイヤ朝時代のポイントになります。
また外征においてはイスラーム世界はさらに拡大し、ヨーロッパ地域ではフランク王国とトゥール・ポワティエ間の戦いで争っています。
戦争までの経緯を知っておくのも重要です。

詳しくは、こちらをどうぞ。
イスラーム史の流れ④ ─ アッバース朝

アッバース朝のキーワード・重要人物・ポイントは、つぎのとおり。
・タラス河畔の戦い
・都市バグダード
・アラブ帝国/イスラーム帝国
・イスラム法
・知恵の館
・アブー=アルアッバース
アッバース朝については、マワーリー(非アラブ人改宗者)とシーア派のウマイヤ朝支配者への反発から、王朝がたてられた点をおさえるのがポイントです。
また都のバグダードはティグリス川流域におかれたことから大繁栄をきずき、中国の長安にならぶ世界の有数の都市でした。
5代ハールーン・アッラシードのときには最盛期をむかえ、のちには知恵の舘とよばれる学園も建てられます。
都市の繁栄と、他国との国際関係を把握するのがアッバース朝を理解するうえで重要になります。

詳しくは、こちらをどうぞ。
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アッバース朝が衰退したあとは、イスラーム世界は分裂時代をむかえることになります。
以降は、
・イラン
・インド
・エジプト
・イベリア
・アフリカ
の地域に分けて、それぞれのイスラーム王朝をたどっていくと、分裂時代をすっきり理解できます。
いっぱんに
- 中央アジア
- イラン
- インド
におけるイスラーム世界は「東方イスラーム」とよばれます。
いっぽう、
- エジプト
- イベリア
- アフリカ
でのイスラーム世界は、いっぱんに「西方イスラーム」とよばれます。
以下、それぞれのポイントをみていきます。
イスラーム史の流れ⑤ ─ 東方イスラーム

東方イスラームのキーワード・重要人物・ポイントは、つぎのとおり。
・イクター制(ブワイフ朝)
・スルタン(セルジューク朝)
・アイバク
・中央アジアからバグダートに入城したセルジューク朝は、アッバース朝のカリフからスルタンの称号をうけた
東方イスラームでは、とくにイランのブワイフ朝が重要で、このときに始まった徴税権をめぐるイクター制が、ほかの王朝に広まり、イスラーム世界の基盤となっていきます。
また同じくイランのセルジューク朝も大切で、東方から古都バグダードに入城したかれらは、アッバース朝のカリフからスルタンの称号をうけます。
これにより政治上&軍事上の権力はスルタンにわたることになり、カリフは宗教上の権限のみをもつことになります。

東方イスラームにおける各地の展開については、それぞれこちらの記事をご覧ください。
参考



イスラーム史の流れ⑥ ─ 西方イスラーム

西方イスラームのキーワード・重要人物・ポイントは、つぎのとおり。
・カイロ(都市)
・コルドバ(都市)
・バイバルス(マムルーク朝)
・ヨーロッパ諸国の国土回復運動により、イベリアのイスラーム王朝はナスル朝の滅亡をもって終焉をむかえた
西方イスラームでは、とくにエジプトのファーティマ朝が重要で、かれらが征服により奪ったカイロが、アッバース朝の都バグダードに代わり、イスラーム世界の中心地となっていきます。

各地の展開については、それぞれこちらの記事を参考にしてみてください。
参考



イスラーム史の流れ⑦ ─ イスラーム文明&文化

イスラーム文化のキーワード・重要人物・ポイントは、つぎのとおり。
・キャラヴァンサライ(隊商宿)
・シャリーア(イスラーム法)
・モスク(礼拝堂)
・マドラサ(学院)
・スーフィズム(神秘主義)
・『千夜一夜物語』
・スレイマン=モスク
・ミニアチュール(細密画)
・アラベスク(幾何学模様)
・ガザーリー(神学)
・イブン=ハルドゥーン(歴史学)
・イブン=シーナー(哲学&医学)
・イスラーム文明は中世ヨーロッパ文化に大きな影響をあたえた
イスラーム世界の特徴については、商業を軸に都市がきずかれ、各地を拠点に、人&物をうながすネットワークがつくられていった点をおさえるのがポイントです。
また古代ギリシャから伝わった哲学や医学が、逆輸入されるかたちで中世ヨーロッパ文化に影響をあたえたことも、イスラーム文明を理解するうえで知っておきたいところです。
詳しい内容は、こちらの記事をご覧ください。
おわりに
イスラーム史の流れをみてきました。
つぎの流れをたどると、イスラームの歴史はすっきり把握できます。
- イスラームの成立
- 正統カリフ時代
- ウマイヤ朝
- アッバース朝
- 東方イスラーム
- 西方イスラーム
- イスラーム文明&文化
この記事が、イスラーム史を理解したい人のヒントになれば、うれしいです。
では、また。