メソポタミア文明の特徴 ─ 文字・川・遺跡・暦・ジッグラト・滅亡【わかりやすく解説】

どうも、りきぞうです。

大学のころから、世界史に親しんできました。

大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました。

・メソポタミア文明の特徴を知りたい
・大事なキーワード&人物は?
・この時代のポイントは?

きょうは、この問いに答えていきます。

答えは、つぎのとおり。

キーワード
・ウル・ウルク
・楔形文字
・太陽暦
・60進法
・ジッグラト(神殿)
・『ギルガメッシュ叙事詩』
・目には目を、歯に歯を
重要人物
・サルゴン1世
・ハンブラビ王
・ナラム=シン王
ポイント
・メソポタミア文明は、シュメール人による都市国家から始まり、アッカド人による統一王朝へと移り変わっていった
・アムル人によるハンブラビ法典は身分法と復讐法を、その特徴としている

この記事では、つぎの本を参考にしました。

メソポタミア文明の特徴① ─ シュメール人による発明

シュメール王

メソポタミアとは「川の間の地域」という意味です。

「間」というからには2本の川が流れています。この2つの川こそが、

・チグリス川
・ユーフラテス川

です。

どちらもある時期がくると水かさが増し、両川に挟まれた場所は、あたり一面水浸しになります。

そのために工事をすることなく灌漑農業が可能になります。その結果、農業生産もアップし、メソポタミア地域の人口も増えるようになりました。

なお、メソポタミアからシリア&パレスチナにいたる豊かな穀倉地帯を「肥沃な三日月地帯」とよんだりします。

このようなメソポタミアの豊かな土壌で文明を発達させたのがシュメール人でした。

かれらは古くからメソポタミア南部に都市国家をきずいていました。それぞれの国家には名まえもあり、

・ウル
・ウルク
・ラガシュ

などとよばれていました。

出典:『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』

また楔形文字も発明し、植物の「葦(あし)」をペンがわりにして粘土板に文字を刻み、情報のやり取りをおこなっていました。

さらに建築技術も発達し「ジッグラト」とよばれる神殿も建てています。

王を中心として、神官・戦士・役人が、神を祀り、政治や経済・軍事の実権をにぎって、人びとを支配する階級社会が成立した。各都市は、城跡でかこまれ、中心にはジッグラトとよばれる塔が建てられ、都市神がまつられていた。(p.17)

─ 『詳説 世界史研究』

いっぽうで文化もすすみ、

・太陽暦
・六十進法
・物語(『ギルガメッシュ叙事詩』)

なども生み出しています。

『ギルガメッシュ叙事詩』には、『旧約聖書』にある洪水伝説の原型も描かれています。

メソポタミア文明の特徴② ─ アッカド人による統一

サルゴン1世

シュメール人は、メソポタミア各地に都市国家をきずき、それぞれが争いをしかけたり、同盟をむすびながら、各自の領土をたもっていました。

そんな各地の都市国家をまとめあげたのがサルゴン1世です。

彼はシュメール人ではなく、メソポタミアの西北からやってきたアッカド人でした。セム語系の民族に属し、シュメール人の都市を征服しながら、メソポタミア統一をはたします(B.C.2400年ごろ)。

はじめて統一したにもかかわず、官僚制をしき、効率的な統治をすでにおこなっています。

また、あとをついだナラム=シン王のときには、ペルシア湾南岸から地中海沿岸にいたる領域をおさえ、アッカド王朝の版図は最大となります。

しかし急激な統一事業で、人びとを酷使したために、民衆の不満が高まり、抵抗運動にまで発展します。

反発は激しさを増し、サルゴン1世によるメソポタミア統一は100年も経たないうちに終わりをむかえることになります。

メソポタミア文明の特徴③ ─ アムル人による再統一

ハンブラビ法典

その後、サルゴン1世の事業をひきつぎ、勢力をのばしたのがアムル人です。

かれらは都をバビロンにおきバビロン第一王朝をきずきます。ハンブラビ王の時代には、ふたたびメソポタミア統一をはたします。(B.C.1800年ごろ)。

ハンブラビ王といえば『ハンブラビ法典』が有名です。

ただし法典といっても、王が文字を刻み、成文化したわけではありませんでした。当時の人びとが従っていた掟や慣習を法典としてまとめたものです。

その特徴は、つぎの2つです。

・同害復讐の原則
・身分による差別

同害復讐とは、だれかに害をあたえれば、同じ罰をうける、というものです。「目には目を、歯に歯を」のたとえで知られています。

また、法典には身分や性別による差別も設けられています。このあたりは「法の下の平等」を原則とするわたしたちからすれば、違和感があるはずです。

以上のように『ハンブラビ法典』は、復讐法と身分法の2本柱から成り立っています。

いっぽうでこの法典は君主の統治規則も示しています。たんに民衆をしばりつけるためにつくられたものではありませんでした。その意味でハンブラビは、政治家と民衆にルールを課した法治国家をめざしたのかもしれません。

アムル人による国家は、しばらくのあいだつづいていきます。しかし鉄製技術で力をつけるヒッタイト人の侵攻をうけ、アムル人はじょじょに衰退していきます。

さいごは都市バビロンが侵略され、そのまま滅亡することになります。

おわりに

メソポタミア文明についてみてきました。

まとめると、こんなかんじ。

キーワード
・ウル・ウルク
・楔形文字
・太陽暦
・60進法
・ジッグラト(神殿)
・『ギルガメッシュ叙事詩』
・目には目を、歯に歯を
重要人物
・サルゴン1世
・ハンブラビ王
・ナラム=シン王
ポイント
・メソポタミア文明は、シュメール人による都市国家から始まり、アッカド人による統一王朝へと移り変わっていった
・アムル人によるハンブラビ法典は身分法と復讐法を、その特徴としている

この記事が、メソポタミア文明を知りたい人の参考になれば、うれしいです。

では、また。