東京03『傘買って雨上がる』(第5回)感想&レビューです。

公演日 2007年9月
収録 一服
気負い
ウラ好き
バンドマン
スマイルハウジング
ちょっと有名人

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、東京03『傘買って雨上がる』。

5回目の単独ライブを収録したものです。

もう10年以上もまえの作品。

とはいえ、いまみても古いかんじはしません。

『一服』『気負い』では、ふたつとも、角田さんの〝ヘタりっぷり〟が発揮されています。

『妹』も、角田さんの〝ヘタレキャラ〟を軸にした作品。

いっぽう尺が長く、ドラマ性があります。

どちらかといえば、喜劇にちかいです。

個人的に、好きだったのは『バンドマン』『スマイルハウジング』 の2本。

以下、[あらすじ → ひとこと]の順で、くわしくみていきます。

『バンドマン』

あらすじ

売れないバンドマンの3人。これからの方向性について話しあう。

〝オリジナリティを重視するか〟それとも〝大衆にこびるか〟

飯塚と角田が、あつく語る。

一方で、豊本は〝さめた態度〟でながめる。

そのようすに、ふたりはイラだつ。

「おまえも意見をのべろ」とうながす。

すると「〝大衆にこびる〟といったはなし以前に〝演奏のレベルが低すぎる〟」と、根本的な問題を指摘する。

メンバーの名まえも「ライオン」「チーター」「パンサー」 ─ 。

ネーミングのセンスもひどいと、ズバズバ批判していく。

まっとうな意見に、あわてるふたりは……。

ひとこと

ストーリーの展開が、おもしろい。

メンバーの名まえが、つよそうな動物なのも、笑ってしまいます。

こりゃあ、売れませんね(笑)

『スマイルハウジング』


人物

不動産屋の店員① (角田)
不動産屋の店員② (豊本)
客(角田)

場所

不動産屋

あらすじ

アパートを借りるため、不動産屋にやってきた客(飯塚)。

5万円代の部屋をリクエスト。

さいしょの店員(豊本)は「キビしい」とつたえるが、もうひとりの店員(角田)は「なんとかなる」とこたえる。

あんしんする客。

さっそくオススメの物件を、大家さんに電話でたずねていく。

しかし自信たっぷりの態度に反して、どの物件もあっさり断られる。

じつはこの店員、〝仕事ができるかんじ〟をみせて、カッコつけているだけ。

本性を見ぬいた客は、「カッコつけるな」とブチギレて……。

ひとこと

雰囲気だけで中身がない ─ 。

どの会社にもいますね(笑)

じっさいこんなヤツがいたら、ストレスがたまってしかたないです。

ポイント

つづけて、笑いのポイントをみていきます。

コントで大事なのは、キャラクターとプロット。

この作品ではプロットに注目してみます。

コントのプロットはとてもシンプル。

[設定 → 展開 → オチ]がキホンのながれ。

コントの書き方 ─ プロットの構成について

なかでも「展開」が、作品の良し悪しを決めるんだけど、これにも「型」がある。

パターンは「反転」「逆転」「交錯」の3つ。

コントの書き方 ─ プロットの展開について

ストーリーを整理して、パターンをあてはめてみてると、「反復」だとわかります。

「反復」では、状況や環境が変わっても、それまでと同じアクション、セリフ、出来事をくりかえすようすを描きます。

それによって笑いを引き起こします。

この作品でも、角田さん演じる店員が〝仕事ができるかんじ〟をよそおうだけで、いっこうに物件を紹介しない。

失敗をくりかえすことで、笑いをひきおこしていきます。

図にすると、こんなかんじ。

構図 ─ 反復
店員 = カッコつける

・〝仕事ができるかんじ〟の店員
・カッコつけているだけで、物件を紹介できない
・本性がバレる

店員 = カッコつける

ちなみに、個人的にツボだったのが、先輩役の豊本さん。

なにもできない後輩の角田に、じょじょにキレていくようすは、ハラをかかえるほど笑えます。

まとめ

こんなふうに、ストーリーの構成に注目すると、よりコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。