公演日 | 2011年7月 |
収録 |
来日記者会見 忍者居酒屋 バイトを辞めるヤツ 別れなさい キャプテン 昔、ボクサーを目指してた 警部 |
どうも、コント作家のりきぞうです。
きょうも、コント作品をレビューしていきます。
取りあげるのは、ラバーガール『エマ』。
『来日記者会見』は、正確に訳せない通訳のおはなし。
ベタな設定で、オープニングにはふさわしい軽さです。
『忍者居酒屋』は、忍者をコンセプトにした居酒屋さんのおはなし。
テーマが一貫せず、グダグタなかんじが、笑いをさそいます。
『別れなさい』は、富豪のカノジョと付き合うカレシと、カノジョの母親のおはなし。
「別れなさい」と、もちかける義母 ─ 。
しかしその条件が、めちゃくちゃ。
カレシ演じる飛永さんの、タンクトップすがたがツボでしたね。
…
個人的に良かったのは、「バイトを辞めるヤツ」、「昔、ボクサーを目指してた」、「警部」 ─ 。
以下、くわしくみていきます。
『バイトを辞めるヤツ』
あらすじ
バイト先の休憩室。
先輩が休んでいるとこへ、後輩のバイト仲間がやってくる。
・勉強に集中するため、バイトを辞めることに
そう伝える。
さいごに後輩は、プレゼントとして、先輩が披露した落語の音源テープをわたす。
しかし先輩は、落語が得意でも、披露したおぼえもない。
じつは、後輩は先輩の声を盗聴していた。
そのうえで、単語をきりとり、つなぎわせて、落語『まんじゅうこわい』をつくっていた。
「まんじゅうよりも、おまえのほうがこわいよ」
そう指摘しながら、おそるおそるテープをきいてみると……
ひとこと
ラバーガールさんらしく、大水さんのキャラが光る作品ですね。
ひょうひょうとしつつも、やっていることは、おもいっきり犯罪 ─ 。
わるびれることもなく、盗聴した相手に、テープをきかせるようすが、笑いをおこしていきます。
じっさい盗聴してつくった『まんじゅうこわい』も、ブツ切れの音声で、めちゃくちゃおもしろかった。
『昔、ボクサーを目指してた』
あらすじ
ボクシングジムに取材にくる記者。
ジムのオーナーに、これまでの失敗談をたずねる。
質問にたいして、
とつぶやき、若いころのエピソードをふりかえる。
すると、25歳のオーナーが、当時のトレーナーといっしょに、スパークリングをする場面がはじまる。
しかしトレーナーは、「おまえにはボクサーはムリだ、あきらめろ」と、うながす。
納得できない若いころのオーナー。
「あなたは、本気でプロのボクサーを目指したことがないから、かんたんにあきらめさせようとするだ!」
と、どなりつける。
すると、トレーナーは、ゆっくりグローブをおとし、
とつぶやき……
ひとこと
あとの展開は、なんとなく想像つきますね。
このあと、同じエピソードが語られる。
「じつは、わたしもむかしボクシングをやっていてね」というセリフをキッカケに、どんどん過去へさかのぼっていく。
けれど、ラバーガールさんのうまいのは、キッカケとなるセリフ「わたしもむかしボクシングをやっていてね」をクズして、変えるトコ。
[ボクシング → 中華の料理人]みたいに、そもそもの職業をかえることで、ひねった笑いをうみだしていく。
このあたりは、おふたりにしか出せないワザであり、発想ですね。
オチもよかったです。
『警部』
あらすじ
マンションの一室。
カップルが別れ話でもめている。
カレシは、いきおいあまって、カノジョの投げとばしてしまう。
叩きつけられた衝撃で、亡くなるカノジョ ─ 。
あせったカレシは、あわてて部屋を飛び出す。
後日 ─ 。
ふたりの刑事が、死体のある現場にやってくる。
ひとりの刑事は、事故と殺人、両方の面から調べる必要があると主張 ─ 。
しかしもうひとりの刑事は、
「とりあえず、関係者ではない、おまえとおれは、犯人候補から除外されるな」
と、念をおす。
どうやらこの刑事が、カレシのようで……
ひとこと
ラバーガールさんにしては、めずらしくすこしベタな内容かも。
現場に落ちているかもしれない自分の髪の毛を、こっそり探すシーン、などなど。
とはいえ、気軽に笑えて、ラストにはピッタリといったかんじでした。
ラスト付近、刑事=犯人がバレバレのエピソードのオンパレードには、かなり笑いました。
ゆるいかんじの笑いが、ラバーガールさんの持ち味ですね。
まとめ
こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。
ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。
ちがう記事ものぞいてみてください。
ではまた。
よきコントライフを〜。