公演日 | 2013年8月 |
収録 |
プロローグ 赤い告白 青い偏見 白い愚痴 緑川キャスター 黄昏の衝撃 黒い理由 |
どうも、コント作家のりきぞうです。
きょうも、コント作品をレビューしていきます。
取りあげるのは、バカリズム『運命』。
『白い愚痴』では、擬人化した「野球」が、日ごろのうっぷんをぶちまける ─ 。
こんな発想、どこから出てくるんでしょう。
『黒い理由』では、悪の教団に入り、ヒーローを倒すことに人生を捧げた男のはなし。
善と悪にかんする哲学的なテーマを、コミカルに描いています。
オチはややブラックでしたね。
今回もバカリズムワールド全開です。
…
個人的に良かったのは、「青い偏見」、「黄昏の衝撃」 ─ 。
以下、くわしくみていきます。
目次
『青い偏見』
あらすじ
青いマスクをつけたヒーロー。まちの平和をまもるため、きょうもパトロール。
そこへ金髪 & 鼻ピアスの男がやってくる。
見た目はコワモテだが、まだ危害をくわえていない。
しかしヒーローは「金髪 & 鼻ピアス」というだけで、引っ捕らえる。
そんなカッコウしているんだから、わるいヤツに決まっている。
証拠なしに、偏見だけでつきつぎ人を裁いていく。
そこへハデなカッコウをした女がやってくる。
「おまえは〝性病をまき散らしている〟に決まっている」
こちらも偏見だけで、エロいオンナと決めつけて……。
ひとこと
引っ捕らえたあと、マイクをもつヒーローは、みずからのテーマソングをうたう。
その歌詞もまた〝偏見まみれ〟。
「B型は全員、自己中心的」
「声が大きいヤツは、頭がわるい」
「フェスばかりいく女は、貞操観念がひくい」
たしかに偏見なんですが、〝あるあるネタ〟のようにもみえますね。
全体をとおして、イチバン笑いました。
『黄昏の衝撃』
あらすじ
ヨメさんが帰宅後、女子高生の服を着ているところを見られるダンナ。
女装ヘキがあるとわかり、妻は即リコンをつきつける。
しかし「ヘンタイ」とののしる妻に、夫は冷静に対応。
なぜこんなカッコウをしているのか。
そもそも女装はわるいことなのか。
リクツで納得させようとする。
↓
そもそもゴツゴツした汚い男性が好きじゃない
↓
なのに女は、そんな不潔な男を好きになる
↓
ということは、女性のほうが「ヘンタイ」といえる
↓
そんな「ヘンタイ」のきみを、ぼくは愛している
↓
おたがいさまじゃないか?
こんなロジックを展開するが、結果は当然うまくいかず……。
ひとこと
女子高のカッコウしたバカリズムさんのインパクトから、後半にかけて、クールに説得していく流れが、おもしろい。
〝ロジカル〟と〝ヘンタイ〟の対比が、笑いを誘います。
〝知的さ〟と〝バカバカしさ〟が同居したコント。
クールなバカリズムさんだからこそ活きる作品ですね。
まとめ
こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。
ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。
ちがう記事ものぞいてみてください。
ではまた。
よきコントライフを〜。