公演日 | 2004年12月 |
収録 |
お前が言うな! 寿司屋 象の飼育員 電気屋 演歌 学園祭 オフィス |
どうも、コント作家のりきぞうです。
きょうも、コント作品をレビューしていきます。
今回とりあげるのは、アンガールズ『88』。
『お前が言うな!』は、友人ふたりのドタバタ ─ 。
オープニングには、ふさわしい軽さですね。
『象の飼育員』は、年配の飼育員ふたりのはなし。
象のハナコをめぐり、なんともいえないやりとりがつづきます。
アンガールズさん独特の間が、笑いをさそいます。
…
個人的に良かったのは、「寿司屋」、「演歌」、「学園祭」 ─ 。
以下、くわしくみていきます。
『寿司屋』
あらすじ
すし屋 ─ 。
店主が弟子に指導する。
ちょっとしたミスを指摘されると、弟子は、
ぼくはもうクビになっちゃうんですか!?
と、師匠におしせまる。
心配性の弟子にたいして、焦る店主 ─ 。
その後も、指導内容について、いちいち問いつめてきて……
ひとこと
立場が低いほうが、反対に、うえの者を追いつめる ─ アンガールズさんのボケパターンですね。
問いただされる田中さんが、アタフタする ─ そのリアクションが笑いをおこします。
プロットは単純です。
けれど、あせるときのアクション&フレーズは、田中さんにしか出せない味ですね。
『演歌』
あらすじ
演歌の指導講座 ─ 。
作曲家の田中が、生徒の山根&山岸に、歌うコツを教えている。
自分が作曲した、「女ごころ」をテーマにした『みぞれ恋』を素材に、指導する田中 ─ 。
けれど、なかなか習得しない山根&山岸に、作曲家はイライラしてくる。
なごませようと、山根は、『みぞれ恋』が好きな女の子を紹介してあげる、ともちかける。
キゲンをよくする田中 ─ 。
しかしふと、紹介する女の子が好きなのは、『みぞれ恋』ではなく、『しぐれ恋』だと思いだす。
ブチ切れた作曲家は、そのまま出ていく。
けれど、教室からとびたす寸前、山根&山岸が、
「女ごころ」を作っているが、あのひと、カノジョのひとりもつくったことない
カノジョどころか、童貞にちがいない
と、陰口をたたく。
それをきいた作曲家は、ショックをうけて……
ひとこと
〝非モテ〟キャラの田中さんが、前面に出ているコント ─ 。
このころからすでに、モテない男を軸に、作品をつくっていたんですね。
さいごに、想像だけで、女ごころをあらわした曲『みぞれ恋』を歌いはじめる ─ その演出も Good でした。
『学園祭』
あらすじ
女子大の学園祭 ─ 。
舞台イベントの前説で、女子大生ふたりが、注意事項をのべる。
出演者は、人気お笑いコンビ『アンガールズ』 ─ 。
楽しみながらもマナーをまもるように、谷繁&小林は、観客の生徒たちに、注意をうながす。
すこしでもはなしをきいてもらうため、
・ふだんのしくざは、小林ではなく、〝大林〟ですよねぇ
など、小ボケを連発 ─ 。
さらに、『アンガールズ』の〝ジャンガ・ジャンガ〟を、自分たちでアレンジしたネタを披露する。
この機会をねらって、どうやら目立ちたい、谷繁&小林は、ネタをつづけていき……
ひとこと
アンガールズさんによる、『アンガールズ』のパロディ。
女子大生のふたりに、完成度の低い「ジャンガ・ジャンガ」をみせることで、ヒネリをくわえる。
いっぽうで、アンガールズ・ファンを自称する「女の子」を、皮肉るねらいもあるかんじ。
メタ的な笑いが、好きな人におすすめですね。
それにしても、「ジャンガ・ジャンガ」のビミョーな〝未完成度〟は、なんともいえない笑いをさそいます。
個人的には、このネタがイチバンおもしろかった。
まとめ
こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。
ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。
ちがう記事ものぞいてみてください。
ではまた。
よきコントライフを〜。