バナナマン『ペポカボチャ』感想&レビューです。

公演日 2002年7月30日〜8月4日
収録 Pumpkin
オフィスのオバケ
ブルーフォーブラッフォー ガングリフォン
secretive person
mountain
赤えんぴつ
puke
rain
思い出の価値

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、バナナマンの『ペポカボチャ』。

created by Rinker
コロムビアミュージックエンタテインメント

ツウのあいだでは、1、2をあらそうデキとされる作品です。

以下、それぞれの作品にふれていきます。

「Pumpkin」は、序章となるコント。

カボチャを引き換えに設楽が、友人・日村に交換条件を持ちかけます。

条件を提示するごとに、いつの間にか、フリな立場におかれる友人 ─ 。

ばんかいしようと、そのまま条件のもちかけにのるが……

設楽さんのロジカルな思考が発揮されるコント。

アタマのいい人には、たまらない作品ではないでしょうか。

「オフィスのオバケ」は、会社員ふたりのおはなし。

深夜のオフィスに、ひとりのこる日村。

「淋しい」と、設楽をよびとめる。

ひまつぶしに、設楽はこわい話をはじめて……

プロットメインのコントです。

オチが良かったけど、ちょっと練られすぎなかんじで、観ていて、すこしつかれるかもです。

「mountain」は、アクションメインのコント。

2匹のオニが、いろんなゲームをして、どっちがつよいか競争 ─ 。

オチでは、すこしホロリとさせられます。

「ブルーフォーブラッフォーガングリフォン」は、アクションメインのコント。

アテレコで入れたナレーションに合わせて、日村さんが動きまわる。

「ブルーフォーブラッフォーガングリフォン」とは、なにかしらの競技 ─ 。

けれど、なにを競っているかは、不明のゲームで、とくに意味はない。

ナンセンスな笑いと、日村さんのドタバタを楽しむ作品です。

個人的に好きだったのは、

・「secretive person」
・「puke」
・「思い出の価値」

の3本。

以下、くわしくみていきます。

『secretive person』

あらすじ

ヒマなふたり。

クルマもないので旅行にも行けない。

カノジョもいないので話も盛り上がらない。

と、思っていたの日村だけ。

設楽はクルマも持っているし、カノジョもいた。

さらにクルマは懸賞で当たり、カノジョはスウェーデン人で職業は軍人。

こんな大事な事実を、親しい友人に、なにも伝えない設楽。

〝ひとこと足りない〟友人に、日村がツッコミをいれていく。

感想

とにかく、プロットがうまいすぎます。

はじめに日村が、「クルマもない」「カノジョもいない」と、テキトーにグチる。

これが、後半のフリになっている。

一言一言にムダがない。

設楽さん演じる、〝ひとこと足りない〟キャラも Good 。

何度も見返したい作品ですね。

『puke』

あらすじ

酒で酔っぱらう日村。

休ませるため、友人・設楽が、自分のアパートにつれてくる。

日村は、調子よくおしゃべりする。

しかし、設楽がシャワーに入っているあいだに、気分がわるくなり、部屋で吐いてしまう。

あせる日村 ─ 。

設楽にバレないよう、吐いたトコをタオルでかぶせたり、ニオイをごまかすためにお香を焚いたりする。

しかし、おふろから出てきてきた設楽は、日村の不自然な動きに、違和感をおぼえて……

感想

喜劇にちかいコント。

プロットの軸が、ほんとにしっかりしています。

以前の記事でも書いたとおり、コントのプロットには型があります。

コントの書き方 ─ プロットの展開について

プロットの「展開」を整理してみると、この作品は、「交錯」にあたります。

この作品でも、日村が自らの失態を隠すために右往左往する。

このようすが笑いを引き起こす。

コントのオチは、そこまで重要ではありません。

けれど、この作品は、オチがほんとうによかった。

ぜひ本編をチェックしてみてください。

『思い出の価値』

こちらは恒例の長尺コント。

以下、概要&ポイントをみていきます。

人物

友人①(日村)
友人②(設楽) … コピーライター
かおり … 日村のカノジョ

場所

設楽の仕事部屋

あらすじ

締め切りに追われる、コピーライターの設楽。

カボチャのキャッチフレーズを考えなくてはならない。

そこへ、友人・日村が駆けこんでくる。

ケンカをして、カノジョの「かおり」に逃げられた。

元カレの設楽の部屋にいると思い、探りにくる。

「仕事で、それどころではない」と否定する設楽。

とりあえず納得する日村だったが、今度は「かおり」に電話してほしいとたのむ。

日村の良い点をあげつつ、かおりに日村のもとに、帰るようにうながしてほしい。

しぶしぶ応じる設楽 ─ 。

友人のたのみであることはナイショで、日村の長所をかおりに伝えるが……

感想

あらすじを書きましたが、本編はもっとフクザツです。

・設楽がカボチャのキャッチコピーに悩んでいる
・かおりの得意料理は「カボチャの煮つけ」
・」煮つけをつくりすぎだ」と文句をいったことで、ケンカになった

これら、はなしの要素が、からみあい、おはなしが展開していきます。

どのエピソードにも、「カボチャ」がカンケーし、それをキッカケに、

・キャッチコピーの完成
・日村&かおりが、仲なおり

へとつながっていきます。

コントというより、もはや良質なドラマです。

構成力が、すばらしい。

ポイント

笑いのポイントをみていきます。

コントで大事なのは、キャラクターとプロット。

コントのプロットはとてもシンプル。

[設定 → 展開 → オチ]がキホンのながれ。

コントの書き方 ─ プロットの構成について

なかでも「展開」が、作品の良し悪しを決めるんだけど、これにも「型」がある。

パターンは「反転」「逆転」「交錯」の3つ。

コントの書き方 ─ プロットの展開について

ストーリーを整理して、パターンをあてはめてみてると、構図は「交錯」だとわかる。

「交錯」では、ひとりの人物が、真相を隠したり、ワナをしかける。それにより、カンちがいする人物が、すじちがいのセリフを吐いたり、行動に出たりする。

そのようすが笑いを引きおこす。

この作品でも、日村が「相手にはナイショで、自分の長所をかおりに伝えてほしい」と設楽にリクエスト ─ 。

そのうえで、かおりの反応に、日村が一喜一憂する。

このようすが、笑いをひきおこす。

図にすると、こんなかんじ。

構図 ─ 交錯
日村 ≠ 自分の長所をかおりに伝える

・設楽を通じて、かおりに自分の長所を伝える
・かおりの反応に一喜一憂する日村
・かおり、日村が頼んでいると見抜く

日村 = 自分の長所をかおりに伝える

プロットはこんなかんじだけど、バナナマンのコントは、ここにドラマの要素が盛り込まれている。

単純にコントとよべないところに、ふたりの魅力があります。

まとめ

こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。

created by Rinker
コロムビアミュージックエンタテインメント