バナナマン『emerald music』 感想&レビューです。

公演日 2013年8月
収録 Cutie funny
old man
exeperienced singer
日村がゾンビになっちゃった。
赤えんぴつ
Lucky charm

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、バナナマン『emerald music』。

もう5年以上まえの作品なんですね。

収録内容ですが、ほかのものとくらべると、やや物足りない印象でした。

そのなかでも個人的におもしろかったのは2つ。

『Ashamed』と『Irritating man』です。

以下、カンタンにみていきます。

『Ashamed』

自分の部屋で、オタク風の男が、新聞紙で作る女体にキスしようとする。

その瞬間、窓からのぞいて男が、なぜかタイコを叩きながらお祭りの格好であらわれる。

キスしようしていたコトをツッコミ、オタク風の男と言い争いをはじめる。

終盤は、なぜか2人でタイコのリズムに合わせて踊りだす。息もピッタリ。

シュールのような、ベタのような……。なんとも言えない作品。そのモワーンとした不思議さが魅力的でした。

ストーリー重視のコントが好きな人にはピンとこないかも。

ちなみにタイトルの「Ashamed」は「赤っ恥」とかそんな意味です。

『Irritating man』

バナナマンが得意とする長尺コント。

ドラマ性があり、コントというより喜劇にちかいですね。

人物

友人①(設楽)
友人②(日村)

場所

キャンプ場

あらすじ

キャンプの用意をする友人2人。

設楽のカノジョと、日村に紹介する女友達を待っている。

ウキウキする日村。今年だけで99人にフられているが、今回はイケると自信満々。

2人でふざけていると、そのはずみで設楽はケータイを落とす。すこし壊れる。

そこにカノジョのヒロミから電話。とぎれとぎれの声で、別れ話をはじめる。

カノジョはもちろん、女友達も来ない。なげく日村。

カノジョにフラれた自分以上に、かなしむ日村に設楽は同情。今回のキャンプのほんとうの目的を伝える。

じつはカノジョといっしょに、日村が100人目にフラれる瞬間を笑おうとしていた。そのための集まりだった。真相を知った日村は……

感想

「ザ・男の友情」を描いた内容ですね。

モテない役がピッタリの日村さんが、今回もいい味を出してます。

キモキャラもいけますが、この役柄のように、ゲスっぷりを表現するのも、うまいです。

ポイント

笑いのポイントをみていきます。

コントで大事なのは、キャラクターとプロット。

この作品ではプロットに注目してみます。

コントのプロットはとてもシンプル。

[設定 → 展開 → オチ]がキホンのながれ。

コントの書き方 ─ プロットの構成について

なかでも「展開」が、作品の良し悪しを決めるんだけど、これにも「型」がある。

パターンは「反転」「逆転」「交錯」の3つ。

コントの書き方 ─ プロットの展開について

ストーリーを整理して、パターンをあてはめてみてると、構図は「逆転」だとわかる。

「逆転」では、ひとつの出来事をキッカケに、それまでの立場や地位がひっくり返るシーンを描いて、ストーリーを展開させる。

状況が人物が反転する様子を示すことで、観てる人を笑わせる。笑いを引き起こす。

この作品でも、設楽が、日村がフラれるように、作戦をねって、優位に立とうとします。

しかし、自分がカノジョにフラれために、日村よりも悲惨な状況にみまわれ、立場がひっくり返ることに。

フラれる状況をあざ笑ってやろうとしたほうが、逆に、自分がフラれる状況に立たされる。

図にすると、こんなかんじです。

構図 ─ 逆転
設楽 > 日村

・カノジョにフラれる設楽

設楽 < 日村

ほかのバナナマン作品とくらべて、プロットがシンプルすぎて、すこしもの足りないかも。

けれどそのぶん、日村さんが演じる男のキャラでフォローしている。

つまらないわけではないので、観ても損はありません。

まとめ

こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。