うしろシティ『アメリカンショートヘア』感想&レビューです。

公演日 2013年1月
収録 卒業式
CHANGE
持ちこみ
不動産屋
ヒーロー
サッカー部
先生さようなら
ヒッチハイク
上京
人探し
芽生え
漫画
彼女と別れた

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、うしろシティ『アメリカンショートヘア』。

3回目の単独ライブを収録したものです。

ハデではありませんが、〝かゆいところに手が届くような〟笑いには、好感がもてます。

女性の笑い声が多いのが印象的です。

たしかに若い女の子が好きそうなかんじです。

爆笑よりも、クスッとした笑いをもとめる人にはオススメです。

ちなみに、公演タイトル「アメリカンショートヘア」が、なにを意味しているのか、さいごまでわからなかった。

どんなメッセージが込められているんでしょうか?

個人的に好きだったのは、「先生さようなら」「ヒッチハイク」「人探し」です。

以下、くわしくみていきます。

『先生さようなら』

あらすじ

転任する先生。

生徒のひとりが「見送りにいこう」とクラス全体に声をかける。

しかし見送りにきたのは、オンドをとった生徒だけ。

つめたい友だちを生徒は非難するが、先生は〝嫌われていること〟を自覚している。

「クラスの問題を見て見ぬフリをしてきた」
「巨乳の生徒だけ、特別あつかいしてきた」

嫌われる理由は、つらつら述べていき……。

ひとこと

それでも先生を好きな生徒は、クラスのみんなが好きになってくれるエピソードをつたえてくると言いはる。

しかし、それも〝フナの水槽を掃除してくれる〟など、感謝されるようなコトじゃない……。

ふつうは先生が嫌われていることに気づいてないパターンが多いですが、このコントでは生徒がわかっていない。

ほめることで、ぎゃくに先生の〝みじめさ〟がにじみ出るながれになっています。

この点がおもしろい。

工夫をこらした作品です。

『ヒッチハイク』

あらすじ

行き先を紙に書き、道路ぎわでヒッチハイクする男。

そこへもうひとりのヒッチハイカーが。

画用紙に行き先を書き、先にクルマをとめようとする。

さらに自分のほうにとまってもらえるように、はこんでもらいやすい行き先を書く。

負けじと、さきにいたほうも、より近い場所を指定して……。

ひとこと

発想がおもしろいですね。

オークションのように、行き先をどんどん近場にしていき、さらには、まったくカンケーないフレーズを書いていくながれが、よかった。

コントと大喜利をかけ合わせた作品になってます。

ドタバタするアクションもいいかんじです。

『人探し』

あらすじ

カフェ。

くつろいでいると、〝おかしな男〟が入店してくる。
くしゃくしゃの紙をもちながら、「アイザワさん」を探している。

不審な行動に、警戒する客。

しかし男は、その客にターゲットをしぼり、近づいてくる。

「アイザワさんですよね?」とたずねる。

ビクビクしながら「ちがいます」と否定するが、何度も「アイザワさんですよね?」とたずねてくる。

むりやり「アイザワさん」にされた客は、どうしようもなく……。

ひとこと

テレビなら放送できないコントですね(笑)

くしゃくしゃの紙に、アイザワの情報が書いてあると思わせておいて、じつは白紙とわかったときは、かなりゾワっとします。

不気味さと笑いがミックスされたコントです。

『芽生え』

あらすじ

Yシャツをだし、シャツをみせる友だちをみて、バカにする男子中学生。

不良のまねをする同級生に「おまえ、芽生えたなぁー」と、チャカす。

仲のいい友だちの阿諏訪にチクる。

同じようにバカにするが、阿諏訪は「いまどきニルヴァーナのTシャツなんかダセーよ」と、ののしる。

ニルヴァーナをまったくしらない金子。

バカにしたいが、なにがダサいのかわからない。

苦笑いをうかべ、知ったかぶりをしながら、友だちをバカにするが、つぎに阿諏訪は、『Porter』のバックにくいつく。

またまた知らないブランド名をきいた金子は、べつの話題にもっていこうとするが……。

ひとこと

このあとも、コンバースの『ジャックパーセル』のはなしになったり、ニルヴァーナのドラムメンバーのはなしになったり、金子の知らない名まえがつぎつぎに出てきます。

金子がゴマかすながれで、おわっていくかと思いきや、オチで立場がひっくりかえります。

もうひとつヒネリをくらえる展開がすばらしいです。

ほんとに工夫をこらした作品だとおもいます。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。