公演日 | 2016年4月 |
収録 |
火事がもたらしたもの 友情 悪霊退散 レンタル彼女 バラエティショップ 田中が考え中 |
どうも、コント作家のりきぞうです。
きょうも、コント作品をレビューしていきます。
今回とりあげるのは、アンガールズ『ゴミにも息づく生命がある』。
前回の『アンデルセン』(2008年)以来、約7年ぶりの公演です。
むかし「キモカワ・キャラ」で笑いをとっていました。
この公演からは、プロット重視のコントに切りかえた印象をうけます。
ストーリー展開として、イマイチなものもあります。
けれど、あらたなアンガールズをみれたかんじがして、うれしくなりました。
これからも、年に1度のペースで、単独ライブをおこなっていくようです。
とても楽しみですね。
…
個人的に良かったのは、「友情」、「レンタル彼女」、「田中が考え中 特別編 ~ドレッシングルーム~」です。
以下、くわしくみていきます。
『友情』
あらすじ
待ち合わせ場所にきた友人(山根)。
ベンチのうえにサイフが落ちている。
ネコババしようしたとき、友人(田中)がやってくる。じつはそのサイフは彼のもの。
盗みをはたらく山根に、とまどう田中 ─ 。
けれど友情を壊したくないため、ゆるすことに。
気にせずに、ふたりでバトミントンをはじめる。
しかし山根は、手加減ももせず、本気で勝負をしてくる。
ゆるすキモチはうすらぎ……
ひとこと
ビミョーな心理をえがいたコント。
田中のセリフには、おもわず笑ってしまいました。
『レンタル彼女』
あらすじ
「レンタル彼女」のサービスを利用するタッくん(田中)。
〝10時間のあいだ、なにをしてもいい〟という条件で、カノジョ役のともみ(山根)に5万円をわたす。
女性と付き合った経験のないタッくんだが、オンナについては研究済み。
メモしたノートを手にとり、他人の犬にかけより、「カワイイ自分」をアピールする彼女の心理を分析する。
しかしともみは女の子とはおもえない下品なふるまいをはじめる。
パニクるタッくんは……
ひとこと
田中さんの「キモキャラ」が前面に出ているコント。
「オンナにふれず、オンナを知った」という名言もとびだします。
オチでは、山根さん演じるともみの「したたかさ」があらわれます。
とはいえここは、ストーリー展開として「余計かなぁ」と思いました。
カットすれば、ひきしまったコントになっていたはず。
ちょっとおしい。
『田中が考え中 特別編 ~ドレッシングルーム~』
あらすじ
大学時代「ゴミ人間サークル」にはいってメンバーが、数年ぶりにあつまる。
かつてはダメ人間だったが、ニートの野田以外は、みんな出世している。
そこへ研究者の田中が「他人の能力を吸い取るメカ」をもってやってくる。
いまだにダメ人間の野田は、その機械をみて、あることを思いつく。
出世したメンバーから能力を吸収し、人生をやりなおそうとする。
しかしじっさいにメカをつかっても、野田のチカラはいっさい変わらない。
じつはどのメンバーも「出世した」と見栄をはっていたようで……。
ひとこと
アルガールズほか、ドランクドラゴンのタクさんや、鳥居みゆきさんなども参加 ─ 。
30分以上の長尺コントです。
山根さんが「一流のグラフィックデザイナー」、鈴木拓さんが「天才数学者」など、それぞれの「見栄の張り合い」が、笑いどころ。
素性があきらかになるごとに、笑いがおこっていく。
ストーリー展開としては、とてもよくできています。
ただし、すこし演技力が追いついていない印象。
そこが目につかなければ、楽しくみれます。
野田以外のメンバーで、ただひとり見栄をはっていない主婦の鳥居みゆきさんが、はなしのオチにからんでくる。
ほのぼのおわっていくかんじは、アンガールズらしいです。
まとめ
こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。
ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。
ちがう記事ものぞいてみてください。
ではまた。
よきコントライフを〜。