アンガールズ『俺、ギリギリ正常人間』感想&レビューです。

公演日 2017年4月
収録 洗濯機
新宿の家
先輩の電話
追跡
水族館
泥棒
友達の彼女

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

とりあげるのは、アンガールズ 『俺、ギリギリ正常人間』。

前回から、約1年ぶりのライブです。

『水族館』は、アクションメインのコント。

『新宿の家』では、「キモキャラ」とはちがった〝不気味さ〟で笑いをおこしていきます。

2008年までのアンガールズにくらべ、より深まった笑いをみることができます。

幕間の『企画コーナー』も、Good でした。

個人的に良かったのは、「洗濯機」「先輩の電話」「追跡」です。

以下、くわしくみていきます。

『洗濯機』

あらすじ

洗濯機をすてる女(山根)。

そこへ、ストーカー風の男がやってくる。

処分するならゆずってほしいとたのむが、〝べつの目的〟があるとうたがい、ことわる。

それでもしつこくねだる男。

抵抗するほど、男は〝変態ちっく〟になっていき……

ひとこと

田中さんの「キモキャラ」が前面に出ています。

とはいえ、ただのキャラクターコントではありません。

かんちがいを軸に、ストーリーが構成されています。

プロットのラインがしっかりしています。

アンガールズさんといえば、キャラ立ちしているイメージです。

けれど、この作品をみると、物語重視のコントをつくれる、とわかります。

ふたりの別の一面をみたい人には、おすすめの作品です。

オチもヒネリがきいていて、よかった。

『先輩の電話』

あらすじ

居酒屋。

サシで飲んでいる先輩 & 後輩(山根 & 田中)。

そこへ先輩に電話がかかってくる。

「同僚の「奥田」が会社のカネを横領した」 ─ そんなコトがつたえられる。

電話をかけているとなりで、後輩・田中は、けんめいに否定する。

同期ということもあり、奥田を必死にフォローする。

あまりの擁護に、後輩に事情を説明してもらう先輩。

しかし、いざ電話をうけると、まったく奥田を守ろうとしない田中。

もし奥田が横領してた場合、こっちにも火の粉がふりかかる ─

そんな不安にかられて……


「キモキャラ」とはちがい、アンガールズのインケンなトコがみえるコントです。

アンガールズなりの〝ダーク〟な部分がかいまみられ、それだけもみる価値があります。

ストーリー構成もうまく、キャラとマッチしています。

奥田を見捨てて、保身にはしる自分を「危機管理能力がある」とアピールする ─ 。

うーん、ほんとにイヤなやつです。

全体をとおして、イチバン印象にのこる作品でした。

『追跡』

あらすじ

ベンチにすわっている人(山根)に、声をかける男(田中)。

「10年前、あなたのヨメにフラれたカレシ」だと告げる。

カノジョをストーカーしようとしたが、それでは犯罪になる。

そこでダンナを見はり、浮気の現場をおさえて、ふたりのカンケーをこわそうと計画していた。

しかしダンナは、いっさい浮気せず。ただただ〝まじめなおじさん〟を10年間追いかけてきただけ。

そしていまストーカーのための貯金がつきようとしている。

すると男(田中)は、ダンナだけでも〝10年間の努力〟をつたえようとして、声をかけたが……。

ひとこと

こちらは王道の「キモキャラ」が登場します。

元カレではなく〝うばったダンナをストーカーする設定〟が、ヒネリがあって、よかった。

10年間、自分を追跡する相手にたいして、ダンナが同情するあたりも、なんだかしみじみしました。

アンガールズの新たな方向性を、かいまみた気がします。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。