シソンヌ『シソンヌライブ six(シス)』感想&レビューです。

公演日 2017年4月
収録 婚活パーティー
野村くんの夢
Japanese Ojisan
父へ
ボクシングジムに通いたいけど
同居人の
サ裸リーマン

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

とりあげるのは、シソンヌ『シソンヌライブ six(シス)』。

タイトルどおり、6回目の単独ライブを収録しています。

シソンヌさんの魅力は、じろうさんのキャラにあります。

かれの「狂気がかった」性格が軸となり、笑いをおこしていきます。

『Japanese Ojisan』『父へ』『サ裸リーマン』では、じろうさんの〝特異な性格〟が全開します。

それによって、相方・長谷川が、ふりまわされる、といったながれをとります。

個人的に良かったのは、「婚活パーティー」「ボクシングに通いたいけど」「同居人の」 ─ 。

以下、くわしくみていきます。

『婚活パーティー』

あらすじ

婚活パーティーに参加する中年男性(長谷川)。

泣きながらイベントに参加する女と知り合う。

高齢者を相手に生命保険のセールスいる女は、人が亡くなる場面をよく目にして、年配の人だけで泣けてくるらしい。

ヘンな同情心をもつ女性だが、男は惹かれていく。

彼女を悲しませないように、年下だとウソをつくが……。

ひとこと

じろうさんのクセのあるキャラが発揮しているコントです。

〝高齢者の男性をみると泣けてくる〟というキャラ設定は、すこしムリがあるかもです。

とはいえ、じろうさんのキョーレツなセリフと個性で乗りきり、コントを成立させています。

しょっぱなから、シソンヌの持ち味が出ています。

『ボクシングに通いたいけど』


あらすじ

ボクシングジムに、通おうとするOL。

けれど、ガラス張りのジムは、まわりからまる見え。

ひとの視線が気になるため、なかなか勇気が出せない。

トレーナーは「だれもみていないと」と説得して、うまく女にグローブをはめさせる。

いざはじめると、ヒザ蹴りまでして、ものすごくアグレッシブ。

それでも恥ずかしがる女は、しばらくジムに顔をみせなくなり……。

ひとこと

このあと女は、電車でチカンにあい、くやしさのあまり、もう一度ジムにやってくる。

そこで、トレーナーと恋におちる。

はっきりいって、ストーリーはめちゃくちゃです。

けれど、じろう演じるOLが、〝アクのつよい性格〟で、それが笑いをおこしています。

サンドバッグを叩いたあとに、クセでヒザ蹴りをかますシーンは、みるたびに笑えます。

『同居人の』

あらすじ

ルームシェアしているふたり。

友人(じろう)が帰宅する。

同居人(長谷川)がリビングのソファにすわっているが、かれは仕事をやめ、家賃をはらっていない状態。

さらに声も出なくなり、1年くらいしゃべらない。

ガマンできない友人(じろう)は、追い出そうとする。

とりあえず部屋にもどり、着がえようとしたとき、床にウンコがおちている。

キレるかと思いきや、声を出さない同居人が「意思表示」をしてくれて、うれしくなる。

「つよいメッセージをかんじる」と感動する。

友人は、ウンコをしたワケを同居人にたずねるが……。

ひとこと

ウンコ/感動 ─ 反対の要素を対比させて、笑いをおこします。

声をしぼりだそうとする長谷川さんの演技もすばらしいです。

「おれ……ウンコ……した」と、なんとか口に出そうとするシーンは、シリアスとバカバカしさが〝同居〟しています。

全体をとおして、このコントがイチバンみごたえがあります。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。