| 発売日 | 2018年4月 |
| 収録 |
オープニングコント 犯罪の温床 後継者 ちゃうん!? カフェリベルタ 画廊にて 漫才「怪談」 ヒーロー 十年定食 エンディングトーク |
どうも、コント作家のりきぞうです。
きょうも、コント作品をレビューしていきます。
取りあげるのは、さらば青春の光『真っ二つ』。
前回の『会心の一撃』から1年ぶりのコントです。
『後継者』は、あとつぎ問題になやむ職人のおはなし。
募集したのはいいものの、応募にやってきたのは、じぶんと同じ年ごろの老人 ─ 。
採用をめぐり、ふたりのやりとりが、笑いをおこします。
『カフェリベルタ』は、客と店員のやりとり。
接客態度がわるい店員に、客が「店長を呼んでこい!」と不満をぶちまける。
すると、クレームを回避するため、
「うちの店、オーナーもいないですよ」
「うちの店、責任者がいないんですよ」
なとなど、言い訳を連発 ─ 。
すこしムリのある展開ながら、ついつい笑ってしまいました。
なかなか決断ができない若者 or 日本人を皮肉っているようで、すこし考えさせられましたね。
…
個人的に好きだったのは、「犯罪の温床」、「画廊にて」、「ヒーロー」 ─ 。
以下、くわしくみていきます。
目次
『犯罪の温床』
あらすじ
ラーメン店。
この店で食い逃げした大学生が捕まったことを、警察官が店主に伝えにくる。
「近ごろの大学生は、モラルがなっていない」
「食い逃げなんて、サイテーの犯罪だ」
店主は、警官に怒り・不満をぶつける。
しかし警官は、どこか納得しない。
というのも、すでにこの店では、食い逃げが5件もおきている。
それも、全員が全員、
「あんなラーメンに、お金を払いたくない!」
とつよく思い、店をとびだしたらしい。
警官は、犯人よりも、〝ラーメンの味〟に問題があると指摘して……
ひとこと
発想がおもしろいコントです。
味に問題があると指摘する警官 ─ 。
「店のレイアウトを変えましょう」
「メニューを豚骨ラーメン一本にしぼりましょう」
なとなど、お店改善のアドバイスをくりかえす。
と、ツッコミをいれる店主には笑いました。
『画廊にて』
あらすじ
画廊で、絵を鑑賞する男性。
少女がひとり海を眺めている絵に、いたく感激する。
そのとき、案内人らしき男がやってくる。
感動している男性にたいして、「気にいっていたたげましたか?」と、声をかける。
絵のできばえを褒めちぎる男性客 ─ 。
するとその瞬間、案内人は、
「24号サイズなのに、20万円代をキープしてるんですよ」
「お買い得ですよー」
などなど、商売気質まるだしで、ガツガツ売り込んでくる。
さらにはなしをきくと、どうやら案内人じしんが、絵の作者。
繊細な絵と作者のキャラに、ギャップを感じた男性は、ひどくとまどい……
ひとこと
芸術家と商売人の才能をもちあわせる男 ─ まぎゃくの気質がまじりあうことで、笑いをおこします。
男性客の感想が、すべてをものがたっていますね。
ラスト付近、絵を描いた本人が、電卓をたたくシーンには、おもわず笑ってしまいました。
『ヒーロー』
あらすじ
マンションで火事が発生。
いまだに内部には、フクスウの人たちが取り残されている。
危険をかえりみず、ひとりの男性住人が、なかにとびこみ、助けだそうとする。
勇気ある行動に、同じマンションに住む男は感心する。
しかし、はなしをよくきくと、火事の原因は、ヒーローのように人助けをしている当人 ─ 。
寝タバコが原因らしい。
さらに、住人を助けているのも、じぶんの火の不始末で、他人が死んでほしくないため。
「重失火罪」で捕まりたくばかりに、住人たちを救っている。
どこか納得がいかない、同じマンションの男は、いっしょに住人たちを助けにいくが……
ひとこと
こちらはシナリオ・プロットで、笑いをおこすコント。
約10分ほどの長さがあり、ちょっとした喜劇です。
全体をとおして、イチバンおもしろかった。
なによりストーリーの設定がバツグンで、じふんが起こした不始末を、ヒーローきどりで、〝火消しに〟走るすがたが、なんともおもしろい。
この設定だけで、笑わすことは確実です。
コントの構成にとって、いかにさいしょの設定が大事か、を自覚させられました。
すこしでも罪を軽くするため、スプリンクラーの誤作動をみつけ、けむりがもくもくするなか写メをパチャパチャ。
こういうこまやかなボケも、ほんとうによかった。
ちなみに、みずからの罪を〝帳消し〟にするため、ヒーローのようにふるまう男にたいして、
「まるで、織田裕二やん」
とツッコむ、同居人のひとことにも、くすりとさせられました。
なによりみてほしいコントです。
まとめ
こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。
ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。
ちがう記事ものぞいてみてください。
ではまた。
よきコントライフを〜。


