東京03『図星中の図星』(第13回)感想&レビューです。

公演日 2011年11月
収録 一人足りない
フォロー
山の上の別荘
救世主
友人の友人
誰?
ラブホテルの攻防

どうも、コント作家のりきぞうです。

取りあげるのは、東京03の『図星中の図星』。

13回目の単独ライブを収録したものです。

日常で感じる、ビミョーな気持ちをコントにしています。

『フォロー』『友人の友人』はまさにそれ。

なかでも、『一人足りない』『救世主』は、心理描写とプロットの展開が、ばつぐんに良かった。

それぞれ、カンタンにみていきます。

『一人足りない』

人物

会社員①(角田)
会社員②(豊本)
会社員③(飯塚) … 同僚のふたりを合コンに誘う

場所

会社の休憩室

あらすじ

同僚ふたりが雑談中。

そこにもうひとりの同僚がやってきて、合コンにさそう。

しかし来てほしいのは、ひとりだけ。

一瞬、表情をかえるふたり。

「行きたい!」って言うかと思いきや、あれこれ理由をつけ、参加をこばむ。

けれど、おたがいに、あいてをうかがいながら、

「角田が行きたくなら、オレがいこうかな」
「豊本が行きたくないなら、オレがいこうかな」

と、つぶやきながら、参加したい態度を、バンバンみせる。

とはいえ、ホンネを言いだせない同僚ふたり。

けっきょく、ゆずりあったまま決着がつかず……

ひとこと

はなしの「設定」が、ほんとにすばらしい。

プライドの高い男子なら、むねにつきささるコントですね(笑)

ゆずりあう演技も、東京03にしか出せないワザです。

ポイント

笑いのポイントをみていきます。

コントで大事なのは、キャラクターとプロットです。

この作品ではプロットに注目してみます。

コントのプロットはとてもシンプルです。

[設定 → 展開 → オチ]がキホンのながれ。

コントの書き方 ─ プロットの構成について

この作品でも、まず「設定」で、会社員ふたりが雑談をして、和気あいあいとしている。

なにげないシーンだけど、ふたりの立場が、対等ということが大事。

先輩 / 後輩のカンケーなら、ひとりだけ合コンにさそわれたとき、後輩がゆずることになる。

それでは、コントにならずに、はなしがおわってしまう。

対等だからこそ、なにかあったとき、駆けひきができるほうへ、もっていける。

つぎの「展開」では、ひとつのできごとをキッカケに、「設定」での状況を変化させる。

ここでは、ひとりだけ合コンにさそわれ、これがキッカケとなり、ふたりのカンケーに変化がおきる。

おたがいにホンネをかくして、ゆずり合うながれにもっていく。

これが笑いをひきおこす。

さいごに「オチ」。

ゆずりあう態度がエスカレート ─ 。

咳ばらいをしつつ、ごまかしがら、「やっぱり自分がいかせてほしい」などホンネをもらしていく。

こんなふうに、コントのプロットは「設定 → 展開 → オチ」が、キホンのながれ。

構成に注目してみると、よりふかくコントをみることができます。

『救世主』


人物

上司(角田)
部下①(飯塚)
部下②(豊本)

場所

会社のオフィス

あらすじ

息子へのプレゼントに、「戦車のプラモ」を用意する上司 ─ 。

それを部下の豊本が壊してしまう。

大砲の音がならず、動かない。

そのとき、もう一人の部下が「なおせるかも」と一言。

メカにくわしい飯塚。

上司・同僚から「ヒーロー」のあつかいをうける。

カッコつけながら修理開始。

しかし、音は出るようになったものの、キャタピラの車輪がまわらず……。

まったく動かない戦車。

「これ以上、ムリっすね」 ─ 飯塚は、あっさりあきらめる。

期待をうらぎられた上司 ─ 。

部下への評価をいっぺんさせ、「ヒーローあつかい」をとりけし……

ひとこと

ビミョーな心理をついた作品。

東京03は、〝なんともいえない違和感〟をえがくのが、ほんとうにうまいです。

ありそうなできごとをネタに、作品をつくりあげていく。

だから、どのコントも共感しながら、笑っていけるんですね。

ポイント

笑いのポイントをみていきます。

コントで大事なのは、キャラクターとプロットです。

この作品ではプロットに注目してみます。

コントのプロットはとてもシンプルです。

[設定 → 展開 → オチ]がキホンのながれ。

コントの書き方 ─ プロットの構成について

なかでも「展開」が、作品の良し悪しを決めるんだけど、これにも「型」がある。

パターンは「反転」「逆転」「交錯」の3つ。

コントの書き方 ─ プロットの展開について

ストーリーを整理して、パターンをあてはめてみてると、構図は「逆転」とわかる。

「逆転」では、ひとつのできごとをキッカケに、それまでの立場が反転するようすをえがく

人物の地位 or 権威が、ひっくり返ることで、笑いをおこしていきます。

この作品でも、序盤で、プラモデルを直せると言い出す人物をおく。

カッコつけさせながら、中途半端なトコまで修理させておく、上司の期待を高める。

しかし中盤、あっさり「直せません」と言わせ、この男への評価をガクンとさげる。

図にするとこんなかんじ。

構図 ─ 逆転
角田&豊本 < 飯塚(=ヒーロー)

・友人のフリをしつづける店員
・客のほうも、店員がウソついていると見抜く
・役者のたまごだと知り、自分がテレビドラマのプロデューサーをしているとウソをつく
・本気にした店員は、なれなれしい態度をことを、後悔する

角田&豊本 > 飯塚( ≠ ヒーロー)

ちなみに、逆転の構図では、序盤のシーンが極端なほど、ひっくり返したあとの落差がはげしくなる。

そのため鋭さが増す。

この作品でも、部下が、自信たっぷりの態度をみせ、上司の期待が高まるほど、「直せません」といったあと幻滅はつよくなります。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。