公演日 | 1997年12月 |
収録 |
オープニング ─ Can’t eat! 転職 ─ Fast food 200万 ─ Snatch 誘拐 ─ HEY! ZO 12・24 ─ Fake love エンディング ─ サラダで白飯くえるんじゃん! |
どうも、コント作家のりきぞうです。
きょうも、コント作品をレビューしていきます。
取りあげるのは、バカルディ(さまぁ~ず)『サラダで白飯くえねーよ!』。
さまぁーずさんのバカルディ時代のコントライブを収録したものです。
むかしのものですが、内容は、まったく古びていません。
…
「転職」は、夫婦のやりとり。
クビなった夫が、「焼き芋屋」をやろうとここみる。
そのために、マイクをもって呼びかけの音声をふきこむことに。
しかし妻はジャマばかりして、なかなかいい音がとれない。
ストーリー展開よりも、さまぁ〜ずさんのかけあいを楽しむコントです。
「誘拐」は、誘拐事件をたくらむふたりのはなし。
フリップボードをまえに、大竹さん演じる主犯が作戦内容を説明。
しかしどれもふざけたはなしばかりで、中身がない。
こちらもプロットよりも、フリップの図&絵によって笑いをおこす内容。
大竹のセンスが光るかんじに仕上がっています。
…
個人的に良かったのは、『200万』、『12・24』 の2本。
以下、[あらすじ → ひとこと]の順で、くわしくみていきます。
『200万 ─ Snatch』
あらすじ
公園のベンチ。
ひとりの男が座ろうとしたとき、分厚い封筒をみつける。
こっそりのぞくと、なかには200万円ちかくの札束が。
ネコババしようかなと迷っているところに、別の男がやってくる。
封筒をそのままにして、あわててゴミ箱のかげに隠れる。
同じく別の男も、封筒を手にとり、なかの札束を発見。
こちらは、もともと食べていたカップ麺をうえに置き、さっさとネコババをしようとする。
ゴミ箱のうしろから姿をみせ、すかさず止めに入る男。
そう指摘するも、カップ麺を手にもつ男は、悪びれることなく、「おれのだよ」とこたえる。
ひとりドッキリのため、自分でしかけた
など、ありもしない言い訳をかます。
そのあと、あっけなくウソがバレた男は、さいしょにみつけた男に「山分けしよう」と提案し……
ひとこと
15分ほどのコント。
ベタな設定ながら、みごたえがあります。
きほんのストリートはそのままに、とちゅうとちゅうで入る、おふたりならではのボケ&ツッコミが、なんともいえない笑いを誘います。
封筒をとりもどし、
「あんたの持ち物なら、この名まえがわかるはず」
「あなたの名まえは?」
と問われる男。
それにたいして、
とかえす。
このあたりのフレーズ&やりとりは、さまぁ〜ずさんならではです。
このほか、警察に届けようとする男にたいして、それとなく殺そうとするそぶりをみせるなど、笑いドコが、もりだくさん。
おふたりのオリジナリティを感じながら、上質なコントを味わえます。
『12・24 ─ Fake love』
あらすじ
アパートの一室。
クリスマスイブにもかかわらず、むなしくひとり部屋で過ごす男。
さびしさから「風俗嬢」をよぶことに。
好みの女性をリクエストするも、店の意向に押しきられ、満足に頼むことができない。
しぶしぶむこうの要求にしたがい、部屋で女性をまつことに。
すると、すぐさまインターホンが鳴る。
あまりに早い訪問に戸惑う男 ─ 。
けれどドアをあけると、そこには友人の「高木」が。
クリスマスイブにさびしく過ごしているかと思って、わさわざやってきたようす。
友人と風俗嬢とのバッティングを避けたいと思う男は、さっさと友人に帰ってもらおうとする。
しかし、遠慮しない高木は、友人のアパートにすこしでも長く居座ろうとする。
クリスマスイブに「風俗嬢」を呼んでいる事実がバレたくない男は、ぼかしながら帰ってもらおうとするが……。
ひとこと
こちらも設定がうまく、さいしょのスタートからしておもしろいです。
大竹さん演じる「風俗嬢」をよんだ男 ─ 。
友人「高木」に、事実がバレないように、アタフタする ─ これが笑いの軸になります。
「玄関に立てたホウキと同じように、コップのうえにタバコを置かれると帰ってくれっていうサインなんだって」
などなど、それとなく「帰ってほしいかんじ」をアピールする。
けれどまったく空気を読まない高木は、その場で寝そべるまでに。
そのあと、話題はカノジョのはなしに。
風俗嬢にもかかわらず、カノジョが来るとウソをついた男は、どんなひと&カンケーなのか、具体的に問われる。
カノジョなんかいない男は、しかたなく「風俗店」とのやりとりをこたえる。
・「このアパートにくるまでの交通費は、こっちもち」
などなど、恋人とのカンケーとは思えないはなしをする。
こんなかんじで、男の〝ごまかし〟が、ストーリーのカギとなり、展開していきます。
個人的には、あいまあいまに挟まれる、さまぁ〜ずさんの漫才風のかけあいが、なんともいえずツボでした。
ベタなストーリー展開にならず、良い意味で変化球になっている。
おふたりのやりとりが好きな人なら、かなり満足できる内容です。
まとめ
こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。
ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。
ちがう記事ものぞいてみてください。
ではまた。
よきコントライフを〜。