ジグザグジギー『2008-2012 BEST』感想&レビューです。

発売日 2013年5月
収録 ① 出欠
② 喫茶店
③ 人違い
④ オークション
⑤ 班決め
⑥ 泥棒ー!!
⑦ お会計
⑧ キャバクラ
⑨ ダイイングメッセージ
⑩ オーディション
⑪ 自己陶酔
⑫ クイズ番組
⑬ バスガイド
⑭ ジャムトースト
⑮ かるた
⑯ 椅子取りゲーム

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、ジグザグジギー『2008-2012 BEST』。

おふたりにとって、さいしょの映像作品です。

『① 出欠』は、「池田」という名まえの生徒が転校してくるおはなし。

クラスでのあいさつがおわり、さっそく出欠がとられる。

自分が呼ばれるのを待っていると、まわりのほとんど「あ行」からはじまる。

なかなか自分の名まえが呼ばれないイライラが、笑いをおこします。

『⑦ お会計』は、取り引き先同士のサラリーマンのやりとり。

喫茶店での打ち合わせがおわり、お会計に。

「ここは自分が払います」と言うかと思いきや、お互いに「お代」を押しつけ合う。

いいかんじで不意打ちをくらい、ついつい笑ってしまいます。

全体として、アタマの良いネタが多い印象です。

とはいえ、頭脳派というわけでなく、構成&発想が、知的だなぁといったかんじ。

なので、疲れているときでも、さらっと気楽にみれる内容にしあがっています。

個人的によかったのは、『④ オークション』『⑨ ダイイングメッセージ』『⑪ 自己陶酔』の3本。

以下、[あらすじ → ひとこと]の順で、くわしくみていきます。

『④ オークション』

あらすじ

オークション会場。

バット&ゴーグルなど、有名スポーツ選手ゆかりのモノが出品される。

どれも「30万円」からスタート。

ひとりの参加者が、まわりの希望額にあわせて、値段をつたえる。

「30万 → 40万 → 50万 … 」と少しずつ上げるなかで、とつぜん、

「2億」

と、一気に値段をつりあげるヤツがあらわれる。

その後も、ひとりの参加者が、少しずつ値段を上げるなかで、ふたたび、

「2億」

と、〝値段の釣り上げ〟にかかる。

「自分が料金を言うときに、ジャマしてくるヤツがいる!」

─ 進行役に苦情をのべる参加者だったが……

ひとこと

発想がおもしろいコント。

自分のフトコロに合わせて、慎重に値段をつたえる参加者 ─ 。

その努力をへしおるように、とつぜん「2億」と言われ、たたきつぶされる。

なんともいえない〝みじめさ〟が、笑いを誘います。

『⑨ ダイイングメッセージ』

あらすじ

事件現場にかけつける刑事。

すると、そこに先輩刑事がキズをうけて倒れている。

瀕死の状態のなか、いったい誰にやられたのか、ちかくにあったペンで、犯人の名まえを書く。

ダイニングメッセージを受け取ろうとする後輩だったが、この部屋にやってきたときの状況から、わさわざ紙に書きだす。

風景描写も忘れず、自分が見た「バラ」なども、ご丁寧に漢字で書いて……

ひとこと

こちらも発想がおもしろいコント。

じゃっかんムリがあるかなぁと思いながら、ついつい笑ってしまいましたね。

個人的には、後輩のとまどいが、なんともツボでした。

『⑪ 自己陶酔』

あらすじ

ピアノ演奏のオーディション。

何人か演奏をみているが、審査員はコレといった逸材をみつけられない。

そんななか、ひとりの挑戦者が演奏するバツグンにうまい。

引き込まれる音色で、いつまでも聴いていられる。

が、クライマックスのところで、演奏者の表情が一気に変わる。

どうみても、人を笑わせようとしている顔にしかみえない。

どうやら演奏に入りこむと、しぜんと〝変顔〟になってしまうらしい。

演奏はすばらしいのに、弾いているときの表情で損してる挑戦者は……

ひとこと

こちらも発想がおもしろいですよね。

演奏がすすむたびに、挑戦者の変顔が増す。

このあたりの〝上がりぐあい〟も、ほんとうまいです。

さらに後半、もとに表情がもとに戻っていく挑戦者にたいして、審査員が

「やっぱり、あの表情がほしい」

と思いはじめる。

心情の変化も加わり、いいかんじでヒネリがきいています。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。