かまいたち『This is かまいたち』感想&レビューです。

発売日 2010年3月
収録 ショップ
透明人間
〜ありまして
怖い話
来賓紹介
山之内先輩
殺人現場
宝くじ
CDショップ
ゲーム

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

今回とりあげるのは、かまいたち『This is かまいたち』。

『〜ありまして』は、映画監督と俳優のおはなし。

リハにもかからわず、本番さながらに、俳優の動きを、俳優本人にみせる監督 ─ そのようすが笑いをさそいます。

『来賓紹介』は、たくさんの肩書をもつ年配の男が、主人公 ─ 。

・甲子園出場
・豚ウィルスをもちこんだ最初の日本人

などなど、さまざまなジャンルで名をはせる男性 ─。

どこか大喜利みたいなかんじがありましたね。

個人的に好きだったのは、「怖い話」「殺人現場」「宝くじ」 ─ 。

以下、くわしくみていきます。

『怖い話』

あらすじ

とある、イベント会場。

「山川淳二」のこわい話が、おこなわれている。

客は、びくびくしながらも、楽しみまっている。

しかし、いざ語りが始まると、マイクのエコーがつよすぎて、なにをはなしているのか、聞きとれない。

ガンバって、意味をとろうとするが、ところどころの単語しか聞きとれず、ストーリーの全体がつかめない。

それでも、山川淳二は、こわい話をすすめて……

聞きたいの聞こえない ─ そのもどかしさが、笑いを誘います。

・「足くびを手が、ガッ! ガッ! ガッ! と……」
・「首を、ガッーー!」

などなど、擬音はがりで、なぜそうなったのか、はなしの背景が、まったくわからない。

はなしが聞きとれず、悔しがる濱家さんのリアクションもよかったですね。

『殺人現場』

あらすじ

殺人現場にやってくる2人の刑事。

新人の刑事は、死体をみると、すぐにえづいてしまう。

ベテランの刑事は、

「そんなんじゃ、どうしようもないぞ」
「これから、こういった場面には、たくさん出会すんだからな」

と、ゲキをとばす。

それでも吐き気かとまらない新人。

しかたなく、ベテラン刑事が、ブルーシートをはぎ、死体を確認する。

しかし、殺人の死体は、頭部全体を、すっぽり掃除機に吸われたすがた ─ 。

グロテスクでもなく、どちらかといえば、どこかコッケイ。

予想外の死体に、とまどうベテラン刑事。

それでも新人は、えづきがとまらず……

コッケイな死体にもかかわらず、吐き気がとまらない新人 ─ 。

そのようすが、笑いをおこします。

「すいません、こういった場面は、何回も出くわすんですよね……」

と、反省する新人に、

「いやいや、これから先、こんな死体には、いっさいお目にかからない」

と、前言を撤回。

ベテランの立場が、ひっくりかえるようすが、よりいっそう笑いをさそいます。

ちなみに、ストーリーの構成上、掃除機にすっぽりハマる死体は、笑えることになっている。

とはいえ個人的には、どこか不気味さも感じました。

新人がえづくのも、わかるような。。

『宝くじ』

あらすじ

アパートの一室。

ふたりの友人が、いっしょに買った「宝くじの番号」を確認することに。

とりあえず、ふたつにわけて、ナンバーをチェックしていく。

すると、ひとりのほう(山内)が、「10万円、当たった!」と、よろこぶ。

もうひとりも、いっしょになって、ガッツポーズ。

しかし、お金を出しあって買った宝くじにもかかわらず、当たったほうのチケットをもつ友人は、渡そうとしない。

ほんらいなら「5万円ずつ」分けるところを、じふんがみて当てたから「10万は、おれのもの」と言いだす。

あきれる友人。

しかし、もういっぽうの友人(濱家)が、番号を確認していると、「1000万円」当たっていると判明 ─ 。

が、10万円当たった友人は、「500万ずつに、分けよう」と、悪びれることなく、言いだす。

あたりまえのように、ことわる友人。

すると、いら立つ男は、1000万円ゲットした友人を、ナイフでさしてしまう。

パニックになる男だったが、とつぜんまわりが暗くなり、なぜか、宝くじを確認するまえの状況・場面にもどっている。

混乱するものの、ひとまず、友人のもつ宝くじを自分のものと交換し、「1000万円」を手にいれようとする。

しかしなぜか、ふたたび「10万」しか当たらず、もういっぼうの友人が「1000万」
をあてる。

ふたたびナイフでつきさし、またまた状況・場面が、さいしょにもどる。

そのまま「10万」しか当たらずに、ループはつづいていき……

3分ほどの作品が多いなか、これは唯一の長尺コントです。

いわゆる「ループもの」で、かまいたちさんにはめずらしく、やや混みいった内容になっています。

とはいえ、そこはコントで、フクザツで、空想的なストーリーであるいっぽう、笑いどころはたくさんあります。

10万円は分けないといったものの、さらっと「500万ずつ分けよう」というセリフなど、はなしのかけあい・テンポが、ほんとにうまい。

なぜか1000万円をゲットできず、アタフタする山内さん演じる友人の、アクション&フレーズが、笑いをおこします。

爆笑というかんじではありません。

とはいえどこか、考えさせられる内容でもあります。

しょせんは人生はくりかえし ─ 。

あきらめが肝心ということでしょうか。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。