ラバーガール『大水が出た!』感想&レビューです。

公演日 2016年8月
収録 大水が出た!
時価の店
引っ越し
ハワイ旅行
MCバトル
レビュアー
聞いてくれよ
結婚

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、ラバーガール『大水が出た!』。

『大水が出た!』は、大水さんと飛永さんのかけあいによるコント。

「バケモノが出たー!」とさけぶように、大水さん自身が、「大水が出たー!」とわめき、飛永さんの家をたずねる。

言ってる本人が、自宅から外出しただけ。

メタ的、かつ、シュールなようすが、笑いを誘います。

『MCバトル』は、歌ネタ。

ラッパー同士の対決。

ディスりまくる「飛永」にたいして、先輩のラッパー「大水」は、仲良くしようと平和で、ポップな歌詞で対抗 ─ 。

勝ち負けの基準をズラすことで、笑いをおこしていきます。

個人的に良かったのは、「時価の店」「引っ越し」「聞いてくれよ」 ─ 。

以下、くわしくみていきます。

『時価の店』


あらすじ

すし屋。

サラリーマンの男が、カウンター席にすわり、店主とはなしている。

時価でやっている店で、なかなか店に入ることができかなった。

けれど、おいしいすしをいただけて、ほんとうによかった。

満足したようすの客。

いざ、お会計。

すると、合計は「18円」 ─ 。

びっくりした客は、なにかのまちがいではないか、とたずねる。

「時価でやっているため、たまたまいまの時間は、こんなに安くなっている」

疑いながらも「18円」をわたす客。

するとさいごに店主は、〝おきもち代〟をいただけたら、と要求 ─ 。

18円ではわるいから、「5,000円」をそっとさし出す。

しかし帰ろうとしたとき、ドアがあかない。

どうやら、〝おきもち〟が足りなかったようで……

ひとこと

ラバーガールさんにしては、すこしベタな展開かもです。

とはいえ、〝おきもち〟のくだりまでに、大水さんがみせる小ボケが、ひねりをくわえた笑いを生みだしています。

「天然もの」と称して、本人の天然エピソードを語るあたりは、さすがにうまいなぁと感じました。

オチのシーンで、あからさまに、ドアのむこうから、だれかがおさえているのには、笑いましたね。

『引っ越し』

あらすじ

引っ越しのため、レンタカー屋に、車を借りにきた男。

店員が対応すると、

「あ、大丈夫です。すぐに返すんで、テキトーに乗っていっちゃいます」
「ダサい車なんで、いっぱいぶつけてもオーナーですよね?」

などなど、おふざけを連発。

しまいには、免許証をわすれたので、きょうは「ナシ」でお願いします、と言いはじめて……

ひとこと

大水さんの〝おとぼけ〟が光るコント。

独特のテンポで、小ボケを連発し、笑いをおこしていきます。

こちらは連作コントで、引っ越しをする男が、さまざまな店をたずね、各店の店員をこまらせる。

店員演じる飛永さんの対応も、ラバーガールさんらしくてよかったですね。

するどいツッコミをいれず、すかしたかんじの受けこたえは、あいかわらずです。

むかしからおふたりのネタをみているひとは、「これこれ」と思うはず。

『聞いてくれよ』

あらすじ

居酒屋。

親友をまえにして、悩みを打ちあける男。

ショックなできごとがあり、かなり落ち込んでいるようす。

「昨日よぉ〜、」と、いざ起きた事件を話そうとしても、涙がこみあげてきて、言葉が出てこない。

それでも、なぐさめつつ、はなしを聞こうとする友人 ─ 。

しかし男は、「昨日よぉ〜、」と話そうとしても、ふたたび涙がこみあげてくる。

けっきょく、本人から語られることなく、事件の内容は、わからないままで……

ひとこと

「昨日よぉ〜、……」が、〝まくら〟になって、涙をこぼす。

悩みを打ち明けようとしても、言葉にならない。

この反復が、笑いをおこします。

個人的には、大水さんの演じ方が、なんともよかった。

これまでにない口調&態度のキャラで、あらたなラバーガールさんの笑いが開拓された印象 ─ 。

次回以降のライブでも、つよい個性をもった人物が出てきそうですね。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。