ラバーガール『GAME』感想&レビューです。

公演日 2013年3月
収録 リアルパックマン
恋愛シミュレーションゲーム ラブリアル
サッカーと二万
ゲーム
妖精がいる部屋
パワーポイント
ギャル男たちの発想が世界を救う
ゲームセンター

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、ラバーガール『GAME』。

『リアルパックマン』は、温泉街でワンシーン。

タイトルどおり、歓楽街の店主演じる大水さんが、パックマンにふんして、ゲームを披露する。

小さなシュークリームを、パクパク食べるようすが、笑いをさそいます。

ラバーガールさんにはめずらしく、カラダをはったコントでした。

『恋愛シミュレーションゲーム』は、開発者と営業担当のやりとり。

大水さん演じる開発者が、ゲームの内容をプレゼン。

深夜すぎのバーで、泥酔のオンナをおとし、じぶんの部屋につれこむ ─ 。

恋愛ゲームにしてはやたら具体的なシチュエーションが笑いをおこします。

大水さん自身の、プライベートでの会話がすけてみえておもしろかった。

個人的に良かったのは、「サッカーと二万」「妖精がいる部屋」「ゲームセンター」 ─ 。

以下、くわしくみていきます。

『サッカーと二万』

あらすじ

スポーツバー。

友人2人が、サッカーの日本代表戦をみている。

点が入りそうなシーンで、ふたりは大いに盛りあがる。

そのながれから、大水が飛永に、

「わるいと思ってたんだけど、このまえ黙って、おまえのサイフから2万、借りちゃった」
「給料が入ったから、すぐに返すわ」

とまどう飛永 ─ 。

盗んだ友人にたいして、罪の意識をもてよとせめる。

いっぽう、サッカーの試合も、いい展開に。

ふたたびチャンスがおとずれ、ついにゴールをきめる。

飛永が大水とハイタッチまでしてしまい……

ひとこと

発想がめちゃくちゃ良いですよね。

サッカーでテンションがあがるキモチと、カネを盗まれて、ダウンするキモチ ─ そのコントラストをうまく描いています。

大水さん演じる友人が、さらっと盗みをはたらいたことを告げるタイミング&口調が、 ほんとに抜群でした。

『妖精がいる部屋』

あらすじ

ひとり暮らしのアパート。

さいきん不思議なことがよく起こる。

消したはずの電気がついていたり、食べていたお菓子の量が減っていたり。

もしかしたら、この部屋には、妖精が住んでいるではないか、とうたがう。

すると、案の定、しかけていたカメラに、小さな妖精のすがたがうつる。

これをきっかけに、住人と妖精は、会話のやりとりをはじめる。

しかし、コントラストをとるうちに、住人は、違和感に気づく。

妖精の〝におい〟が、異常にクサい。

〝体臭〟にガマンできなくなった住人は、出ていってほしいとつたえるが……

ひとこと

こちらも、ファンタジックなシーンと、リアルな状況のコントラストが、笑いをおこします。

妖精と体臭 ─ 真逆ですからね(笑)

くわえておもしろいのが、妖精演じる大水さんが、じぶんの〝におい〟に、まったく気づいていないこと。

おそるおそる、出ていってほしいと、告げる飛永さんの演技も、good でした。

『ゲームセンター』

あらすじ

ゲームセンターにやってくるサラリーマン。

久しぶりにみかけた『パックマン』をやろうと、両替をしにいく。

そのすきに、ちがう男が、ゲーム台にすわり、パックマンをはじめる。

順番待ちをするサラリーマン ─ 。

すると、男はいっしょにやりませんか、とさそう。

サラリーマンは応じるが、男は、一度も負けずに、1時間ちかくもつづける。

あまりのうまさに、サラリーマンは感心する。

しかし、『パックマン』がつよい男は、会社の命運がかかったロジェクトに失敗し、生きる希望を失っていた。

事情をきき、励ますサラリーマン。

「ぼくなんか、年下の上司が、自分の母親(55歳)と結婚して、同居中のマンションで、毎晩イチャイチャしてるんですよ」

「おたがいツラいは、たくさんありますよ」

はげますほうが、よっぽどキツい状況を強いられているようで……

ひとこと

はなしの展開がうまいですよね。

ラバーガールさん独特のテンポで、飛永さん演じるサラリーマンのツラい状況が、ポツポツ語られていきます。

『パックマン』というゲームにかけて、お互いの心情をのべるのも、良かったです。

おふたりにはめずらしく、すこし暖かみのあるストーリーになっていましたね。

ちなみに、『パックマン』がうまい男、ツラい状況に追い込まれているサラリーマンは、ほかのコントにも登場しています。

それぞれのバックボーンを知ったうえで、こちらのコントをみると、より楽しめると思います。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。