公演日 | 2009年1月 |
収録 |
プロローグ「初 FIFA 者」 弱の中年 1年D組 地理バカ先生 このあいだばなし コーナーっぽく言ってみようのコーナー なんとかかんとか 万引きGメンターテイメント ホイッスるべきもの |
どうも、コント作家のりきぞうです。
きょうも、コント作品をレビューしていきます。
取りあげるのは、バカリズム『キックオフ』。
「バカリズム」になってから、5回目の単独ライブです。
『1年D組 地理バカ先生』は、「紙しばいネタ」のコント。
『コーナーっぽく言ってみようのコーナー』では、凝った演出によって笑いをおこしています。
今回も、バカリズムさんならではの世界観が堪能できます。
…
個人的に良かったのは、「このあいだばなし」、「万引きGメンターテイメント」、「ホイッスるべきもの」 ─ 。
以下、くわしくみていきます。
『このあいだばなし』
あらすじ
先日、自分の身におこった出来事を、友だちにしゃべる男。
海を歩いていると、子どもたちがウミガメをイジメている。
気のどくにおもい、ガキどもには「フリスク」をあげて、カメをたすけてあげた。
すると、そのカメがしゃべりだして、お礼がしたいと言いはじめる。
こちらの意志に関係なく、海の底へつれられて……。
ひとこと
『浦島太郎』のパロディです。
バカリズムさんならでは視点で、むかしばなしが書きかえられる。
「しゃべるカメはきもちわるい」
「海の底にいくと〝地方にあるラブホテル〟みたいな建物が見えてきた」
リアリスティックな目線から観察するのも、バカリズムさんっぽいです。
オチも見事です。吹きだしちゃいました(笑)
『万引きGメンターテイメント』
あらすじ
テレビ出演をはたした「万引きGメン」。撮影時のようすを語る。
当時は、ふだんのように「万引き犯」はあらわれなかった。
事件もおこらず〝つかまえるシーン〟も撮影できない。
放送されない事態をおそれた「Gメン」は、チャラそうな若い男に目をつける。
そして彼のトートバックに「ガム」をインして、犯人を〝演って〟もらうことに。
なにもしらない若者は、とうぜん抵抗して……。
ひとこと
テレビ出演によって浮かれる「Gメン」。
「ギョーカイ用語」をつかいながら、当時のようすをふりかえります。
シロトウなのに、「バミリ」「ブッキング」など、いかにもテレビ関係者が言いそうなフレーズを出していく。
笑いどころです。
コント全体は、いわゆる「枠構造」になっていて、ラストでは、彼が〝どの立場〟で語っていたのがあきらかになります。
物語のテクニックと、オチが見ごとにマッチしている。
ほんとうにうまいです。
『ホイッスるべきもの』
あらすじ
サッカーの審判。
反則の「ハンド」にたいして、たてつづけに笛をふく。
しかし1、2回かとおもいきや、選手たちは、くりかえしボールを手で触ろうとする。
いったん試合をとめて、注意しても、まったく言うことをきかない。
イジメのような仕打ちに、審判は泣きだして……。
ひとこと
全体をとおして、イチバン笑いました。
バカリズムさんのコントでは、キレていた人が、じょじょに〝ベソをかく〟シーンが多くありますが、そのなかでも、かなりの面白さです。
「こんなことされて、自分の奥さんになんて言えばいい?」
「きょうは誕生日なのに、なんでこんな仕打ちを受けなくちゃいけないんだ(泣)」
じょじょに〝グズリ〟がエスカレートしていく。
笑えます。
まとめ
こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。
ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。
ちがう記事ものぞいてみてください。
ではまた。
よきコントライフを〜。