インパルス『球根』感想&レビューです。

公演日 2004年4月
収録 オープニング
コンビニ
ハネムーン
暗殺組織
星座発見
レストラン
ミステリーゾーン
カリスマ美容師によろしく
キジの憂鬱
取り調べ
エンディング

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、インパルス『球根』。

単独ライブのもようをおさめたものです。

『コンビニ』は、元鉄道員のコンビニ店員と店長のやりとり。

駅員時代のクセがぬけず、なにかとお客さんを乗客にたとえる。

店員のキャラが、笑いのキーになります。

『ミステリーゾーン』は、UFO を目撃したおばあちゃんのはなし。

「見た」と証言するも、発言のなかみから、どうみても「ヘリコプター」。

それでも強引に、UFO をみたと、言い張る。

おばあちゃんのこじつけが、笑いのポイント。

後半、やや中だるみしているかんじはありますが、全体としてよかったです。

個人的に好きだったのは、『星座発見』『キジの憂鬱』『取り調べ』の3本。

以下、[あらすじ → 感想]に順で、みていきます。

『星座発見』

あらすじ

星の観測所。

長年かけて、博士が新しい星座を発見する。

しかし、見つかったのはいいものの、かたちは、はっきりとした「チ◯コ」。

星座名をどうするか、助手に相談する博士 ─ 。

『◯◯スティック』

など、アレを想像させないよう、なんとか命名しようとするが……

ひとこと

発想がめちゃくちゃおもしろいコント。

板倉さんらしい笑いであふれています。

ショージキ、「チ◯コのかたちをした星座」というだけで、笑いの方向性を決まりまです。

あとはどんなフレーズ&構成にしても、勝手にまわるかんじ。

はなしの設定だけで笑いを起こせる ─ さすがです。

『キジの憂鬱』

あらすじ

鬼ヶ島にむかう「桃太郎一行」。

けれどとちゅう、仲間のキジが、サルをひきとめて、悩みをうちあける。

「おれって、いる?」

ほかの仲間にくらべて、存在理由がわからないキジは、自分の〝強み〟について、イヌに相談する。

・飛べる
・羽がキレイ

などなど、イヌはキジの価値を、いろいろあげるが、あいては納得いかない。

キジのおれじゃなくても、それならほかにたくさんいるだろ、と反論。

さらに、

もしかして、桃太郎は、食料としておれを食べようとしているのでは?

と疑い出して……

ひとこと

こちらも板倉さんの発想がひかるコント。

桃太郎のパロディですが、キジのキモチに焦点をあわせるなんて、インパルスさんにしかできないなぁと思います。

「おまえ、飛べるじゃん」

という励ましにたいして、

「じつは低くしか飛べない」
「長く飛んでいると、カラダの調子が悪くなる」

と反論。

この返し、ほんとにうまいです。

めちゃくちゃ笑いました。

本作のなかで、いちばんおもしろいコントです。

ぜひチェックしてみてください。

『取り調べ』

あらすじ

凶悪犯罪者風の男が、取り調べをうけている。

もはや「虫」を殺すくらいにしか、人間の価値を感じない ─ そう断言する。

しかしじっさいに犯した罪は、「キセル乗車」。

無差別殺人をしているようにみせつつ、やっていることは、ショボい犯罪。

カッコつけている男に、事情をきく駅員は、イライラして……

ひとこと

こちらも、キャラと発想がすばらしいコント。

板倉さん演じる犯罪者もいいですが、そらに対応する堤下さんのツッコミ&演技が、よかった。

「わたしに年齢があると思いますか?」

の挑発に、

「思いますよー!」

といなす。

「どこから乗ってきたのか、ヒントを出しましょうか?」

の挑発に、

「答えを出してください」

とバッサリ。

テンポがよく、すべてのボケを活かしています。

ちなみに、コント後の VTR も、ネタとリンクしていて、ほんとにおもしろかった。

こちらも、ぜひチェックしてほしいコントです。

まとめ

こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。