バナナマン『LIFE is RESEARCH』感想&レビューです。

公演日 2015年8月13日〜16日
収録 Re union
Preparation for Bangkok
メリケンさん ~ピチ太郎の恋~
Positive spiral
赤えんぴつ
LIFE is RESEARCH

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、バナナマンの『LIFE is RESEARCH』。

設定やキャラクターもバラエティに富んだ内容でした。

バナナマン『LIFE is RESEARCH』の概要

「Re union」は同窓会でのワンシーン。

「Positive spiral」も、会社員の男にまつわる話なんですが、ラストがとんでもなくぶっ飛んでいます。

音ネタですね。

「メリケンさん」は、紙芝居で地方をドサ回りする師匠と弟子のおはなし。

日本ばなし風のコントといったかんじ。

個人的によかったのは「Preparation for Bangkok」「LIFE is RESEARCH」─

以下、カンタンにみていきます。

『Preparation for Bangkok』

キャラをメインにしたコントです。

あらすじ

バンコク旅行の準備のために、ドンキに買い物に来たヤンキーカップル。

ゆかちんとユウキくん。

旅の目的は、ゆかちんのお父さんを探すこと。

なぜかお父さんが失踪しているのもナゾなんだけど、とにかく初めての海外旅行で、ユウキくんはウキウキしている。

そのテンションのまま思わず、ドンキでユウキはプロポーズをしてしまう。

泣きはじめるゆかちん。

「背中を押してくれてありがとう」といって感謝する。

OKの合図かと思いきや、すでにしげちゃんと子どもを妊娠していて……

感想

はなしの展開にも引き込まれましたが、それ以上に、ヤンキー扮する2人のキャラと演技が、おもしろい。

とくに、いきなり泣きはじめたりする、ゆかちんの掴みどころのない性格は、さきが読めずに、ついつい見てしまう。

なかなか説明しにくいので、じっさいにみてほしいと思います。

『LIFE is RESEARCH』

恒例の長尺コントです。

以下、概要とポイントをみていきます。

人物

友人①(日村)
友人②(設楽)

場所

自然豊かな休憩場

あらすじ

会社を辞めた日村。

友人の設楽を旅に誘う。

旅のキッカケは、日村に送られてきたメール。

それは、「あなたのむすめだ」と名のる女の子から、助けをもとめる内容 ─ 。

イタズラかと思ったが、母親の名まえが、むかし付き合っていた女性と同名。

ウソとは思えない。

疑いながら、しかたなしに付き合う設楽 ─ 。

旅の車中。

ライターの設楽は、ネットで話題の『シスターマン』のはなしをはじめる。

Tシャツを頭からかぶり、いやがる女の子にはなしかけたり、ケーカンとイザコザをおこしたり。

日村はその話題を避ける。

じつは、かれこそがシスターマン。

後輩からの悪ノリでやらされ、じつは、それがキッカケで、会社を辞めるはめに。

シスターマンを調べるいっぽうで、日村にメールを送ってきた女の子のことも、すでにリサーチ済み。

調査した結果、父親は日村ではなかった。

むすめの母親は、夫とリコン ─ 。

そのため、かのじょは学校でイジメをうけていた。

つらさ・さびしさから、メールを送りまくり、ぐうぜん日村に届いた。

真相を知る日村。

けれど設楽の発案で「シスターマン」に扮して、女の子をなぐさめいこうとなって……

感想

バナナマンのコントらしく、ほっこり系のストーリー。

「シスターマン」となる日村さんの変顔は必見。

当時、ラジオでもネタにされていましたね。

ちなみに、今回のバナナマンライブは、ネットにからんだストーリーが多いなぁとかんじました。

これもそうだし、「Positive spiral」でも、Tバックすがたの男が、『YouTube』で人気者になっている。

ネットにふれずに、シナリオを書くのはむずかしいのかなぁと、しみじみかんじる。

ポイント

コントで大事なのは、キャラクターとプロット。

この作品ではプロットに注目してみます。

コントのプロットはとてもシンプル。

[設定 → 展開 → オチ]がキホンのながれ。

コントの書き方 ─ プロットの構成について

なかでも「展開」が、作品の良し悪しを決めるんだけど、これにも「型」がある。

パターンは「反転」「逆転」「交錯」の3つ。

コントの書き方 ─ プロットの展開について

ストーリーを整理して、パターンをあてはめてみてると、構図は「交錯」とわかる。

「交錯」は、隠した感情や事実がバレないように、ひとりの人物が、コトバやアクションを取りつくろうようすを描き、ストーリーを展開させる。

アタフタするすがた or 事態が明らかになっていくようすが、笑いを引きおこす。

この作品でも、シスターマンであることを隠す日村が、むすめを名のる女の子に会いに行く。

その道中、設楽に正体をバラし、それが理由で、会社を辞めたことを告げる。

結果、「シスターマン」だったことが、少女を救うことに。

観ているひとをじんわりさせるいっぽう、シスターマンだとわかる瞬間が、イチバンの笑いドコ

図にすると、こんなかんじです。

構図 ─ 交錯
日村 ≠ シスターマン

・シスターマンがネットで話題
・ライターの設楽が正体を探ろうとする
・日村が真相を告げる
・会社を辞めるハメになった理由を伝える

日村 = シスターマン

気づいたのは、自分がシスターマンであることを日村さんが、もうちょっとひた隠しにすると、より笑いが生まれてかもしれないこと。

わりとあっけなく正体をバラしてしまったので、すこし笑いがたりないと感じた。

設楽さんがシスターマンを正体を突き止めると息巻くよこで、当人である日村さんがビクビクするという展開にすると、もうすこし笑いを引き起こせたんじゃないかなぁと。

とはいえ、バナナマンのコントの雰囲気がスキな人には満足できる内容です。

ぜひチェックしてみてください。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。