ラバーガール『T/V』感想&レビューです。

公演日 2014年6月
収録 サヴァン症候群
相関図

過去から来た男
課金
大水は人気者
脱出
ドラマ
テレビ

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、ラバーガール『T/V』。

『相関図』は、脚本家とディレクターのおはなし。

なんでもかんでも、相関図にしてしまう脚本家。

かれの発想が笑いをおこします。

ドラマ『半沢直樹』のパロディには笑いました。

『店』は、連作のショートコント。

大水さんが、さまざまな店員を演じ、おお客さんにボケをかましていきます。

タンタンとしたテンポが、いかにもラバーガールさんらしいですね。

個人的に良かったのは、「サヴァン症候群」「過去から来た男」「課金」 ─ 。

以下、くわしくみていきます。

『サヴァン症候群』

あらすじ

殺人事件を目撃した男。

犯人を手がかりを得ようと、刑事がききこむ。

しかし男は、サヴァン症候群だった。

特定の分野の記憶力だけ、異様に高い。

なにを目撃したのか問いただすが、

・磯野貴理子
・寺門ジモン
・なぎら健一

などなど、テレビでみた芸能人のエピソードばかり口にする。

どうやら、お昼の番組『ごきげんよう』のことばかり覚えているようで……

ひとこと

サヴァン症候群の男に、『ごきげんよう』の内容をおぼえさせる ─ このあたりの設定・展開が、ラバーガール独特のセンスですね。

サヴァン症候群とは、いっぱんに知的障害をさします。

けれど本作品では、特殊能力としてとらえているようです。

じつは、このコントは、ラスト作品『テレビ』とつながっています。

ボケのために、『ごきけんよう』のネタを出しているようみえて、じつはほかのコントのフクセンになっている。

おふたりの〝したたかさ〟が、うかがえます。

ぜひ、ラストの『テレビ』といっしょにご覧ください。

『過去から来た男』


あらすじ

コンビニ。

店員のまえに、はげしい光のなかから、ある男がやってくる。

かれによれば、自分はむかしの店員。

「おまえは暗殺されかけている」
「おまえを救うため、過去からやってきた」

という。

「もし命を救うなら、過去にさかのぼるのがフツー」
「なぜ未来ではなく、過去からなんだ?」

─ ギモンをいだく店員。

そのとき、また別の男が、あらわれる。

「おまえが生きているのは、仮想現実の世界」
「ほんとうの現実をとりもどすため、エージェントと闘おう」

と、誘う。

このあとも、どこかでみたSF映画の設定にまきこまれて……

ひとこと

『ターミネーター』 → 『マトリックス』などなど、フクスウの映画の設定に、連れだされる男 ─ 。

そのごちゃまぜ感が、笑いをさそいます。

暗殺者から身をまもらないといけないし、仮想現実から飛び出さないといけないし、ロボットにも変形しないといけないし……。

しかし、それぞれの映画の主人公とはちがい、店員には、なんの特殊能力をもたない。

脳内で会話しようにも、言葉を受信できるが、まったく発信できないようすに爆死しました。

全体のなかで、いちばん笑った作品。

おすすめです。

『課金』

あらすじ

会議室。

画期的なテレビシステムを開発した男が、ディレクターに商品の説明をおこなう。

内容は、視聴者の課金によって、ストーリー展開が、変わるというもの。

さっそく「2時間サスペンス」を例に、テストしてみる。

開発者のはなしどおり、たしかにこちらが、お金をはらうたびに、物語の内容が変わっていく。

200円払うと、殺人事件がおきたり、500円払うと、警察が拳銃を手にして、バンバン発砲したり。

興味をもったディレクターは、どんどん課金していくが……

ひとこと

遊びこごろにあふれたコント。

ラバーガールさんらしいですね。

もしお金を払わなければ、

・そもそも事件がおきない
・事件がおきたとしても、捜査をしようしない
・さらには、警官は制服させ着ることはない

などなど、課金しなかったときの状況・設定が、なかなかおもしろかったです。

じつはこのコントは、ほかの『ドラマ』のフクセンになっています。

この作品自体はピンとこないかもです。

けれど、セットでみると、めちゃくちゃ笑います。

ぜひ、2つとおしてみてほしいです。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。