ロッチ『ハート』感想&レビューです。

発売年 2012年11月
収録 街頭アンケート
コンビ歌斉唱
同窓会
ワンダフルハートフル
娘さんをください
誰やったっけ?
いちじく
アゲハの森からこんにちは
宇宙飛行士

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、ロッチ『ハート』。

『同窓会』は、久しぶりに再開した、友人ふたりのはなし。

20年以上まえの忠告をいまだに守っている男が、笑いをもたらします。

『いちじく』は、実家から大量に「いちじく」が送られてきた男のはなし。

食べきれず、知り合いを呼んで、いちじくパーティをすることに。

ストーリーはフツーながら、じっさいにロッチさんが知り合いの芸人さんに、じかに電話をかけるのがツボ。

演出による笑いです。

電話に出た「狩野さん」の返答&リアクションは、さすがでしたね(笑)

どれも5分程度のネタなので、さらっとみれます。

なかみも軽いテイストなものばかり。

頭をつかわずに楽しめます。

気軽に笑いたい人におすすめです。

個人的に良かったのは、『街頭アンケート』『ワンダフルハートフル』『宇宙飛行士』の3本。

以下、くわしくみていきます。

『街頭アンケート』

あらすじ

道ばた。

アンケートの調査員が、あたりを見回している。

ひとりの男が通りかかり、声をかける。

「すいません、カツラの件で、アンケートをとっているんですけど、よろしいでしょうか?」

思わぬ質問に動揺する男 ─ 。

バレているとは思わず、頭に手をのせる。

それでもうろたえているところをみせないよう、質問にこたえる。

「奥さんは、カツラの件は知ってらっしゃいますか?」
「お子さんには、知らせていますか?」

などなど、〝ぐさり〟とくる質問に、つきつぎ答えていくが……

ひとこと

発想がおもしろいコント。

短い尺ながら、笑いのポイントがはっきりしていて、くすりと笑えます。

「カツラの男」を演じる中岡さんが、いいかんじで〝みじめさ〟を、かもし出していいますね。

『ワンダフルハートフル』

あらすじ

ショーレースのお笑い番組に出演するコンビ。

減点方式で、10人が「おもしろくない」と判断すれば、その時点でネタは強制終了。

チャンスをつかもうと意気込むふたりは、まじめにネタ合わせをする。

いざ本番。

しかし、コンビのひとりが、台本にはないネタをアドリブで連発 ─ 。

相方が舞台に出てくるまえに、強制終了をくらう。

不完全燃焼の相方は、「なんで余計なギャグをしたん?」と問いつめて……

ひとこと

はなしの展開がおもしろいコント。

いっぽうで、本ネタに入るまえに、アドリブギャグをくりかえす、相方のひとりが、いいかんじでスベる ─ 芸人演じる中岡しんが、いい雰囲気をかもし出しています。

問いつめるシーンが、舞台上ではなく、VTR(静止画)だったり、演出面でも工夫をこらしています。

『宇宙飛行士』

あらすじ

宇宙船の操縦席。

3ヶ月の任務を終え、これから地球に帰る宇宙飛行士ふたり ─ 。

帰還後の生活について、話し合っている。

ひとり(中岡)は、「とくに予定がない」いっぽうで、もうひとり(コカド)は、講演会&CM出演など、予定がつまっている。

同じ宇宙飛行士にもかかわらず、帰還後の待遇の違いに、不満がつのるメンバーのひとり。

さらに、宇宙船が大気圏に突入すると、ケータイの電波がはいる。

片方にはバシバシ連絡がくるいっぽうで、もう片方には「 TSUTAYA からの延滞金催促の連絡」しかこない。

帰還しても、なにもいいことはないと失望した飛行士は……

ひとこと

こちらもストーリーの発想がおもしろいコント。

帰還後の待遇の違いが、笑いの軸になっています。

後半、宇宙船にアクシデントが発生 ─ 。

失望する男は「べつにこのままで良い」と自暴自棄に。

その〝ヤケクソぐあい〟を、中岡さんが、いいかんじで演じています。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。