公演日 | 2015年7月 |
収録 |
忌引き コンパ ラーメン屋 工事現場 面接 拷問 定食屋 葬式 マキガミ |
どうも、コント作家のりきぞうです。
きょうも、コント作品をレビューしていきます。
取りあげるのは、バイきんぐ『クィーン』。
前回から約1年ぶりのライブになります。
バラエティ番組などでも活躍するふたりですが、コントのクオリティもかなり高めです。
シュールでもなく、極端にベタでもない。
バランスのいいコントを披露してます。
テレビでしか観ないひとは、ぜひおふたりのコントを観てください。
イメージがガラッとかわるはずです。
…
個人的に良かったのは、「忌引き」、「工事現場」、「葬式」 ─ 。
以下、くわしくみていきます。
目次
『忌引き』
あらすじ
父親が亡くなり、しばらく実家の青森にかえっていた部下。
仕事の復帰をきめて、部長にあいさつしにやってくる。
しかし顔はまっくろに日焼けし、帰省のおみやげに「マカデミアン・ナッツ」をもってくる。
さらにポケットから「ドル紙幣」を落とす……。
青森ではなく「ハワイ旅行」をうたがう上司は……。
ひとこと
プロットの軸がしっかりしています。おそらくだれもが安心して笑えます。
部下役の西村さんが、またいいかんじで〝おっちょこちょい〟な演技をみせてくれます。
小峠さんの冷静をよそおうツッコミもツボです。
いつブチギレるか──〝じらすあんばい〟も見事です。
『工事現場』
あらすじ
工事現場。
サボる後輩(西村)を、先輩(小峠)がどなりつける。
正面から文句をいえない後輩。
〝作業の「ガダガタ」の音〟に合わせ、相手がきこえないように、悪口をいいまくる。
「ハーゲ! ハーゲ! ハーゲ!」
とはいえ、声はきこえないが、口のうごきから、あきらかにののしっているとわかる。
作業を中断し、「ガタガタ」の音をとまる先輩。
すると、後輩はすかさずだまりこみ……。
ひとこと
発想がおもしろいですね。じっさいに経験したんでしょうか?
それくらいリアリティがあります。
とちゅう、うっかり「ガタガタ」の音からズレて、おもいっきり「ハーゲ!」がきこえる場面には、おもわず笑みがこぼれました。
またこのコントはオチがすばらしいです。
なんともいえない空気のなか、幕がおりていきます(笑)
『葬式』
あらすじ
95歳で亡くなる父親。むすこ(小峠)が葬式の案内をしている。
そこへ号泣しながら男(西村)がやってくる。
泣きさけぶようすから、父親と親しい間がらと思いきや、まったく面識がないと告げる。
じつは「葬式マニア」で、いろんな葬式を渡り歩いてるらしい。
葬式のできばえを絶賛する男。
ほめられてもうれしくないむすこだったが……。
ひとこと
キャラ設定がおもしろい。ほんとにいそうで、こわい(笑)
また、ふたりのセリフのやりとりもすばらしい。
「居酒屋じゃねーんだよ」
「まだやってますか?」
「やってるかやってないかでいったら、やってねーよ。死んでるんだから」
こんなかんじで、テンポのいい会話がつづいていきます。
フレーズの選び方&間の取り方 ─ どちらもすばらしいです。
まとめ
こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。
ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。
ちがう記事ものぞいてみてください。
ではまた。
よきコントライフを〜。