公演日 | 2018年6月〜8月 |
収録 |
帰省 予約の青木です 焼き鳥屋 駄菓子屋 僕は変わるんだ おじいちゃん大好き 山奥の画家 ひさしぶり 陶芸家 才能とは |
どうも、コント作家のりきぞうです。
きょうも、コント作品をレビューしていきます。
取りあげるのは、うしろシティ『とはいえ外はサンダー』。
9回目の単独ライブを収録したものです。
『帰省』は、ひさびさに帰省したむすこと、母親のはなし。
むかし自分が着ていた服を、母親が着ている ─ そのこっぱずかしさを、笑いに乗せて描いています。
『ひさしぶり』は、オタクとリア充、元同級生のはなし。
ゲームつながりで、ひさびさに再会したふたり。
けれど、オタク系の友人と、いっしょにいるところを見られたくないリア充の友人 ─ かれの「見栄」が軸となり、笑いが展開していきます。
とはいえ、全体をとおして、かるく笑える作品ばかりです。
…
個人的に好きだったのは、『焼き鳥屋』、『おじいちゃん大好き』、『山奥の画家』の3本。
以下、[あらすじ → ひとこと]の順で、みていきます。
『焼き鳥屋』
あらすじ
焼き鳥屋に、ひとりの客がやってくる。
けれど注文するのは、やきとりではなく、ラーメン。
コースのさいごに出るラーメンが、評判になり、それを目当てにやってきたらしい。
店主はイヤな顔をせずに、注文に応じる。
そのあいだ「お通し」で、ほうれん草のおひたしを客のまえに出す。
一口たべた客は、あまりのおいしさに衝撃をうける。
料理のおいしさをうけて、ラーメンではなく、本業のやきとりを注文。
すると客は、
・店主の着ているTシャツ
などなど、本業のやきとりは、ちがうトコを、つぎつぎ褒めだして……
ひとこと
ひねりのきいたコントです。
本業のやきとりではなく、〝おまけ〟の部分に、やたら衝撃をうけ、ほめちぎる ─ これが笑いの軸になっています。
・Tシャツ
・奥の座敷
・トイレ
などなど、やきとりとはカンケーのないトコをほめちぎる。
はずれ具合がエスカレートしていくのが、なんともよかったですね。
『おじいちゃん大好き』
あらすじ
葬式会場。
亡くなったおじいちゃんがねむる棺にすがりつき、泣きじゃくる青年 ─ 。
そのとき、どこからともなく、おじいちゃんの声が。
孫にたいして、感謝の言葉をつたえる。
しかし孫本人には届かず、葬儀スタッフにだけ聞こえる。
スタッフは、ラジオの電波を受信するように、泣いている孫を、それとなく移そうとするが……
ひとこと
設定はベタですが、展開がよかったですね。
・声がきこえるのは、お孫さんだけ
なんとかそう孫に思わせるように、葬儀スタッフが、いろいろ苦心します。
とちゅうのおじいさんのむちゃぶりも、いいかんじでした。
『山奥の画家』
あらすじ
山奥のアトリエ。
そこへスーツすかだのバイヤーがやってくる。
店に飾るため、あなたの絵画をどうしても購入したい、とたのむ。
そこまで言うならと、オーケーを出す。
けれど、よくよくはなしをきいてみると、絵画を飾る店というのは、
どこにでもありそうなファミレス 。
100店舗、すべて同じ、コピーした絵画を飾るらしい。
さらに、画家の絵を選んだ理由をきくと、
と言いだして……
ひとこと
こちらもはなしの展開がうまいですよね。
自分の絵を飾る店が、どこにでもありそうなファミレス。
さらに、
・それにより、店に装飾をくわえつつ、回転率があげることができる
─ こんな理由をきかされる。
報酬はもらえるものの、芸術家としてのプライドを傷つけられる ─ このあたりのビミョーな心情を、笑いにのせて描いています。
個人的には、本作のなかでいちばんおもしろかったです。
ちなみに、ラスト2本の『陶芸家』『才能とは』と連作コントになっています。
セットでみると、より楽しめます。
まとめ
こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。
ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。
ちがう記事ものぞいてみてください。
ではまた。
よきコントライフを〜。