スピノザ ─ おすすめの本・著書 まとめ

どうも、りきぞうです。

大学のころから、哲学に親しんできました。

大学院時代は、本格的に人文書・哲学書にあたってきました。

なかでも、スピノザの著作には、長く親しんできました

同じように、読んでみようかなぁと思う人もいるかと。

とはいえ、

・そもそも全部で何作品あるの?
・たくさんありすぎて、どれから読めばいいのか分からない
・とくにおすすめの著作は、どれ?

─ こんな悩み&疑問をいだく人も多いはず。

そこで、この記事では、おすすめのスピノザ作品をあげていきたいと思います。

結論を先にいうと、つぎのとおり。

りきぞう

スピノザの著書は、全部で約10作品
読むべき本は、『エチカ』『神学・政治論 』『国家論』の3冊
難書『エチカ』をつまづいたら、『知性改善論』がおすすめ

以下、概要&感想をのべつつ、読むべきスピノザ作品を、5つあげていきます。

『エチカ』

出版年 1677年
構成 第1部 神について
第2部 精神の本性と起源について
第3部 感情の起源と本性について
第4部 人間の屈従あるいは感情の力について
第5部 知性の力あるいは人間の自由について

スピノザの死後に出版された作品です。

文句なしに、かれの主著です。

テーマは、宗教・倫理について。

とはいえ、ご存知のとおり、めちゃくちゃ難しいです。

哲学の古典のなかでも、トップクラスの難易度です。

というのも、数学の定理を証明するように書かれているから。

ユーグリット幾何学の形式で、宗教・倫理について述べていきます。

大見出しで、「定義」「公理」が示されます。

そのうえで、「定理 → 証明 → 結論」の順で、記述されます。

具体的には、

・形而上学
・心理学
・認識論
・感情論
・倫理学

ながれではなしがすすみます。

概要をのべるとカンタンですが、読みすすめると、かならずつっかえます。

おすすめは、第3部の「感情」をテーマしたトコから読むこと。

みじかなテーマなので、それなりに理解できます。

一気に読みすすめるというよりも、日をおいて、ちょくちょく目をとおすのが、おすすめです。

評価
長さ
(3.0)
難易度
(5.0)
面白さ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『神学・政治論』

出版年 1670年
構成 全20章

スピノザ中期の作品です。

こちらも『エチカ』と同じく、かれの主著とされます。

テーマは、思想と表現の自由について。

聖書をタテに、真理をかざす神学者を批判 ─ 。

そのうえで、思想・言論・表現の自由を擁護します。

信仰と理性による自由は、両立するのか ─ これがメインテーマになります。

『エチカ』よりも、ずっと理解しやすいです。

個人的には、こちらから手をとるのが、おすすめです。

評価
長さ
(3.0)
難易度
(3.0)
面白さ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『国家論』

出版年 1675年
構成 自然権について
国家の権利について
最高権力の所管事項について
国家の目的について
君主国家について
貴族国家について
民主国家について

スピノザ後期の作品です。

『神学・国家論』では、個人の「思想・表現の自由」にスポットをあてました。

いっぽう本書では、国家の運営方法について論じていきます。

・君主制
・貴族制
・民主制

のそれぞれを検討しつつ、人びとにもっとも適した統治システムを考えていきます。

個人的には、ホッブスの自然権にたいして批判しているトコが、おもしろかった。

ホッブスの自然権では、「狼が狼が喰らう世界」が前提になっている。

いっぽうスピノザの考える自然権では、他者と協力したところにはじめて、自己の権利(=自然権)があらわれる、と考える。

このあたりの対比がみれるのも、本書の魅力だったりします。

『知性改善論』

成立年 1662年ごろ
構成 全1章(※ 未完)

スピノザ初期の作品。

『エチカ』のまえに書かれました。

未完ながら、スピノザの倫理観が、ストレートに伝わってくる1冊です。

ひとの幸福は、

・事物の正しい認識
・自然との一体

にあるとする。

そのためには、いかにして、鈍った知性を改善すれば良いのか ─ その手順を解説します。

テーマは、倫理ということになりますが、『エチカ』よりずっと読みやすいです。

セットで読むと、『エチカ』の理解が深まります。

『エチカ』につまづいた人は、こちらに目をとおすと良いと思います、

評価
長さ
(3.0)
難易度
(3.0)
面白さ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『デカルトの哲学原理』

出版年 1663年
構成 全1章

スピノザ初期〜中期の作品。

タイトルどおり、テーマは、デカルト哲学
を考察したもの。

有名なテーゼ「我思う、ゆえに我あり」の本質について、考えていきます。

いっぽうで、スピノザ自身の仮説もくわわり、両者のちがいを知るうえでも、読んでいて楽しい本です。

個人的には、スピノザの意見のほうが、説得力があるような気がしました。

ぜひ自分なりにチェックしてほしいと思います。

評価
長さ
(3.0)
難易度
(3.0)
面白さ
(3.0)
おすすめ度
(3.0)

まとめ

まとめると、

りきぞう

スピノザの著書は、全部で約10作品
読むべき本は、『エチカ』『神学・政治論 』『国家論』の3冊
難書『エチカ』をつまづいたら、『知性改善論』がおすすめ

ぜひ、スピノザ作品を読むうえで、参考にしてみてください。

ではまた〜。