公演日 | 2014年2月〜3月 |
収録 |
トドロキサーカス 地獄の元カレ ドリームクラッシャー 正しい顔 バルーンアーティスト・ペルの受難 オヤジミーツオヤジ やん! 抜旗根生 |
どうも、コント作家のりきぞうです。
きょうも、コント作品をレビューしていきます。
取りあげるのは、かもめんたる『抜旗根性』。
16回目の単独ライブを収録したものです。
個人的によかったのは、『地獄の元カレ』『正しい顔』『オヤジミーツオヤジ』の3本。
以下、[あらすじ → ひとこと]の順で、くわしくみていきます。
目次
『地獄の元カレ』
あらすじ
カノジョがわすれたケータイに電話がかかってくる。
相手は「男」。すかさず電話にでるカレシ。
案の定、あいては元カレで「やり直したい」と言ってくる。
カレシは「いまおれと付き合ってる」とつたえるが、なにを勘違いしたのか、元カレは元カノが〝声色〟をかえて、ほかの男の演じていると思いこむ。
まちがえを指摘しても信じない元カレは、さいきん作った曲を歌いだし、付き合っていた当時のようすの語りだす。
あまりに〝自堕落〟な元カレに、カレシはうんざりするが……。
ひとこと
ストーリーもさることながら、岩崎さん演じる元カレのキャラクターが、イッてます(笑)
自称「映画監督」ですが、200万以上、借りていた〝ヒモ〟で、元カノを AD として、コキつかっていた。
あいまあいまに歌う曲が、なんとも言えないくらいダサくておもしろい。
テキストではつたわりにくいので、ぜひ映像で観てほしいです。
こんな〝だめんず〟と付き合っていたカノジョをうたがいはじめる展開もいいですね。
『正しい顔』
あらすじ
会社のオリエンテーション「ドッチボール」について、後輩(槙尾)に相談する先輩(岩崎)。
スポーツが苦手な先輩は、
「あてられるのは目に見えている」
「ぶつけられたときに、どんな顔をして、外野に出ればいいのかわからない」
と、悩みをうちあける。
〝フツザツな自意識の高い〟先輩。
やられたときの〝正しい表情〟について相談するが……。
ひとこと
〝カッコつけしい〟の男を、岩崎さんがうまく演じています。
やられることは折り込みずみで、それでなお〝自然〟にいられるか。
ここまでプライドの高いヤツはいないと思いますが、笑いの視点がすばらしいです。
「岩崎さんって、外野に行くとき〝いいかんじ〟ですよね」って言われたい。
たしかにフツザツな自意識です(笑)
『オヤジミーツオヤジ』
あらすじ
美人おかみさんがいる飲み屋。
ひとりの男(岩崎)が〝ダジャレ〟を言いまくり、おかみさんのご機嫌をとる。
なにかにつけて〝シャレ〟にひっかける。
すると、もうひとりの客の男も、〝掛詞(かけことば)〟をつかって、ふたりの会話に割りこんでくる。
ケンカごしになる、ふたりの客。
やがて〝おやじギャク〟について、論争をはじめるが……。
ひとこと
ストーリーもキャラクターもつかみどころがないんですが、フシギとおもしろい。
たかが〝おやじギャク〟なのに、むだに高尚な話し合いをするふたり。
おかみに気にいられたいとあってか、当人たちはマジメなんだけど、ハタからみているとバカバカしい。
そのギャップがいいんだろうなぁ。
このコントにかぎらず、この手のはなしは、ふだん目にする光景。
それを描いていると思えば、バカにできず、深みのある作品といえます。
まとめ
そのほか、タイトルにもなっている連作コント『トドロキサーカス』『抜旗根性』も収められています。
こちらは兄弟をめぐるドラマじたてのおはなしで、コントというより喜劇にちかいつくりです。
見ごたえはありますが、コントとしてみると、やや長いなぁと感じるかもしれません。
また『バルーンアーティスト・ペルの受難』では、槙尾さんの〝ダークな一面〟があらわれていました。
一般的には岩崎さんの〝奇人っぷり〟が全面に出ていますが、個人的には、槙尾さんのほうが〝ヤバい〟ような気がします(笑)
なんともいえない〝闇〟をかんじとれるので、ぜひチェックしてみてください。
ではまた。
よきコントライフを〜。