バカリズム『勇者の冒険』感想&レビューです。

公演日 2008年9月
収録 注意事項
勇者の証明
中年とボタン
ポウ
アメリカン官能小説
YOIDEWANAIKA !
青年とスピーカー
根本のおもしろさ
岸壁DEクライマックス

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、バカリズム『勇者の冒険』。

「バカリズム」になってから、4回目の単独ライブになります。

連作コント「中年とボタン」、「男性とスピーカー」は、変化球がきいたコント。

前回のライブでのコント「WARUYONO !」の続編「YOIDEWANAIKA ! 」も収録されています。

今回も「影絵」をつかった見せ方で、工夫をこらした演出になっています。

バカリズムさんならでは世界を堪能できます。

個人的に良かったのは、「アメリカン官能小説」「根本のおもしろさ」「岸壁DEクライマックス」 ─ 。

以下、くわしくみていきます。

『アメリカン官能小説』

あらすじ

ダンディ風の男。

イスにすわり、マイクにむかって官能小説を朗読する。

タカヒロとミサコの情事を語っていくが、エロティクなワードがすべて「アメリカ」にちなんだフレーズにおきかえられていく。

乳房は「ハーレーダビッドソン」、ちくびは「シルベスタ・スタローン」、男◯器は「スピルバーグ」……。

シブい声ではなしはつづけられて……。

ひとこと

『宇宙時代』で披露されたコント「野球官能小説」の別バージョンです。

前回は「野球」にちなんだフレーズでしたが、今回は「アメリカ」にからんだ言葉。

2回目でもおもしろいですね。

「アメリカ」のほうが、よりエロを連想させます。そのぶんより笑いが起きていたようにみえます。

バージョンをかえれば、いくらでも量産できそうでしね。

『根本のおもしろさ』

あらすじ

友だち「根本」の〝おもしろエピソード〟を、爆笑しながら語る男(バカリズム)。

しかし話し相手は、(おそらく)ほとんど笑ってくれない。

男は、「根本のおもしろさ」をつたえようと、もう一度おなじエピソードを話すが、(おそらく)相手は笑わず。

話しかたを「関西弁」にかえるなど、いろんなやり方で話すが結果はかわらず。

さいごは泣きべそをかきながら、話すものの……。

ひとこと

そもそも同じエピソードをくりかえすのがおかしい。

この時点でシュールな作品ですが、それで終わらせないのがバカリズムさん。

「関西弁」のくだりでは、いったん大阪の友人に電話して、「根本のエピソード」を確認するシーンをはさんだあとに、語り出す。

この一連の流れが、ほんとうにうまい。

全体をとおして、イチバンおもしろかった。

『岸壁DEクライマックス』

あらすじ

崖(がけ)。

刑事が容疑者をおいつめて、犯行の動機を聞き出そうとする。

語りはじめる犯人。

しかしキリのいいところで終わるかと思いきや、犯行までのいきさつを、長々とはなす容疑者。

いつまでたっても終わらず、日も落ちしてくる。

さらにあいては、犯行の動機ではなく、いま奥さんとのなれそめを話していたようで……。

ひとこと

バカリズムさんにしてはベタかもしれませんが、個人的にはわかりやすくておもしろかった。

とちゅうはなしを止めようとするが、(おそらく)熱心に語る相手にさえぎられる。

その光景が目に浮かぶようでした。ちょいちょい小ネタをいれるかんじがいいですね。

まとめ

こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。