古代ギリシャの歴史 ─ おすすめの本・著書 まとめ

どうも、りきぞうです。

大学のころから、世界史に親しんできました

大学院時代は、本格的に人文書・歴史書にあたってきました

・古代ギリシャの歴史を学びたいけど、どの本から読めばいいの?
・たくさん出版されていて、どれを選べばいいのか、わからない
・おすすめの本を、教えてほしい

きょうは、この問いに答えていきます。

先に結論をいえば、つぎのとおり。

りきぞう

・古代ギリシャ史を学ぶには、カンタンな本から読む
・『古代ギリシャの歴史』『民主主義の源流』『アレクサンドロスの征服と神話』の3冊が、おすすめ
・さいしょから順々に読むと、うまく流れをつかめる

おすすめは、つぎの3冊です。

  1. ① 伊藤貞夫『古代ギリシャの歴史』
  2. ② 橋場弦『民主主義の源流』
  3. ③ 森谷公俊『アレクサンドロスの征服と神話』

信頼性も高く、どれも読みやすいです。

古代ギリシャの歴史&文化を知りたい人には、おすすめです。

以下、目次に沿って、くわしくみていきます。

おすすめの本① ─ 伊藤貞夫『古代ギリシャの歴史』

著者&内容

東大名誉教授で、古代ギリシア史の専門家です。

専門家といっても、けっしてムズかしい口調で語っていません。

古代ギリシャの流れを、わかりやすい表現で、端的にまとめてくれています。

ポイント

ギリシャ社会の成立から、繁栄と衰退まで、時系列にたどっていきます。

転換点となる戦争&事件の背景を、こまかく描いています。

そのため、教科書のように、たんに人名や戦争名を知るだけに終わりません。

・なぜ、都市国家は成立したのか
・アテネがペルシャに勝った要因は何か

などなど、読み手を考えさせる内容になっています。

たとえば、都市国家(ポリス)が生まれた背景については、こんなふうにのべています。

貴族はみずからの出自を誇り、彼らの結束によって政治や裁判を独占し、国政を恣にすることができた。しかし、それに対して、平民はけっして黙って従っていたのではない。力はおよばぬながらも、彼らは貴族立ちに鋭い批判の矢を放つ〔……〕このような背景には、ギリシャの貴族と農民とが、領主と隷属民という関係にはなかったという事実が横たわっている、と見てよい(p.119)

ざっくりギリシャの歴史を知りつつ、深く背景を理解したい人には、最適な1冊です。

おすすめの本② ─ 橋場弦『民主主義の源流』

著者&内容

著者は、東大大学院教授で、古代ギリシア史の専門家です。

古代ギリシャ、とくに政治制度について、くわしくのべています。

当時の民衆のようす、民主主義の成り立ちから、衰退まで、ていねいに論じています。

ポイント

古代ギリシャを学ぶうえで、ハズせないのが、政体=民主政です。

いまでこそあたりまえになった民主主義ですが、ルーツは古代ギリシャの都市国家(ポリス)にあります。

・民主政のベースには、なにが必要なのか
・民主政をまわすには、どうすればいいのか

などなど、本書を読むと、その答えがわかってきます。

たとえば、民主政の土台には、ひとりひとりひとりが、ポリスにたいして「貢献する態度」が必要です。

コレがないと、いざ戦争がおこったときに、脱走者&逃亡者が、続出します。

なので、いざとなれば、私的な利益をなげうつくらいに、ポリスの「ためになる」行動が、不可欠になります。

古代ギリシャのポリス市民は〔……〕あらゆる方面にバランスよく、しかもそこに能力を発揮することが、民主政を支える市民としてふさわしい生き方と考えていたのである。(p.266)

こんなふうに、いまでは理想としている「民主主義」の前提を知るのも、古代ギリシャを学ぶ意味です。

おすすめ本③ ─ 森谷公俊『興亡の世界史 アレクサンドロスの征服と神話』

著者&内容

著者は、大学教授で、古代ギリシア・マケドニア史の専門家です。

マケドニア王・アレクサンドロスを軸に、ギリシャとのカンケー、中東&インド地域への遠征について、のべていきます。

ポイント

アテネやスパルタなど、ギリシャの都市国家は、最終的には、マケドニアの侵略&統治によって、衰退していきました。

マケドニアの歴史を知ることで、古代ギリシャ全体の流れがわかります。

その意味で本書は、マケドニア王・アレクサンドロスの視点から、ギリシャとのカンケーをみていくので、たいへん参考になります。

また、ヨーロッパにおける、アレクサンドロス大王による統治、「ヘレニズム文化」の影響について、くわしくのべています。

ギリシャ文化が盛りあがったあと、その後のヨーロッパを導き、土台を築いていくのが「ローマ帝国」です。

ギリシャ&マケドニアの文化が、ローマ地域&時代に、どのような影響をおよぼし、引き継がれていったのかも、端的にのべていきます。

時代が、ギリシャからローマへ移るプロセスを知るにも、おすすめの1冊です。

おわりに

まとめると、

りきぞう

・古代ギリシャ史を学ぶには、カンタンな本から読む
・『古代ギリシャの歴史』『民主主義の源流』『アレクサンドロスの征服と神話』の3冊が、おすすめ
・さいしょから順々に読むと、うまく流れをつかめる

といったかんじ。

おすすめは、

  1. ① 伊藤貞夫『古代ギリシャの歴史』
  2. ② 橋場弦『民主主義の源流』
  3. ③ 森谷公俊『アレクサンドロスの征服と神話』

の3冊です。

この記事が、「古代ギリシャのおすすめ本を知りたい人」のヒントになれば、うれしいです。

ではまた〜。