バナナマン『Super heart head market』感想&レビューです。

公演日 2017年8月
収録 voice from the heart
Air head
different container
何でだ!
赤えんぴつ
Incident in the mountain

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、バナナマンの『Super heart head market』。

created by Rinker
コロムビアミュージックエンタテインメント

設定やキャラクターもバラエティに富んだ内容でした。

バナナマン『Super heart head market』の概要

「voice from the heart」は会話劇。

何気なく話すふたり。

その心のうちが、観客に聞こえてくる。

設楽は、気楽に付き合える日村に好感をいだく。

いっぽう日村は、設楽のセリフのひとつひとつに「なにかウラがあるんじゃないか」とビクビクする。

「パン食いてえな?」っていう問いかけから妄想は広がり、設楽は「戦争をひきおこす武器商人」にまでしたてられる。

ストーリーに現実味がありません。

なので、なかなか入り込めないかもです。

演出は、ものすごく凝っていましたね。

「different container」は、日村さん演じる「ヒム子」にスポットをあてたコント。

「びっくり」を意味する「ナマコずっとん」、オハコの「お会計してぇー」を連発。

ストーリーにひねりはなく、ラストはカラオケで熱唱。

歌ネタですね。

「何でだ!」は、楽屋でのワンシーン。

タレントの日村、マネージャー設楽のかけ合い。

マネージャーが、顔をホウタイでぐるぐる巻きで現れたり、収録直前に「きょうでマネージャーを辞める」と告げる。

ボケ役の設楽にたいして、「何でだ!」が口グセのタレント日村がツッコミ役。

「顔のケガ」と「マネージャーを辞めること」に、プロットのつながりをもたせている。

とはいえ、展開には、そこまでのひねりはありません。

キャラクターメインのコントってかんじです。

個人的に、好きだったのは「Air head」「Incident in the mountain」 ─ 。

以下、カンタンにみていきます。

『Air head』

[あらすじ → 感想]の順でみていきます。

あらすじ

会社のオフィス。

先輩の日村がミスしたことで、ふたりは残業中 ─ 。

しかし作業に集中できない日村は、後輩の設楽に話しかける。

「男脳をもつ自分は、1つの作業に没頭する職人には向いているが、サラリーマンにはむいてない」

こんなスジの通らないリクツをもちだす。

「設楽以上に、自分のほうがより「男」だ」と言いはじめる日村。

「殺し合いのシミュレーションしたら、ゼッタイに勝つ自信がある」と言いだす。

で、じっさいにやってみるが……。

コメント

日村さんのヒクツが前面に出ているコントです。

たんたんと作業する設楽さんとのコントラストが、いいかんじです。

オチも、舞台のしくみを利用して、驚かされました。

『incident in the mountain』

恒例の長尺コント。

以下、概要&ポイントをみていきます。

人物

トラコ(日村)
サム(設楽)
肥田(日村)
監督(設楽)

場所

長野県の山奥

あらすじ

撮影の帰り。

長野県の山中で車が故障し、足止めをくらう。

今日が誕生日のトラコは不運をなげく。

こうなったのも、監督が「夕日のみえる丘を撮りたい」と言い出したためとグチる。

しかし聞き役のサムは、トラコの監督への想いをみぬく。

そんなトラコに、サムはバス運転手の肥田からもらった「ある物」をわたす。

肥田いわく「なかみは指輪で、トラコへのプレゼント」。

それを知ったトラコは有頂天になり……。

感想

バナナマンお得意の〝一人二役の演出〟 ─ 。

このスタイルだと、ストーリーに広がりができるので、おもしろいですね。

内容は、典型的な〝すれ違いコント〟です。

日村さんの舞い上がるかんじもいいです。

設楽さん演じる「サム」のカタコトのしゃべり方や、日村さん演じる「肥田さん」のゲスな雰囲気も笑わせてくれます。

また、サムが外国から日本へやってきた理由と、それがトラコの名まえとリンクするかんじもよかった。

ここ数年、長尺コントは不振だなぁって思ってましたが、この作品はストレートな展開で楽しめました。

ポイント

つづけて、笑いのポイントをみていきます。

コントで大事なのは、キャラクターとプロット。

この作品ではプロットに注目してみます。

コントのプロットはとてもシンプル。

[設定 → 展開 → オチ]がキホンのながれ。

コントの書き方 ─ プロットの構成について

なかでも「展開」が、作品の良し悪しを決めるんだけど、これにも「型」がある。

パターンは「反転」「逆転」「交錯」の3つ。

コントの書き方 ─ プロットの展開について

ストーリーを整理して、パターンをあてはめてみてると、構図は「交錯」だとわかる。

「交錯」は、隠した感情や事実がバレないように、ひとりの人物が、コトバやアクションを取りつくろうようすを描き、ストーリーを展開させる。

アタフタするすがた or 事態が明らかになっていくようすが、笑いを引きおこす。

この作品でも、肥田が監督から盗んできた物を、まわりが「指輪」だと思いこむ。

じっさいには「痔の薬」だが、それを自分への誕生日プレゼントだとカン違いするトラコ ─ 。

かのじょは、監督にたいして、〝てれるそぶり〟をみせたり、「どうしてもソレがほしかった」と感謝のキモチをつたえる。

そのようすが、笑いをひきおこす。

図にすると、こんなかんじ。

構図 ─ 交錯
指輪 ≠ 痔の薬

・監督の持ち物が「指輪」だとカン違い
・プロポーズをまつトラコ
・監督が「痔の薬」だと告げる

指輪 = 痔の薬

トラコのドタバタするシーンがイチバンの笑いドコだが、そこまでに至るプロセスのほうが大事。

「交錯」では、どういうステップで、人物がカン違いするのか。その描き方がキモになる。

ここでは、肥田が「指輪」とまちがえる。

さらにトラコのキモチを見ぬくサムが、それを「監督からトラコへのプレゼント」とかんちがいする。

このながれが、うまく構成されている。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ぜひ、ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。

created by Rinker
コロムビアミュージックエンタテインメント