東京03『正論、異論、口論。』(第11回)感想&レビューです。

公演日 2009年5月
収録 お礼させて下さい
そういう人
課長の趣味
入居日
ゴンとのお別れ
それぞれの災難

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、東京03の『異論、正論、口論』。

12回目の単独ライブを収録したものです。

この作品でも日常で感じる違和感を、コントにしています。

『課長の日課』『ゴンとの別れ』では、角田さんのアタフタするキャラが全面に出ています。

『そういう人』は、東京03にしてはめずらしく、豊本さんがボケを担当。

ひとりの女性がレストランでずっこける。

そのあとも〝ドタバタ〟を描きます。

なかでもよかったのは、『お礼させて下さい』『入居日』の2本。

以下、くわしくみていきます。

『お礼させて下さい』


人物

会社員①(角田) … 契約のお礼に仲間を食事に誘う
会社員②(飯塚) … 角田の上司
会社員③(豊本) … 角田の部下

場所

会社のオフィス

あらすじ

仕事おわり。

豊本は、カノジョとデート。飯塚は、地元の友人と食事する予定。

そのとき、同僚・角田がもどってくる。

営業先との商談を気にしていたふたりにたいして、角田は「契約が成立した」と報告。

サポートしてくれた、先輩の飯塚&後輩の豊本に「お礼をしたい」と、あつくつたえる。

予定のあるふたり。

「またべつの日にしてほしい」とことわる。

しかし角田は引き下がらない。

「お礼させてください」 ─ しつこく、くりかえす。

その〝ねちっこさ〟にイラだつ飯塚 ─ 。

お礼をしたいワケを、問いただすと……

ひとこと

感謝するとみせかけて、じぶんのキモチを優先する男 ─ キャラクターコントです。

いやなぁなかんじのヤツを、角田さんが、うまく表現しています。

東京03らしい、〝あるある〟〝いるいる〟ネタですね。

ポイント

笑いのポイントをみていきます。

コントで大事なのは、キャラクターとプロットです。

この作品ではプロットに注目してみます。

コントのプロットはとてもシンプルです。

[設定 → 展開 → オチ]がキホンのながれ。

コントの書き方 ─ プロットの構成について

この作品でも、まず「設定」で、社員3人のカンケー性をみせる。

そのうえで、サポートのお礼に、角田が食事を誘うシーンを導入 ─ 。

つづいて「展開」では、あるできごとをキッカケに、「設定」での状況&立場を変化させる。

「お礼をしたい」と角田がしつこくせまり、「さっさと済ませたい」とホンネをもらす。

このセリフが転機となり、立場がかわっていく。

良かれと思ったはずの行動が、ぎゃくに、じぶんを追いつめていく。

で、さいごに「オチ」。

窮地に立たされる角田は、先輩の飯塚からも、同僚の豊本からも、信頼されなくなっていく。

こんなふうに、「設定 → 展開 → オチ」 のながれを意識すると、ふかくコントをみれるようになります。

『入居日』

人物

サトシ(飯塚)
サトシのカノジョ(角田)
サトシの友人(豊本)

場所

マンションの一室

あらすじ

同棲を決めたカップル。

引っこしの作業中。

友人・豊本も、いっしょに手つだう。

ランチにいこうとしたとき、カノジョが重い口をひらく。

「サトシとは同棲できない」
「じつはいま、豊本くんのことが好き」

うろたえるサトシ。

カノジョは豊本にちかづく。

「自分の気持ちにウソはつきたくない」
「豊本くん、あたしのことどう思っているの?」

カノジョは、恋愛ドラマにありそうなセリフをはく。

しかし、豊本のこたえは、

「べつになんとも思ってないけど」

予想外の返事に、とまどうカノジョ ─ 。

すると、なにごともなかったように、引っこしの作業にもどり……

ひとこと

ベタベタな恋愛ドラマをパロディにした作品です。

コントというよりも喜劇にちかいですね。

ポイント

笑いのポイントをみていきます。

コントで大事なのは、キャラクターとプロットです。

この作品ではプロットに注目してみます。

コントのプロットはとてもシンプルです。

[設定 → 展開 → オチ]がキホンのながれ。

コントの書き方 ─ プロットの構成について

なかでも「展開」が、作品の良し悪しを決めるんだけど、これにも「型」がある。

パターンは「反転」「逆転」「交錯」の3つ。

コントの書き方 ─ プロットの展開について

ストーリーを整理して、パターンをあてはめてみてると、構図は「逆転」だとわかる。

「逆転」では、ひとつのできごとをキッカケに、それまでの立場が反転するようすをえがく

人物の地位 or 権威が、ひっくり返ることで、笑いをおこしていきます。

この作品でも、カノジョがカレシをふって、友人の豊本くんと付き合おうとする。

しかし、告白は失敗。

なにくわぬカオで、引っこしの作業をはじめ、いまの件はなかったことにする。

もちろんカレシは納得するはずもなく、カノジョをこばむ。

ふろうとした相手に、ぎゃくに、フラれる展開 ─ 。

図にするとこんなかんじです。

構図 ─ 逆転
カノジョ > カレシ

・カノジョ、カレシとの同棲をこばむ
・すきなひとへの告白が失敗
・カノジョ、なにごともなかったようにふるまう
・カレシ、カノジョとの同棲をこばむ

カノジョ < カレシ

告白の失敗を軸におき、逆転のプロットを展開させます。

逆転のパターンは、はじめの告白するシーンが深刻なほど、ひっくり返したあとの笑いも、大きくなります。

シリアス/おとぼけの対比が、ハッキリするほど、より笑いを引きおこします。

カレシの友だちとの浮気、密かな恋心。ベタなドラマにありがちな展開を逆手にとったコント。

告白が失敗する場面を見たあと、飯塚さんの、なんとも抜けてるかんじの演技がよかった。

カノジョが何事もなかったように作業にもどったあとの「え、なに、いったいいまにが起こったの?」っていうセリフ。

ツボです。

まとめ

こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。