バナナマン『人間番号』感想&レビューです。

公演日 2000年5月
収録 人間番号
ピープル1
メリン
マモルの夏
ピープル2
新宿パワーセミナー
幸せな日々
セニョールヒラタケ
スライドボーイズ

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、バナナマン『人間番号』。

初期コント集です。

ライブのもようは、VHS or DVDで、かろうじて流通しています。

ありがたいことに、YouTube に作品がアップされています。

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とはいえ、いつ削除されるかわかりません。

いまのうちに、ごらんになってください。

バナナマン『人間番号』の概要

以下、それぞれの作品にふれていきます。

「人間番号」は、メガホンを持った2人が、何かに向けて抗議するおはなし。

強い主張があると思いきや、ひとこと、ふたこと意見を述べると、ネタが尽きてしまう。

お互いに、メガホンを押しつける。

じょじょに抗議とはカンケーない話題を口にしはじめて……。

設定もいいけど、設楽さんのトボけた主張がよかった。

とちゅうから「あるあるネタ」みたいになっちゃう。

「ピープル1&2」は連作コント。

1のほうが笑えた。

高橋からの依頼で、店に並ぶ日村。

友だちの設楽も付き合うが、じつは日村はゲットする物を知らずに並んでいる。

さらに、2人以外に並ぶ客はいない。

あきれる設楽は、その場を離れようとする。

けれど日村は、「誰か来て、割り込まれたらどうするんだ!」と叱りとばす。

そんなかれもハラが減り、ポケットに突っ込まれた「サキイカ」をつまみ食いしたのが災いする。

とつぜん「ギュルギュル」しはじめ、お尻をおさえ……。

大まかなストーリーはこんなかんじだけど、2人の掛け合いがおもしろいコント。

母親が「テング」に似ているとウワサ流されたり、設楽のイタズラに翻弄される日村。2人の関係性を見ているだけで笑えてくる。

ちなみに、2人が買った物は、つぎの「メリン」でわかります。

「マモルの夏」は、プロットはそうでもないけど、演出で笑ってしまった。

トシがすこし離れたイトコのおはなし。

年上の日村お兄ちゃんが大人びた発言をするたびに、時が一瞬止まり、会場全体に設楽のモノローグが流れる。

「青くさい」セリフが笑いを誘う。

個人的に好きだったのは「メリン」

以下、くわしくみていきます。

『メリン』

人物

会社員(設楽)
会社員(日村)

場所

フェスティバルの会場

あらすじ

『南国フルーツフェスティバル』で、珍しい果物「メリン」を売り込む会社員。

大きな声で呼び込もうとするが、客はまったく来ない。これまで、たった3個しか売れていない。

というのも、この「メリン」、味も香りも最悪。味見した瞬間に、客が離れてしまう。

ある部族が「聖なる果実」として食す点に目をつけ「売れる」と思って先輩の設楽だったが、検討ちがい。

ここまでマズいとは思ってみなかった。

そこで作戦を考えるふたり。

設楽の提案で、「メリン」に砂糖をまぶして味をごまかすことに。

さらにニオイも、食べる直前に、人の鼻に「麻薬」のような粉をつけ、わからなくさせる。

しまいには名まえも「メロン」に変えようとして……。

感想

とくに爆笑を起こすプロットではないけど、ながれがキレイなコント。

また「メリン」の食べたときの、ホントにマズそうな表情やしぐさがおもしろい。

ポイント

笑いのポイントをみていきます。

コントで大事なのは、キャラクターとプロット。

コントのプロットはとてもシンプル。

[設定 → 展開 → オチ]がキホンのながれ。

コントの書き方 ─ プロットの構成について

この作品でも、序盤の「設定」で、クソまずい「メリン」を売りさばかなくてはならない状況を置く。

まずいが、お客さんに「おいしい」と思わせないといけないジレンマに、2人の人物を置く。

つぎに「展開」で、設楽の案により、「メリン」に砂糖をかけたり、「薬品」を使って匂いをごまかす。

さらに「メリン」を「メロン」に改名し、あやまって買ってもらおうとする。

最後の「オチ」で、「コレはサギじゃよね?」と不安になりながら、幕がおりる。

おそらく、この2人は詐欺の疑いで捕まるのが予想できる。

このように、[設定 → 展開 → オチ]のながれが、キレイにととのっているコント。

お手本としても、参考にしたい作品です。

まとめ

こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

また「スライドボーイズ」など、歌ネタとキャラクターメインのコントも収録されてます。

内容はけっこう充実してます。

バナナマンのほんわかした雰囲気が好きな人には、オススメの作品集。

よければ、チェックしてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。