バカリズム『サスペンス』感想&レビューです。

公演日 2010年11月
収録 プロローグ「みんなのサスペンス」
急カーブ
勇者あきひこの冒険
読書反省文
ギオオオオオン !!
爆笑 !! お笑いサーキット #86
日曜サスペンスワイド追憶の殺意 ~後篇~
エピローグ「アフターサスペンス」

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、バカリズム『サスペンス』。

『ギオオオオオン !!』は、擬音語を駆使したコント。

日本語の特性をいかしつつ、笑いをおこしています。

個人的に良かったのは、「勇者あきひこの冒険」「爆笑 !! お笑いサーキット #86」「日曜サスペンスワイド追憶の殺意 ~後篇~」 ─ 。

以下、くわしくみていきます。

『勇者あきひこの冒険』

あらすじ

41歳の中年男。

男なら誰しも冒険にあこがれる。

そんなセリフをはき、先日「牛丼屋」でおきた出来事を〝ロールプレイゲーム風〟にしゃべる。

自分を勇者になぞられるが、じつは無職のニート。

牛丼屋へも「テイクアウトした牛丼にハシがついてない」ことを、クレームに行っただけで……。

無職の中年男が、牛丼屋へクレームをつけにいく。

それをロールプレイングゲームになぞられる。

このギャップが笑いどころ。

負い目をかんじることなく、自らを勇者と思いこむ姿がいさぎよい(笑)。

小説『ドン・キホーテ』を思わせますね。

『爆笑 !! お笑いサーキット #86』

あらすじ

テレビ番組『爆笑 ‼︎ お笑いサーキット』。

前説をつとめる AD が、観客に注意事項をつたえる。

しかし前置きをおき「ひとつ言っておきたいことがある」とはなしをとめる。

じつは AD は仕事を辞めるらしく、今回が最後の収録らしい。

すると、とつぜん涙ぐみ、これまでの思い出をとうとうと語りだす。

バックからはお別れの BGM も流れてくる。

まるで、中学校の卒業式のようになってきて……。

先生による〝別れの言葉〟のパロディ。

自分をクラスの担任になぞられて、お別れのあいさつを述べる。

番組収録、全員が初顔合わせなかで、ひとり〝思い入れ〟をもって、思い出ばなしを語る。

キャラクターや場面設定はちがうものの、上記の『勇者あきひこの冒険』とモチーフは同じです。

身分ちがいの人物が、(おおげさに)みずからの想いをつたえる。

この落差が笑いを起こしていきます。

『日曜サスペンスワイド追憶の殺意 ~後篇~』

あらすじ

事件の真相をあきらかにするため、刑事が関係者をあつめる。

キシカワさんが犯人だと指摘。

犯行に利用した、巧妙なトリックを説明していく。

理路整然と述べていたが、とちゅう、

「坂上さんから電話かけます……あ、ちがう……」

と、自分で組みたてた推理がこんがらがってくる。

「ややこしいんだよなぁ」とグチをこぼし、なにも説明していないのに「キシカワさん、やりましたね?」と、むりやり自供に追い込もうとする。

その後も、アリバイの証拠まで失くしてしまい……。

〝できそうなヤツが、じつは無能だった〟

とうとうしゃべりながらも、ポケットにいれたはずの証拠品が出てこないシーンは、さすが。

こういう細かいしぐさが、バカリズムさんっぽいです。

パニックならず、さいごまでクールにきめるかんじがいいですね。

まとめ

こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。