バナナマン『monkey time』感想&レビューです。

公演日 2001年7月
収録 日本順番
サマータイム
張り込み2~試練~
サマータイム2
DANCE&STOP
サマータイム1
恋人岬

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、バナナマンの『monkey time』。

初期の作品でも、バナナマンらしさが、すでに発揮されています。

「日本順番」は、SFちっくな作品。

人口調整政策を行う日本。

人びとは能力に応じてランク付けされ、1億番目から抹殺される。

当落線上にいる日村に、執行役の設楽が遭遇して……

シリアスはなしかと思いきや、俗ぽっい内容。

童貞でいたことで、いのちがたすかります(笑)

「サマータイム1〜3」は連作。

カズダンスやコギャルなど、10年まえに流行ったモノやコトを、いまだに話題にする設楽。

しかし本人に自覚はない。

蕎麦や大仏だって、古い物なのに、まわりはフツーに口にしていると反論。

「古い物」と「廃れた物」のちがいが分からない男の話。

屁理屈のようにきこえますが、すこし考えさせられますね。

「DANCE&STOP」は、ショートコント。

ただ相手のダンスを止める競技に参加する男。

親に反抗してエレキギターにのめり込んだ設楽が、亡きオヤジの意志を受け継ぎ、DANCE&STOPに挑戦。

軽快におどる日村に、設楽が飛びかかる。

短いながらも、かなり笑ってしまった。

プロットとアクションがうまくマッチしているコント。

個人的に好きだったのは、「張り込み2 ~試練~」「恋人岬」

以下、くわしくみていきます。

『張り込み2~試練~』

女を張りこむ、ふたりの刑事 。

後輩・設楽は、先輩・日村のチャックが開いてるのを指摘してから、1時間23分、黙りつづける。

「上司にたいしてコカンしか興味かないのか」

どなる先輩 ─ 。

「ふだんからおまえは、おれをバカにしている」と指摘する。

否定する設楽。

しかし、

・ズボンびしょびしょ事件
・笹塚で降りると言ったときには、もうウンコ漏れちゃってた事件

など、「日村勇紀の事件簿」として手帳にしっかり記している。

やはりバカにしているようで……

感想

ふだん日村さんのキャラが全面に出ているコント。

プライベートでの、ふたりのカンケー性が、すけてみえますね。

プロットやキャラというより、掛けあい&セリフのリズムによる笑いです。

『恋人岬』

こちらは恒例の長尺コント。

以下、概要&ポイントをみていきます。

人物

後藤さおり(日村)
佐藤くん(設楽)
村上くん(設楽)
早乙女(日村)

場所

浜辺

あらすじ

恋人岬。

恋人を引き合わす貝殻が落ちているとされる名所。

そんな浜辺でバーベキューをしている会社の同僚4人。

先日、佐藤は、一本背負いで、部長を投げとばしてしまった。

クビのおそれがある。

そんなヘコむ佐藤を、先輩・さおりがはげます。

ふたりのようすをみて、村上は「さおりは面倒見がいい」とつぶやく。

けれどじつは、さおりは佐藤にホレていた。

そんなさおりのキモチを見ぬく早乙女。

さらに、さおりが整形している事実を知る。

しかし佐藤は、「整形するなんて、キモチまでブスだ」というほど、整形するヤツが大きらい。

「佐藤くんと、さおりの恋は成就しない」 ─ 。

そうわかっていても、同僚の村上&早乙女は、さおりために、願かけの「貝殻」をひろいにいくが……

感想

バナナマンの長尺コントのなかでも、1、2のデキ。

何年間まえ、はじめて観たときに、かなり衝撃をうけた。

コントなのに、ここまで厚みのあるストーリーを出すのはスゴい。

しかもたったふたりで演じてしまっているんだから、構成力がハンパない。

また日村さん演じる「さおり」のキャラも、みればみるほど笑ってしまう。

いまでこそ「ヒム子」キャラで、いろんな場面で目にする。

けれど当時は、まったく露出していなかった。

そのぶん、観にきたお客さんは、かなり楽しんだはず。

キャラ&プロット ─ 両方の面でも、100点満点の作品 ─ 。

すばらしい。

ポイント

笑いのポイントをみていきます。

コントで大事なのは、キャラクターとプロット。

コントのプロットはとてもシンプル。

[設定 → 展開 → オチ]がキホンのながれ。

コントの書き方 ─ プロットの構成について

なかでも「展開」が、作品の良し悪しを決めるんだけど、これにも「型」がある。

パターンは「反転」「逆転」「交錯」の3つ。

コントの書き方 ─ プロットの展開について

ストーリーを整理して、パターンをあてはめてみてると、構図は「交錯」だとわかる。

「交錯」では、ひとりの人物が、真相を隠したり、ワナをしかける。それにより、カンちがいする人物が、すじちがいのセリフを吐いたり、行動に出たりする。

そのようすが笑いを引きおこす。

この作品でも、さおりが、むかし整形した事実&佐藤への好意をかくす。

さおりのヒミツをしらない佐藤は、整形する女を〝ボロカス〟に非難する。

さらに、同じ会社の「武田さん」が好きだと、さおりに告げる。

佐藤のセリフをうけて、ヘコむ「さおり」のリアクションのようすが、笑いひきおこす。

図にすると、こんなかんじ。

構図 ─ 交錯
日村 ≠ 整形 & 佐藤への好意

・佐藤、整形を非難
・佐藤、べつの社員に好意
・さおり、ヘコむ

日村 ≠ 整形 & 佐藤への好意

図のように、さいごまで佐藤には、整形した事実&好意をもたれていることは、バレない。

「交錯」の構図では、結末がどうなるかは問題ではなく、そこに至るまでプロセスがたいせつ。

バレる / バレない ─ そのアタフタぶりが大事で、真相があきらかになるかは、問題ではありません。

このあたりが「交錯」の構図のポイント。

とくに交錯の場合は、アタフタするようすがカギになるので、演技力が求められる。

ヘタクソだと、作品全体に緊迫感が出てこない。

その意味では、日村さんの演技は、ほんとにすばらしい。

演技力こそが、コントでは重要 ─ そう思わせてくれる作品でした。

まとめ

こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。