どうも、コント作家のりきぞうです。
これまで、1000本ちかくコント作品をみてきました。
なかでも、バカリズムさんのコントには楽しませてもらいました。
みたいと思っている人も多いはず。
とはいえ、
・たくさんありすぎて、どれからみたらいいいのか分からない
・とくにおすすめはどれ?
─ こんな悩み&疑問をいだく人もいるかぁと。
そこで、この記事では、バカリズムさんの全作品をあげていきたいと思います。
結論を先にいうと、つぎのとおり。
りきぞう
・トップ3は『類』 → 『?!』 → 『COLOR』の順
・個別ネタなら、『類』に収録の「背徳の類」がおすすめ
といったかんじ。
どのライブも、かなりの完成度です。
ショージキ、どれをみても満足度できると思います。
とはいえ、個別的には、さいきんのライブのほうが、じゃっかんレベルは高いかなぁとは感じます。
なので、視聴するなら、うえにあげた3作品をみたあと、新しい順に、さかのぼってみるのがベターです。
以下、カンタンに概要&感想をあげながら、すべての作品をみていきます。
※ 発表・公演された年数順に並んでいます。
目次
『宇宙時代 特大号』

| 公演日 | 2007年2月 |
| 収録 |
ま行時代 オープニング ヌケなくて…… 冬ジョンソン NHSNJG 野球官能小説 泣き男泣く トツギーノ 九龍の拳 イケなくて…… エンディング ぱ行時代 マキガミ |
| 公演日 | 2007年6月30日、7月1日 |
| 収録 |
止まらなくて…… 総合刑事 爽快昔話 ふるさと 熊谷さん 橘斬九郎 非ハリウッド |
ピンで活動をはじめて以降、2回目の単独ライブになります。
何本か観ると、バカリズムさんのコントは、フツーなら交わるはずのない場面 or 要素を、かけ合わせるトコが特徴、とわかります。
それぞれの要素を違和感なくミックスさせて、笑いをおこす。
だれにでもできそうですが、バカリズムさんのセンスあってこそ、できるワザです。
また、『非ハリウッド』の主人公&友人「マキムラ」は、以降のライブでも、ひんぱんに登場します。
その意味でも、チェックしておきたい作品です。
くわしいレビュー
『科学の進歩』

| 公演日 | 22008年3月2日 |
| 収録 |
プロローグ「科学の進歩」 DF の高飛び FW の餌食 総合医者 あの坂をのぼれば 贈るほどでもない言葉 俺とお前とブラットピット WARUYONO ! にゅーす 誰がために |
「バカリズム」さんになってから、3回目の単独ライブです。
『プロローグ「科学の進歩」』は、バカリズムさんなりのSF系コントです。
これをみただけでも、バカリズムのセンスのよさがわかります。
個人的によかったのは、『WARUYONO !』。
影絵のパロディです。
かれの手にかかると、これほどおもしろくアレンジされます。
反復による展開で、笑いが止まりませんでした。
くわしいレビュー
『勇者の冒険』

| 公演日 | 2008年9月 |
| 収録 |
注意事項 勇者の証明 中年とボタン ポウ アメリカン官能小説 YOIDEWANAIKA ! 青年とスピーカー 根本のおもしろさ 岸壁DEクライマックス |
「バカリズム」になってから、4回目の単独ライブになります。
「YOIDEWANAIKA ! 」は、前回の「WARUYONO !」の続編。
今回も「影絵」をつかった見せ方で、工夫をこらした演出になっています。
バカリズムさんならでは世界を堪能できます。
全体として、これまでのライブのキャラ&モチーフが再登場するかんじ。
このあたりから、シリーズ化するコントも増えてきます。
くわしいレビュー
『キックオフ』

| 公演日 | 2009年1月 |
| 収録 |
プロローグ「初 FIFA 者」 弱の中年 1年D組 地理バカ先生 このあいだばなし コーナーっぽく言ってみようのコーナー なんとかかんとか 万引きGメンターテイメント ホイッスるべきもの |
「バカリズム」になってから、5回目の単独ライブです。
おすすめは、『ホイッスるべきもの』。
バカリズムさんのコントでは、キレていた人が、じょじょに〝ベソをかく〟シーンが多くありますが、そのなかでも、かなりの面白さです。
「きょうは誕生日なのに、なんでこんな仕打ちを受けなくちゃいけないんだ(泣)」
じょじょに〝グズリ〟がエスカレートしていく。
笑えます。
くわしいレビュー
『クイズ』

| 公演日 | 2009年9月18日〜9月20日 |
| 収録 |
プロローグ「クイズ地獄」 暮れなずむ町 図るなら 日本要するに昔話(1) 久保家の縁談 3.14 日本要するに昔話 正義感 正直村と嘘つき(2) |
「バカリズム」になってから、6回目の単独ライブを収録したものです。
『正直村と嘘つき』は、こちらのアタマをつかわせる作品。
「論理学」っぽく、好みが分かれるかもです、
今回もバカリズム・ワールドを堪能できました。
それにしても、クオリティを保ったまま、年に1度のペースでライブを開催しているんだから、すごいです。
ちなみに、本作から、パッケージ&舞台設定のおしゃれが、ぐっとましてるかんじです。
よりワクワクしながら、みれるようになっています。
くわしいレビュー
『ピンチ!』

| 公演日 | 2010年5月 |
| 収録 |
プロローグ「小ピンチ」 絶体絶命戦士ピンチマン Brandnew 引力 ノーツー 大ピンチ 家族 走れネロス 告ぐ エピローグ「大チャンス」 |
7回目の単独ライブを収録したものです。
『小ピンチ』、『大ピンチ』、『大チャンス』は、連作コント。
ほかの作品をあいだにはさみつつ、ひとつ出来事を複数の視点から描いています。
シナリオ上、ロジカルな構成になってます。
とびとびではなく、とおしでみるといいかもです。
個人的によかったのは、『告ぐ』。
〝ささいなことが気になり、本来の目的をわすれる〟 ─ 事態をあらわしています。
かなり知的なコント。
おカタい言葉でいえば〝手段の目的化〟です。
犯人を警告するはずのスピーカーがアダとなり、犯人の確保から遠ざかる。
こんな視点でみると、バカにできない作品だとわかります。
全体として、けっこう〝アタマをつかわせる〟コントが、そろっています。
くわしいレビュー
『サスペンス』

| 公演日 | 2010年11月 |
| 収録 |
プロローグ「みんなのサスペンス」 急カーブ 勇者あきひこの冒険 読書反省文 ギオオオオオン !! 爆笑 !! お笑いサーキット #86 日曜サスペンスワイド追憶の殺意 ~後篇~ エピローグ「アフターサスペンス」 |
8回目の単独ライブを収録したものです。
『ギオオオオオン !!』は、擬音語を駆使したコント。
日本語の特性をいかしつつ、笑いをおこしています。
個人的によかったのは、『日曜サスペンスワイド追憶の殺意 ~後篇~』。
バカリズムさんにしてはベタな展開ながら、ついつい笑ってしまった。
〝できそうなヤツが、じつは無能だった〟
とうとうしゃべりながらも、ポケットにいれたはずの証拠品が出てこないシーンは、さすが。
こういう細かいしぐさが、バカリズムさんっぽいです。
パニックならず、さいごまでクールにきめるかんじがいいですね。
全体として、ネタの精度も高めです。
くわしいレビュー
『SPORTS』

| 公演日 | 2011年11月 |
| 収録 |
選手宣誓 ルール 心得る人々 がNBAる Change 汚はよう 見よ 勇者は帰りぬ 未来へシュート! |
今回のテーマは、「スポーツ」。
『がNBAる』は、おトクいのフリップ芸。
『汚はよう』は、歌ネタです。
どちらも毒がきいていて、よかった。
個人的に良かったのは、『心得る人々』。
『水戸黄門』のパロディです。
バカリズムさんなりの視点で、おもしろおかしくアレンジしています。
「きょうの朝ごはんは何でしょうか」など、後半になるつれて、より身近で、子どもじみた質問になっていくのがツボです。
全体として、わりとベタな展開が多い印象です。
バカリズムファンの人にとっては、やや物足りないかもです。
くわしいレビュー
『運命』

| 公演日 | 2012年7月 |
| 収録 |
プロローグ「運命の話」 絶対に負けられない戦い それいけ!ベートーくん マジカル☆中年 鬼 はやすぎた男 TABETA! 運命のスケジュール |
今回のテーマは「運命」。
抽象的なテーマながら、ネタのモチーフに変化はありません。
『それいけ! ベートくん』は、歌ネタ。
『マジカル☆中年』では、哀しいおじさんをえがきながら、笑いをさそっていきます。
前回でトーンダウンした感じがありました。
けれど、この公演では一転、一気にレベルが増しています。
よかったのは、『TABETA!』
ストーリーはオリジナルの童話そのまんま。
では、なにがおもしろいのか。
それは、バカリズムさんによる「みせ方」。
得意の「フリップ芸」で、ふたり(二匹)のエピソードを紹介していきますが、その演出がおもしろい。
「ヤギ」とはいえ、フリップの絵が、なんとも〝人間らしく〟、ついつい手紙を食べてしまう性格がイヤになる。
自己嫌悪におちいり、友情のために本能に打ち勝てない自分を責める。
ヤギとはいえ、人間の心理を描いているため、どこか心につきささる。
全体をとおして、イチバン印象にのこりました。
オチもすばらしいです。
くわしいレビュー
『COLOR』

| 公演日 | 2013年8月 |
| 収録 |
プロローグ 赤い告白 青い偏見 白い愚痴 緑川キャスター 黄昏の衝撃 黒い理由 |
今回のテーマは、カラー。
さまざまな色にひっかけて、ネタを構成していきます。
『黒い理由』では、悪の教団に入り、ヒーローを倒すことに人生を捧げた男のはなし。
善と悪にかんする哲学的なテーマを、コミカルに描いています。
オチはややブラックでしたね。
個人的によかったのは、『黄昏の衝撃』。
女子高のカッコウしたバカリズムさんのインパクトから、後半にかけて、クールに説得していく流れが、おもしろい。
〝ロジカル〟と〝ヘンタイ〟の対比が、笑いを誘います。
〝知的さ〟と〝バカバカしさ〟が同居したコント。
クールなバカリズムさんだからこそ活きる作品です。
全体をとおして、充実度が増しています。
さらに、パッケージ&舞台演出のおしゃれさも、よりいっそう洗練されます。
かなりみごたえのある作品になっています。
くわしいレビュー
『なにかとなにか』

| 公演日 | 2014年7月 |
| 収録 |
プロローグ 知恵と戦略 屏風と虎 理性と本能 母なる星と母なる音 目撃と証言 女子と女子 銅と銀 |
今回のテーマは、「なにかとなにか」。
テーマ内容が、より抽象的になっていきます。
本作では、さまざまなものごとを対比させながら、ネタを構成していきます。
よかったのは、『銅と銀』。
金メダルを期待された卓球選手。
ふたを開けてみれば銅メダルで、後輩の選手には銀メダルをとられてしまう。
そのふたりのやりとりです。
バカリズムさんらしく、繊細で、ビミョーなキモチをあらわしたコント。
後半にかけては、後輩の選手にも納得させる展開に。
しかし後輩は、とっておきのエピソードをもっています。
意外なはなしに、とまどう先輩。
すこしシリアスですが、これはこれでなかなか。
こんなふうにちょっと〝涙をくわえる〟演出がみられるのは、バカリズムさんライブでは、ちょっとめずらしいです。
全体として、ベタでわかりやすいネタが多い印象です。
くわしいレビュー
『?!』

| 公演日 | 2015年6月 |
| 収録 |
プロローグ ?! 熱血! 裏切り女裏切る! URAMESHIYA? 俺の斧! ひょんなことから ?! 愛しの小森整骨院(?) |
テーマは、「?!」
「疑問」と「主張」がテーマです。
個人的によかったのは、『愛しの小森整骨院(?)』。
オチまでみると、タイトルの意味がわかります(笑)
全体をとおして、イチバン笑った。
場面転換のとき、人物のセリフが「名言」として、スクリーンに映し出させる。
その演出もいいかんじです。
せつなさ全開のコントです。
くわしいレビュー
『類(たぐい)』

| 公演日 | 2016年6月 |
| 収録 |
プロローグ 友達の類 手品の類 上司の類 正義の類 背徳の類 反逆の類 40LOVE ~幸福の類~ |
テーマは、『類(たぐい)』。’
抽象度は高めながら、ネタのモチーフは、そのままです。
個人的に良かったのは、「友達の類」、「背徳の類」 ─ 。
とくに「背徳の類」がぶっちぎりですばらしい。
これだけでも観てほしいです。
こんなに〝巧い(うまい)〟コントは、めったに見れない。
落語のような展開で、オチを聴いたときの爽快感はたまらない。
中盤「後輩にアプローチかけるエピソード」も、観てる人をぐいぐい引きつけ、目が離せない。
たんなるオチのためのフクセンではなく、ここだけ取りだしても、ひとつの作品として成立する。
バカリズムさんの真髄をみた気がする……。
全体として、ネタの精度が高く、かなりの完成度です。
さいしょに手にとるなら、これです。
くわしいレビュー
『ぎ』

| 公演日 | 2017年5月 |
| 収録 |
プロローグ 過ぎてゆく時間の中で 難儀と律儀 ふしぎ の? 六本木の女王 志望遊戯 疑、義、儀 エピローグ |
今回のテーマは、「ぎ」。
もはやテーマに意味がなくなっています。
「ぎ」にひっかけたネタで構成されます。
個人的によかったのは、『六本木の女王』。
究極の「M体験」のはなし。
発想がすばらしく、じわじわ笑ってしまう作品。
爆発力はないものの、あと思い出すと、みょうに印象に残る内容です。
くわしいレビュー
『ドラマチック』

| 公演日 | 2018年5月 |
| 収録 |
プロローグ 言い残す男 NANDEYANEN! 銀行弱盗 ミュージックあげるよ Remember Glory ドラマチックなバカリズム |
2018年の単独ライブを収録したものです。
『Remember Glory』は、さえないフリーター中年の男のはなし。
第2回の単独ライブ『生命の神秘』から登場する。中年男と友人「マキムラ」のやりとりです。
個人的によかったのは、『銀行弱盗』。
ブーメランの殺傷能力を、とうとうと説明したあとに、強盗を開始。
ご丁寧な犯罪者が、笑いをさそいます。
全ネタのなかでも、トップクラスでおもしろいです。
演目構成のバランスもよく、かなりみやすい内容になっています。
くわしいレビュー
『image』

| 公演日 | 2019年5月 |
| 収録 |
プロローグ もう! 悪魔の契約 Cappuccino 撃て! 松沼省三の生涯 |
『プロローグ』は、ライブタイトル「image」をテーマにしたコント。
全体の趣旨をあらわすと同時に、イメージにまつわる、バカリズムなりの考えが、笑いをまじえて展開されます。
個人的によかったのは、『もう!』。
職人かだきの、ラーメン店主のおはなし。
わりとベタな展開ながら、ついついわらってしまいました。
バカリズムさん演じる、店主の〝職人かたぎ風の口調&態度〟が、なんともいえない魅力をはなっています。
かたくなに「塩ラーメン一本でやってるから」とくりかえすセリフには笑いがとまりませんでした。
バカリズムさんは、シュールが売りなんていわれます。
けれどこの作品をみるかぎり、ベタもシュールもカンケーなく、笑いにとりくんでいることがわかります。
やはり、ムズしいことは考えず、笑うのが視聴のコツですね。
全体として、みやすいネタが多いです。
くわしいレビュー
まとめ
まとめると、
りきぞう
・トップ3は『類』 → 『?!』 → 『COLOR』の順
・個別ネタなら、『類』に収録の「背徳の類」がおすすめ
バカリズムさんのコントをみるうえで、参考にしてみてください。
ではまた。
よきコントライフを〜。



















