バカリズム ─ おすすめのライブコント&ネタ まとめ

どうも、コント作家のりきぞうです。

これまで、1000本ちかくコント作品をみてきました。

なかでも、バカリズムさんのコントには楽しませてもらいました。

みたいと思っている人も多いはず。

とはいえ、

・そもそも全部で何作品あるの?
・たくさんありすぎて、どれからみたらいいいのか分からない
・とくにおすすめはどれ?

─ こんな悩み&疑問をいだく人もいるかぁと。

そこで、この記事では、バカリズムさんの全作品をあげていきたいと思います。

結論を先にいうと、つぎのとおり。

りきぞう

バカリズムのライブコント作品は、全部で17つ
トップ3は『類』 → 『?!』 → 『COLOR』の順
個別ネタなら、『類』に収録の「背徳の類」がおすすめ

といったかんじ。

どのライブも、かなりの完成度です。

ショージキ、どれをみても満足度できると思います。

とはいえ、個別的には、さいきんのライブのほうが、じゃっかんレベルは高いかなぁとは感じます。

なので、視聴するなら、うえにあげた3作品をみたあと、新しい順に、さかのぼってみるのがベターです。

以下、カンタンに概要&感想をあげながら、すべての作品をみていきます。

※ 発表・公演された年数順に並んでいます。

『宇宙時代 特大号』

バカリズムさんが、ひとりになってから、さいしょの単独ライブです。

『トツギーノ』は、テレビのネタ番組で、話題になりましね。

『ま行の時代』、『ぱ行の時代』は、さいしょの人類をえがいた作品。

そうだいなテーマですが、うまく笑いに展開しています。

この2本をみれば、バカリズムさんが、いかにコトバに敏感になっているか、わかります。

すでにバカリズムさんの世界観はできあがっており、全体として、ネタの精度も高いです。

評価
ながさ
(3.0)
おしゃれさ
(3.0)
おもしろさ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『生命の神秘』

公演日 2007年2月
収録 ま行時代
オープニング
ヌケなくて……
冬ジョンソン
NHSNJG
野球官能小説
泣き男泣く
トツギーノ
九龍の拳
イケなくて……
エンディング ぱ行時代 マキガミ
公演日 2007年6月30日、7月1日
収録 止まらなくて……
総合刑事
爽快昔話
ふるさと
熊谷さん
橘斬九郎
非ハリウッド

ピンで活動をはじめて以降、2回目の単独ライブになります。

何本か観ると、バカリズムさんのコントは、フツーなら交わるはずのない場面 or 要素を、かけ合わせるトコが特徴、とわかります。

それぞれの要素を違和感なくミックスさせて、笑いをおこす。

だれにでもできそうですが、バカリズムさんのセンスあってこそ、できるワザです。

また、『非ハリウッド』の主人公&友人「マキムラ」は、以降のライブでも、ひんぱんに登場します。

その意味でも、チェックしておきたい作品です。

評価
ながさ
(3.0)
おしゃれさ
(3.0)
おもしろさ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『科学の進歩』

公演日 22008年3月2日
収録 プロローグ「科学の進歩」
DF の高飛び FW の餌食
総合医者
あの坂をのぼれば
贈るほどでもない言葉
俺とお前とブラットピット
WARUYONO !
にゅーす 誰がために

「バカリズム」さんになってから、3回目の単独ライブです。

『プロローグ「科学の進歩」』は、バカリズムさんなりのSF系コントです。

これをみただけでも、バカリズムのセンスのよさがわかります。

個人的によかったのは、『WARUYONO !』。

影絵のパロディです。

かれの手にかかると、これほどおもしろくアレンジされます。

反復による展開で、笑いが止まりませんでした。

評価
ながさ
(3.0)
おしゃれさ
(3.0)
おもしろさ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『勇者の冒険』

公演日 2008年9月
収録 注意事項
勇者の証明
中年とボタン
ポウ
アメリカン官能小説
YOIDEWANAIKA !
青年とスピーカー
根本のおもしろさ
岸壁DEクライマックス

「バカリズム」になってから、4回目の単独ライブになります。

「YOIDEWANAIKA ! 」は、前回の「WARUYONO !」の続編。

今回も「影絵」をつかった見せ方で、工夫をこらした演出になっています。

バカリズムさんならでは世界を堪能できます。

全体として、これまでのライブのキャラ&モチーフが再登場するかんじ。

このあたりから、シリーズ化するコントも増えてきます。

評価
ながさ
(3.0)
おしゃれさ
(3.0)
おもしろさ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『キックオフ』

公演日 2009年1月
収録 プロローグ「初 FIFA 者」
弱の中年
1年D組 地理バカ先生
このあいだばなし
コーナーっぽく言ってみようのコーナー
なんとかかんとか
万引きGメンターテイメント
ホイッスるべきもの

「バカリズム」になってから、5回目の単独ライブです。

おすすめは、『ホイッスるべきもの』。

バカリズムさんのコントでは、キレていた人が、じょじょに〝ベソをかく〟シーンが多くありますが、そのなかでも、かなりの面白さです。

「こんなことされて、自分の奥さんになんて言えばいい?」
「きょうは誕生日なのに、なんでこんな仕打ちを受けなくちゃいけないんだ(泣)」

じょじょに〝グズリ〟がエスカレートしていく。

笑えます。

評価
ながさ
(3.0)
おしゃれさ
(3.0)
おもしろさ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『クイズ』

公演日 2009年9月18日〜9月20日
収録 プロローグ「クイズ地獄」
暮れなずむ町
図るなら
日本要するに昔話(1)
久保家の縁談
3.14
日本要するに昔話
正義感
正直村と嘘つき(2)

「バカリズム」になってから、6回目の単独ライブを収録したものです。

『正直村と嘘つき』は、こちらのアタマをつかわせる作品。

「論理学」っぽく、好みが分かれるかもです、

今回もバカリズム・ワールドを堪能できました。

それにしても、クオリティを保ったまま、年に1度のペースでライブを開催しているんだから、すごいです。

ちなみに、本作から、パッケージ&舞台設定のおしゃれが、ぐっとましてるかんじです。

よりワクワクしながら、みれるようになっています。

評価
ながさ
(4.0)
おしゃれさ
(4.0)
おもしろさ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『ピンチ!』

公演日 2010年5月
収録 プロローグ「小ピンチ」
絶体絶命戦士ピンチマン
Brandnew 引力
ノーツー
大ピンチ
家族
走れネロス
告ぐ
エピローグ「大チャンス」

7回目の単独ライブを収録したものです。

『小ピンチ』、『大ピンチ』、『大チャンス』は、連作コント。

ほかの作品をあいだにはさみつつ、ひとつ出来事を複数の視点から描いています。

シナリオ上、ロジカルな構成になってます。

とびとびではなく、とおしでみるといいかもです。

個人的によかったのは、『告ぐ』。

〝ささいなことが気になり、本来の目的をわすれる〟 ─ 事態をあらわしています。

かなり知的なコント。

おカタい言葉でいえば〝手段の目的化〟です。

犯人を警告するはずのスピーカーがアダとなり、犯人の確保から遠ざかる。

こんな視点でみると、バカにできない作品だとわかります。

全体として、けっこう〝アタマをつかわせる〟コントが、そろっています。

評価
ながさ
(4.0)
おしゃれさ
(4.0)
おもしろさ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『サスペンス』

公演日 2010年11月
収録 プロローグ「みんなのサスペンス」
急カーブ
勇者あきひこの冒険
読書反省文
ギオオオオオン !!
爆笑 !! お笑いサーキット #86
日曜サスペンスワイド追憶の殺意 ~後篇~
エピローグ「アフターサスペンス」

8回目の単独ライブを収録したものです。

『ギオオオオオン !!』は、擬音語を駆使したコント。

日本語の特性をいかしつつ、笑いをおこしています。

個人的によかったのは、『日曜サスペンスワイド追憶の殺意 ~後篇~』。

バカリズムさんにしてはベタな展開ながら、ついつい笑ってしまった。

〝できそうなヤツが、じつは無能だった〟

とうとうしゃべりながらも、ポケットにいれたはずの証拠品が出てこないシーンは、さすが。

こういう細かいしぐさが、バカリズムさんっぽいです。

パニックならず、さいごまでクールにきめるかんじがいいですね。

全体として、ネタの精度も高めです。

評価
ながさ
(4.0)
おしゃれさ
(4.0)
おもしろさ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『SPORTS』

公演日 2011年11月
収録 選手宣誓
ルール
心得る人々
がNBAる
Change
汚はよう
見よ 勇者は帰りぬ
未来へシュート!

今回のテーマは、「スポーツ」。

『がNBAる』は、おトクいのフリップ芸。

『汚はよう』は、歌ネタです。

どちらも毒がきいていて、よかった。

個人的に良かったのは、『心得る人々』。

『水戸黄門』のパロディです。

バカリズムさんなりの視点で、おもしろおかしくアレンジしています。

「きょうの朝ごはんは何でしょうか」など、後半になるつれて、より身近で、子どもじみた質問になっていくのがツボです。

全体として、わりとベタな展開が多い印象です。

バカリズムファンの人にとっては、やや物足りないかもです。

評価
ながさ
(4.0)
おしゃれさ
(4.0)
おもしろさ
(3.0)
おすすめ度
(4.0)

『運命』

公演日 2012年7月
収録 プロローグ「運命の話」
絶対に負けられない戦い
それいけ!ベートーくん
マジカル☆中年

はやすぎた男
TABETA!
運命のスケジュール

今回のテーマは「運命」。

抽象的なテーマながら、ネタのモチーフに変化はありません。

『それいけ! ベートくん』は、歌ネタ。

『マジカル☆中年』では、哀しいおじさんをえがきながら、笑いをさそっていきます。

前回でトーンダウンした感じがありました。

けれど、この公演では一転、一気にレベルが増しています。

よかったのは、『TABETA!』

ストーリーはオリジナルの童話そのまんま。

では、なにがおもしろいのか。

それは、バカリズムさんによる「みせ方」。

得意の「フリップ芸」で、ふたり(二匹)のエピソードを紹介していきますが、その演出がおもしろい。

「ヤギ」とはいえ、フリップの絵が、なんとも〝人間らしく〟、ついつい手紙を食べてしまう性格がイヤになる。

自己嫌悪におちいり、友情のために本能に打ち勝てない自分を責める。

ヤギとはいえ、人間の心理を描いているため、どこか心につきささる。

全体をとおして、イチバン印象にのこりました。

オチもすばらしいです。

評価
ながさ
(3.0)
おしゃれさ
(3.0)
おもしろさ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『COLOR』

公演日 2013年8月
収録 プロローグ
赤い告白
青い偏見
白い愚痴
緑川キャスター
黄昏の衝撃
黒い理由

今回のテーマは、カラー。

さまざまな色にひっかけて、ネタを構成していきます。

『黒い理由』では、悪の教団に入り、ヒーローを倒すことに人生を捧げた男のはなし。

善と悪にかんする哲学的なテーマを、コミカルに描いています。

オチはややブラックでしたね。

個人的によかったのは、『黄昏の衝撃』。

女子高のカッコウしたバカリズムさんのインパクトから、後半にかけて、クールに説得していく流れが、おもしろい。

〝ロジカル〟と〝ヘンタイ〟の対比が、笑いを誘います。

〝知的さ〟と〝バカバカしさ〟が同居したコント。

クールなバカリズムさんだからこそ活きる作品です。

全体をとおして、充実度が増しています。

さらに、パッケージ&舞台演出のおしゃれさも、よりいっそう洗練されます。

かなりみごたえのある作品になっています。

評価
ながさ
(4.0)
おしゃれさ
(4.0)
おもしろさ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『なにかとなにか』

公演日 2014年7月
収録 プロローグ
知恵と戦略
屏風と虎
理性と本能
母なる星と母なる音
目撃と証言
女子と女子
銅と銀

今回のテーマは、「なにかとなにか」。

テーマ内容が、より抽象的になっていきます。

本作では、さまざまなものごとを対比させながら、ネタを構成していきます。

よかったのは、『銅と銀』。

金メダルを期待された卓球選手。

ふたを開けてみれば銅メダルで、後輩の選手には銀メダルをとられてしまう。

そのふたりのやりとりです。

バカリズムさんらしく、繊細で、ビミョーなキモチをあらわしたコント。

後半にかけては、後輩の選手にも納得させる展開に。

しかし後輩は、とっておきのエピソードをもっています。

意外なはなしに、とまどう先輩。

すこしシリアスですが、これはこれでなかなか。

こんなふうにちょっと〝涙をくわえる〟演出がみられるのは、バカリズムさんライブでは、ちょっとめずらしいです。

全体として、ベタでわかりやすいネタが多い印象です。

評価
ながさ
(4.0)
おしゃれさ
(4.0)
おもしろさ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『?!』

公演日 2015年6月
収録 プロローグ ?!
熱血!
裏切り女裏切る!
URAMESHIYA?
俺の斧!
ひょんなことから ?!
愛しの小森整骨院(?)

テーマは、「?!」

「疑問」と「主張」がテーマです。

個人的によかったのは、『愛しの小森整骨院(?)』。

オチまでみると、タイトルの意味がわかります(笑)

全体をとおして、イチバン笑った。

場面転換のとき、人物のセリフが「名言」として、スクリーンに映し出させる。

その演出もいいかんじです。

せつなさ全開のコントです。

評価
ながさ
(4.0)
おしゃれさ
(4.0)
おもしろさ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『類(たぐい)』

公演日 2016年6月
収録 プロローグ
友達の類
手品の類
上司の類
正義の類
背徳の類
反逆の類
40LOVE ~幸福の類~

テーマは、『類(たぐい)』。’

抽象度は高めながら、ネタのモチーフは、そのままです。

個人的に良かったのは、「友達の類」「背徳の類」 ─ 。

とくに「背徳の類」がぶっちぎりですばらしい。

これだけでも観てほしいです。

こんなに〝巧い(うまい)〟コントは、めったに見れない。

落語のような展開で、オチを聴いたときの爽快感はたまらない。

中盤「後輩にアプローチかけるエピソード」も、観てる人をぐいぐい引きつけ、目が離せない。

たんなるオチのためのフクセンではなく、ここだけ取りだしても、ひとつの作品として成立する。

バカリズムさんの真髄をみた気がする……。

全体として、ネタの精度が高く、かなりの完成度です。

さいしょに手にとるなら、これです。

評価
ながさ
(4.0)
おしゃれさ
(4.0)
おもしろさ
(5.0)
おすすめ度
(5.0)

『ぎ』

公演日 2017年5月
収録 プロローグ
過ぎてゆく時間の中で
難儀と律儀
ふしぎ
の?
六本木の女王
志望遊戯
疑、義、儀
エピローグ

今回のテーマは、「ぎ」。

もはやテーマに意味がなくなっています。

「ぎ」にひっかけたネタで構成されます。

個人的によかったのは、『六本木の女王』。

究極の「M体験」のはなし。

発想がすばらしく、じわじわ笑ってしまう作品。

爆発力はないものの、あと思い出すと、みょうに印象に残る内容です。

評価
ながさ
(3.0)
おしゃれさ
(3.0)
おもしろさ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『ドラマチック』

公演日 2018年5月
収録 プロローグ
言い残す男
NANDEYANEN!
銀行弱盗
ミュージックあげるよ
Remember Glory
ドラマチックなバカリズム

2018年の単独ライブを収録したものです。

『Remember Glory』は、さえないフリーター中年の男のはなし。

第2回の単独ライブ『生命の神秘』から登場する。中年男と友人「マキムラ」のやりとりです。

個人的によかったのは、『銀行弱盗』。

ブーメランの殺傷能力を、とうとうと説明したあとに、強盗を開始。

ご丁寧な犯罪者が、笑いをさそいます。

全ネタのなかでも、トップクラスでおもしろいです。

演目構成のバランスもよく、かなりみやすい内容になっています。

評価
ながさ
(3.0)
おしゃれさ
(3.0)
おもしろさ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

『image』

公演日 2019年5月
収録 プロローグ
もう!
悪魔の契約
Cappuccino
撃て!
松沼省三の生涯

『プロローグ』は、ライブタイトル「image」をテーマにしたコント。

全体の趣旨をあらわすと同時に、イメージにまつわる、バカリズムなりの考えが、笑いをまじえて展開されます。

個人的によかったのは、『もう!』。

職人かだきの、ラーメン店主のおはなし。

わりとベタな展開ながら、ついついわらってしまいました。

バカリズムさん演じる、店主の〝職人かたぎ風の口調&態度〟が、なんともいえない魅力をはなっています。

かたくなに「塩ラーメン一本でやってるから」とくりかえすセリフには笑いがとまりませんでした。

バカリズムさんは、シュールが売りなんていわれます。

けれどこの作品をみるかぎり、ベタもシュールもカンケーなく、笑いにとりくんでいることがわかります。

やはり、ムズしいことは考えず、笑うのが視聴のコツですね。

全体として、みやすいネタが多いです。

評価
ながさ
(4.0)
おしゃれさ
(5.0)
おもしろさ
(4.0)
おすすめ度
(4.0)

まとめ

まとめると、

りきぞう

バカリズムのライブコント作品は、全部で17つ
トップ3は『類』 → 『?!』 → 『COLOR』の順
個別ネタなら、『類』に収録の「背徳の類」がおすすめ

バカリズムさんのコントをみるうえで、参考にしてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。