バカリズム『なにかとなにか』感想&レビューです。

公演日 2014年7月
収録 プロローグ
知恵と戦略
屏風と虎
理性と本能
母なる星と母なる音
目撃と証言
女子と女子
銅と銀

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、バカリズム『なにかとなにか』。

『理性と本能』は、歌ネタ。

『女子と女子』では、〝女子の生態〟をするどく皮肉っています。

個人的に良かったのは、「知恵と戦略」「屏風と虎」「銅と銀」 ─ 。

以下、くわしくみていきます。

『知恵と戦略』

あらすじ

ゲームの対戦番組。

東大生 & システムエンジニアが登場。

アタマをつかうカードゲームで、 知恵と戦略が求められる。

司会者がルールの説明をはじめるが、内容があまりにフクザツ。

カードは全部で100種類。

それぞれが効力をもち、組み合わせることで、いろんなワザをくり出せる。

ただしあやまって組み合わせると、その時点でゲームが終わってしまうことも。

そのあと、さらに〝ただし書き〟がつづき、つらつらとルールが述べられるが……。

ひとこと

とちゅう、なんとなく展開が読めるが、ついつい笑ってしまいました。

司会者もまた理解していないようで、言いなおすトコもちらほら。

さいごのオチもよかった。

『屏風と虎』

あらすじ

室町時代。

「一休さん」とはじめて接見する足利義満(バカリズム)。

世間で話題になっている和尚を楽しみに待つ。

けれど会うまえに、「はしを渡るべからず」の〝ネタ〟を解いてしまう。

たんなる「ダジャレ」に、肩すかしをくらう義満。

そこで「屏風に描かれているような虎を退治してほしい」とリクエスト。

スーパーイリュージョンのような演出を期待した義満は、たんなる「トンチ」できりかえす一休さんに、ふたたびガッカリして……。

ひとこと

バカリズムさんなりの「一休さん」批判ですね(笑)

たしかに有名なエピソードは、ダジャレだったり、トンチだったり、いまからみると大したことはありません。

バカリズムの視点からみれば、なおさらそうでしょうね。

もちろん、一休さんの変人ぶりは、このエピソードだけではないとおもいますが。

「いま世間で話題だけど、今年いっぱいだね」

イッパツ芸人にたとえるオチは good でした。

『銅と銀』

あらすじ

金メダルを期待された卓球選手(バカリズム)。

ふたを開けてみれば銅メダルで、後輩の選手には銀メダルをとられてしまう。

結果だけみれば、2位と3位。

しかし、後輩がボロ負けした金メダルの選手には接戦で敗れ、後輩が準決勝でギリギリ買った相手には、3位決定戦でボロ勝ちしている。

じっさいは自分のほうが銀メダルで、後輩よりも強いと言いはる銅メダル選手。

後輩の楽屋をたずね、その点をメディアに言ってもらおうとするが……。

ひとこと

バカリズムさんらしく、繊細で、ビミョーなキモチをあらわしたコント。

自分のほうが強いと、理詰めで説得するあたりはさすが。

たしかに(笑)

後半にかけては、後輩の選手にも納得させる展開に。

しかし後輩は、とっておきのエピソードをもっています。

意外なはなしに、とまどう先輩。

すこしシリアスですが、これはこれでなかなか。

さいきんのバカリズムライブでは、こんなふうにちょっと〝涙をくわえる〟演出がみられますね。

スキキライがわかれますが、おもしろいことはおもしろいです。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。