バカリズム『ぎ』感想&レビューです。

公演日 2017年5月
収録 プロローグ
過ぎてゆく時間の中で
難儀と律儀
ふしぎ
の?
六本木の女王
志望遊戯
疑、義、儀
エピローグ

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、バカリズム『ぎ』。

『難儀と律儀』は、レストランのワンシーン。

原稿用紙2枚分はありそうなメニュー。

それにたいして、ツッコミをいれることなく、つらつらと読みあげていき、料理を注文する。

ややシュールな展開が、笑いをさそいます。

バカリズムさんが、得意とするスタイルの作品ですね。

『ふしぎ』は、番組『世界ふしぎ発見』のスタッフたちにまつわるおはなし。

・黒柳徹子
・野々村真
・ホラン千秋

のプラカードを首にかけ、リハーサルをおこな AD たち。

いつのまにか、AD 本人たちの名まえではなく、徹子・真・ホランで呼びあい、フツーの会話をはじめる。

キャラと本人がまじりあい、みているひとは、芸能人をディスるような錯覚におちいります。

このあたりの皮肉がきいている展開もよかったですね。

『疑、義、儀』 は、のぞまない結婚をするカノジョを、カレシが奪いにいくはなし。

いざ、映画『卒業』と同じ行動に出ようとするカレシ ─ 。

けれど、どれくらい将来的にリスク&損害&負担があるのかについて、パネルをつかって解説をはじめる。

こちらも、バカリズムさんが得意する「フリップ芸」の一種。

カレシの視点からではなく、カノジョ、さらには、花嫁を奪われることになる新郎の視点からも、当人が分析しているのが良かったですね。

ラストということで、尺もながく、イチバンみごたえがあるコントだと思います。

バカリズムさんの結婚観&恋愛観が、すけてみえるのも、いいかんじでした。

個人的に良かったのは、「過ぎてゆく時間の中で」「六本木の女王」「志望遊戯」 ─ 。

以下、くわしくみていきます。

『過ぎてゆく時間の中で』

あらすじ

病院の診察室。

余命について、患者が医者とはなしている。

覚悟を決めている患者は、ショージキに「あと、どれくらい生きられるのか」告げてほしいとせまる。

「1年 or 半年でも、死ぬ覚悟はできている」

その言葉をきいた医者は、

「8分間」

と、ショージキに告げる。

想像よりもはるかに短い期間に、とまどう患者 ─ 。

覚悟をきめたものの、納得できない男は、病状の経過をおしえてほしいとせまる。

医者は、つらつらとくわしく「あと8分間」で死ぬ理由をのべていき……

ひとこと

覚悟をきめたにもかかわらず、予想よりも早めに死ぬことを告げられる患者 ─ 。

事実と予測のギャップが笑いをおこします。

「自分の覚悟よりも、さらにうえにきたので、ちょっと動揺しました」

とセリフをはきながら、とまどうバカリズム さんのリアクションには笑いました。

死という重たいテーマをあつかいながら、どこかコッケイな雰囲気をかもしだす ─ 。

さすがうまいです。

『六本木の女王』


あらすじ

38歳の男「岡部」。

フツーのサラリーマンながら、趣味はSMクラブに通うこと。

すでに何度もサービスを利用し、あるていど慣れている。

今回は、おもいきって自宅に、六本木の女王さま「サラさん」をよぶことに。

しばらく待っていると、インターホンのチャイムが鳴る。

じゃっかんドキドキしつつ、ドアをあけると、そこには、ひとりの中年男性が立っている。

なにかの都合で、サラさんが来られなくなり、かわりに店長が、お詫びにやってきたのかなぁ、と思う岡部。

しかし、はなしをうかがうと、もともとサラさんは来ないことになっている。

というのも、ほんとの「マゾ体験」をしてもらうために、

・女王さまは来れるのに、ショックをあたえるために来ない
・屈辱をあたえるために、店側が、あえて中年男性をよこした

らしい。

〝放置プレーの一種〟だと告げる中年男性 ─ 。

その後、女王さまから預かった「きたない言葉であふれた伝言」をつたえるが……。

ひとこと

発想がおもしろいコント。

全体のなかで、いちばん笑いました。

究極の「M体験」を味わってもらうために、女王さまが来れるのに来ない ─ 。

最高の屈辱が、最高のサービスと言いはる中年男性 ─ 。

サギのようなサービスだが、屈辱をあたえるという意味では、スジがとおっている。

こんな発想は、バカリズムさんにしかできませんね(笑)

その後の、中年男性同士のはなしあいも、どこかほのぼのしていて、おもしろかったです。

『志望遊戯』


あらすじ

職員室。

担任の先生のもとに、生徒と母親が進路相談にやってくる。

学力が高く、いい大学にいけるものの、

将来、靴屋の店舗経営をしたい

ということで「進学はしない」と伝える生徒。

もったいないと思ういっぽうで、先生は生徒のキモチを尊重する。

進路相談は終わりと思いきや、いきなり先生は、店舗を営むうえで起こりうるできごとを実践(=シミュレーション)しはじめる。

・やっかいな客
・いうことをきかないバイトの子

を、演じはじめた先生は……

ひとこと

こちらはキャラメインのコント。

とつぜん、将来起こりうるできごとをシミュレーションしはじめる先生が、笑いをさそいます。

シナリオ or 発想の面で、そこまでおもしろいというわけではありません。

けれど、バカリズムさん演じる先生の

落ち着きつつも、とぼけたふるまい

が、なんともいえない笑いを誘います。

爆笑とはいかないものの、あとからみょうにアタマにのこる作品です。

ぜひチェックしてみてください。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。