バイきんぐ『ぺあ』感想&レビューです。

公演日 2019年7月
収録
内見
遅刻
ピザ
写真
ゾンビ
ラジオ
食堂
マジックバー

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、バイきんぐ『ぺあ』。

前回から、約1年ぶりのライブです。

いそがしいなかで、1年に1回のペースで単独ライブ。

どれだけライブを大事にしているか、わかりますね。

『夏』は、スイカ割りをやる男のはなし。

真剣にとりくむあまり、ビーチから数キロの地点まで、目隠しをしてやってくる。

ありえない展開ながら、小峠さんの演じる注意する男とのやりとりに、ついつい笑ってしまいます。

『内見』は、少ない予算で、家賃をねぎろうとする男のはなし。

部屋を見学中、上の階から、住人が飛び降り自殺をはかる。

これで「事故物件ちかくの部屋」ということで、なんとか家賃を下げてもらおうとする。

他人の命より自身の家賃を優先する ─ そんな非情な男を、西村さんが、不気味かつおもしろく演じています

どれも5〜10分くらいの長さなので、気らくなかんじでみれます。

かるい気分で、さらっとみるのが、おすすめ。

個人的に良かったのは、「写真」「ラジオ」「食堂」 ─ 。

以下、くわしくみていきます。

『写真』

あらすじ

写真店。

転職用の証明写真をとってもらおうと、ひとりの男がやってくる。

いざ撮影を開始すると、〝目がはじける〟くらいのすさまじい光が。

はげしいフラッシュに、おもわず客は、ふきとばされる。

あまりにつよい光に、「撮影をやめろ」と訴えるが、店主は、やめない。

そのままつづける店主に、ウンザリする客。

けれど、この光をあびると、なぜかトシをとらないといわれて……

ひとこと

発想がおもしろいコント。

セットも凝っていて、あらすじどおり、ほんとにはげしい光がバチバチする。

光を浴び、目がチカチカする、小峠さんのリアクションも、いいかんじです。

『ラジオ』

あらすじ

アパートの一室で、ひとりの男がまったりしている。

そこへ『西村放送局』の事務員を名のる男が、受信料の徴収のため、たずねてくる。

聴いたこともないラジオ局にとまどう住人 ─ 。

はなしをきくと、

・放送時間は深夜2時〜朝11時まで
・番号名は『ジョナサン西村の朝までドリンクバー』

らしい。

聴いたこともないラジオに受信料を払いたくない住人だったが、事務員は、電波がとんでいるかを調べてはじめて……

ひとこと

バイきんぐさんのコントでは、アパートでくつろいでいるところへ、見知らぬ男が訪ねてくるパターンが多いですね(笑)

前回は、たしか宗教の勧誘でした。

今回は、受信料の徴収です。

西村さんの〝奇人ぷり〟が発揮される展開で、笑いつつも、どこか不気味なかんじがします。

ラスト、「あなたとわたしが、心のチューニングでつながっている」と告げ、むりやり受信料を徴収しようとする場面。

口実かと思いきや、ほんとに西村さんの声が、心のなかにきこえてくる展開には、ほんとに笑いました。

怖さと面白さが共存する作品です。

全体のなかで、いちばんおもしろかったです。

『食堂』

あらすじ

食堂で、サバ定食をバクバク食べる男。

あまりのうまさに、ハシがとまらない。

「うまい、うまい」を連発する客に、店主は、ニンマリする。

しかし、よくよくはなしてみると、客は、さいきん出所したばかり。

刑務所のメシとくらべて、ここの定食屋のゴハンは、数倍おいしいらしい。

比較対象が、刑務所のメシということで、どこかフクザツな心境の店主。

さらに「ポテトサラダ」にかんして、刑務所のほうがウマい、といわれて……

ひとこと

こちらも発想がおもしろいコント。

あとから、刑務所の食事とくらべて、おいしいとわかる展開が、ほんとにすばらしい。

さらに、刑務所生活が長かったからなのか、

・ケーキ(=刑期)
・(電話)番号

というフレーズを耳にすると、すくっと立ちあがり、

・「8年です!」
・「648番号です!」

と、大きな声で返答する。

おもわず条件反射で、刑務所のころのクセが出てしまうリアクションにも笑いました。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。