シソンヌ『シソンヌライブ deux(ドゥー)』感想&レビューです。

公演日 2015年12月
収録 姉弟
職員室
立てこもり
名店への道
ガソリンスタンド
汚し屋
スポーツ交差点
町の美容室

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、シソンヌ『シソンヌライブ deux(ドゥー)』。

2014年におこなったライブのリメイク公演です。

『7の子』は、変わった視点で笑わせるコント。

『不倫関係』『別れ』は、ドラマ仕立ての作品です。

どれも10分くらいのコントだが、ジャンルは幅ひろい。

とおしでみれば、かならず気にいる作品があるはずです。

個人的に良かったのは、「発信源、彼 」「ラーメン屋」「インドカレー」 ─ 。

以下、くわしくみていきます。

『発信源、彼』

あらすじ

ハンバーガーショップの休憩室。

ふたりのバイト仲間がはなしている。

美大生である後輩(じろう) ─ 。

出席表を手づくりしたり、みんなが飽きたハンバーガーの食べ方を変えたりして、バイトの仲間を楽しませようとする。

しかし、そのふるまいが鼻につく先輩 ─ 。

「オシャレな自分をアピールして、自分発信のはやりをつくろうとしている」 ─ そう疑う。

後輩は、そんな意図などまったくない、と否定する。

けれど言ったそばから、カバンから「まりも」を取りだしたり、ひと昔まえに流行った『窓際のトットちゃん』を読みはじめる。

〝変わり者の自分〟をアピールし、価値観をおしつける後輩に、ついに先輩はキレて……

ひとこと

じろう演じる美大生のキャラが、ひかります。

ストーリーだけみると、先輩のほうが、理不尽に怒っているようにみえる。

けれど、後輩のしゃべり方&立ちふるまいをみれば、キレてしまうのもわかる。

まわりをモヤモヤ&イライラさせる演技が、じつにうまいです。

「まりも」のかわいらしさを押しつける後輩 ─ 。

かれにたいして、先輩は「そんなモン、ただのゴミクズだ!」とつきはなす。

すがすがしいです(笑)

『ラーメン屋』

ひとこと

『キングオブコント』でも披露された作品。

シソンヌの名を世に広めたコントですね。

ギャンブルに失敗した「負い目」から、「くっせーラーメンを食わせろ」を叫びながら注文するオヤジ。

じろうさんの狂気が、かいま見れる作品ですね。

たとえ「くさいラーメン」を食べたにしても、ギャンブルで負けた罪は消えない。

さらに「くさいラーメン」はトンコツラーメンで、まずいどころか、とてもおいしい。

二重、三重に、ピントがズレているようすが笑いをさそいます。

その証拠に、さいごは車にひかれてしまう。

オチもなっとく。すばらしい。

『インドカレー』


あらすじ

閉店時間をすぎたインド料理店。

ひとりの客が食べ終わる。

しかしサラリーマンの男は、追加でナンをたのんだり、食後のラッシーを注文する。

インド人の店員はやんわりことわり、はやく帰ってほしい素振りをみせるが、客のほうは察してくれない。

インドの雰囲気を出すため流している「インド映画」に夢中になってるようで……。

ひとこと

『deux(ドュー)』のなかで、イチバンおもしろかった作品。

これといった「おはなしのスジ」はないけど、まじめなインド人/トボけた日本人の対比がよかった。

はるばる日本まで商売をしにやってきたインド人 ─ 。

かれにたいして、サラリーマンの日本人が「初台 → 笹塚」への転勤になやみ、不安を口にする。

スケール感のちがいが、笑いをさそいます。

また、『きっとうまく』という映画を、そのまま励ましのコトバとして受けるトコも、おもしろかった。

ひとつひとつのボケが、するどい。

ついつい、笑ってしまいます。

それでも、マヌケな日本人にたいして、やさしさをみせるインド人にたいして、どこかじんわりさせられます。

笑いと親しみを感じさせてくれるコントです。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。