ラバーガール『ブラッシュバック・スピノーネイタリアーノ』感想&レビューです。

公演日 2007年3月
収録 歯医者
電報
足裏マッサージ
祭りの中継
電車のマナー
昭和のスターBEST10
ゆう子ちゃん
すごい人選手権

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、ラバーガール『ブラッシュバック・スピノーネイタリアーノ』。

『電報』『祭りの中継』では、大水さんの〝すかしたボケ〟が連発 ─ 。

『足裏マッサージ』『すごい人選手権』では、いまのラバーガールには珍しい、カラダをはったコントになっています。

初期のころのコント集ですが、すでに原型ができあがっていますね。

ボケの精度もたかく、このころからすでにセンスを感じられます。

個人的に良かったのは、「電車のマナー」「ゆう子ちゃん」 ─ 。

以下、くわしくみていきます。

『電車のマナー』

あらすじ

バンドマンのふたり。

練習のあと電車で帰宅。

いっぽうのメンバー(大水)は、すこしヤンチャでおバカ。

電車のなかで大声でしゃべり、空きカンもすてる。ケータイにも出て、堂々とはなす。

マナーのわるさを注意する、もうひとりのメンバー(飛永)。

「まわりが見てるだろ」
「ルールを守れよ」

口うるさい相手に、マナーのわるいメンバーが逆ギレ。

「人殺しが、エラソーに注意してんじゃねーよ!」
「きのうのこと、みんなにチクってもういいんだぞ!」

電車内はこおりつき……。

ひとこと

プロット展開がおもしろいですね。構図として「逆転」にあたります。

コントの書き方 ─ プロットの展開について

注意していた立場が一転、非難される側にまわります。

さいしょ何気ない会話がダラダラつづき、このまま終わっていくのかなぁと思いきや、後半、一気に〝ドライブ〟をかける。

ひっくりかわる瞬間はたまりません(笑)

ほどよく〝毒っ気〟があり、みごとに観てる人の期待を裏切ってくれます。

全体をとおして、イチバンおもしろかった。

おすすめ。

『ゆう子ちゃん』


あらすじ

結婚式の二次会を抜けだしてきた、男友達のふたり。

酔いつぶれた、大水(大水)のカノジョを抱えながら、家にもどってくる。

結婚式のあとということもあり、友人の飛永は、大水に「カノジョと結婚しろ」とせかす。

いっぽうの大水は、飛永が自分のカノジョにホレていて、つよがりで結婚をすすめていることに気づいている。

さらにすでにふたりの仲はさめていて、カノジョが飛永と付き合ってもいいと考えている。

そのことを正直につたえると、飛永は大喜び。気がひける一方、付き合うことを決める。

すると大水は、飛永の目のまえで〝別れのキス〟をカノジョとはじめる。

あまりに〝生々しく〟、見ていられないほどで……。

ひとこと

カノジョを「ダッチワイフ」として参加させているのがよかった。

人形とはいえ、見えるかたちで演じることで、リアリティが増す。

演出面でも工夫がこらしてある。

プロットも、飛永の〝隠した恋ゴコロ〟を軸に、展開させていくかと思いきや、そこはあっけなく打ちあけ、ラストで熱烈なキスをすることで、笑いをとっていく。

この〝すかした〟かんじが意外で、いかにもラバーガールっぽい。

尺の長さもちょうどよく、サラッと観れるのが good 。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。