バナナマン『bananaman live S』感想&レビューです。

公演日 2019年8月
収録 secondary man
surprise進行中
  scrambled
searching for the superactive
scarlet
something to say

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、バナナマン『bananaman live S』。

created by Rinker
コロムビアミュージックエンタテインメント

『secondary man』は、敵のアジトに突入するため、作戦会議をたてるふたりのはなし。

設楽さん演じる男が、日村さん演じる仲間を、いいようにあつかいます。

ふだんのおふたりのカンケー性がみえて、ついつい笑ってしまいますね。

『searching for the superactive』は、とある空間で、謎ときに励む男ふたりのはなし。

こちらは日村さんのテンション&リズムによって、笑いをおこしていきます。

『scarlet』では、1年ぶりに「赤えんぴつ」が復活しましたね。

いつもの名ゼリフ「おまえ、クスリやってんのか?」も飛びだして、いいかんじでした(笑

個人的に好きだったのは、「surprise 進行中」「scrambled」「something to say 」 ─ 。

以下、くわしくみていきます。

『surprise 進行中』

あらすじ

とある部屋。

友人「佐々木」に、誕生日サプライズをするため、日村と設楽が作戦会議をしている。

これまで、何度も佐々木にワナをしかけられた日村は、やる気まんまん。

けれど、これといった案がうかばすに、設楽にアイデアを出してもらう。

設楽は、スーツケース&大きな宝箱をもってくる。

日村が中に入ったまま、しばらくすごす。

で、荷物として、佐々木におくりつけ、誕生日当日に、バァーっと出て、驚かそうと、提案。

となると、配送センターで一晩すごし、さらには、トイレにもいけず、オムツをはいて、過ごさないといけないことになり……

ひとこと

おふたりのラジオと同じように、設楽さんが、さらっと日村さんを追いつめるコント。

フツーの口調で、むちゃぶりする設楽さん ─ 相変わらずの S っぷりです。

けっきょく、提案どおり、箱にはいり、オムツすがたになる日村さん。

なんだか不思議と似合ってましたね(笑)

『scrambled』

あらすじ

アメリカン風のレストラン。

友人「パーティ」にプロポーズしようとする「ベンジャミン」 ─ 。

しかし勇気がなく、もっていた「指輪」を渡すことができない。

ウジウジした態度にしびれをきらしたパーティーは、いったん席をはなれる。

そのようすをうかがっていた、店主の「ジョージ」 ─ 。

ひとりになったベンジャミンに近づいてきて、相談に乗ってやろうとする。

けれど、ものすごく鈍感なジョージは、ベンジャミンが告白できずに悩んでいる、と察することができない。

それよりも、パーティを気をひき、びっくりさせたいなら、「オオカミのションベン」をぶっかけてやればいいんだと、白いフクロをさし出す。

すぐさま、ことわるベンジャミン。

あっさり引き下がるジョージだったが、あろうことか、ベンジャミンが指輪を入れていた白いフクロを、まちがってもっていってしまう。

そのとき、トイレからもどってきたパーティ。

ベンジャミンは、ふたたび勇気を出して、白いフクロをわたす。

しかし中には、指輪ではなく、「オオカミションベン」が入っていて……

ひとこと

モノがすりかわることで、それぞれに誤解がうまれます ─ このようすが笑いをおこします。

じつはこのあと、さらに2人の人物(チンピラ)が登場 ─ 。

[指輪 → オオカミのションベン → ピストル]が、それぞれ入れかわり、よりいっそう混乱(scrambled)がおこります。

なにがすごいって、すべての人物を、バナナマンのおふたりだけで演じていること。

10年以上前のライブ『ペポカボチャ』以来のスタイルですが、うーん、何度みても、すごいなぁと思います。

構成もさることながら、おふたりのセリフ回し、キャラのきりかえなど、演技力がないと、なかなか成立しないコントです。

全体のなかで、なによりみてほしい作品です。

気になったのは、これがラストじゃなかったこと。

尺の長さでも、さいごにふさわしいコントだったんですが、なぜ中間にもってきたんでしょう?

『something to say』

あらすじ

披露宴の式場。

会場の外で、ふたりの男がはなしている。

いっぽう(設楽)が、式の演出についてボロカスに毒づく。

ひとりの男が、花嫁を奪うとみせかけて、じつは奪わない ─ 映画『卒業』のシーンをモチーフにした演出に、文句をいれる。

だが、この披露宴は、もういっぽうの妹夫婦の結婚式 ─ 。

兄を目のまえにして、毒をはくのは、やめてくれと、たのむ。

しかし、当の兄自身も、妹の結婚には反対だった。

じつはスピーチのときに、思いきって「この結婚には反対だ」と告げようとしていた。

そこで、小説家でもあるいっぽうに、スピーチの文言をたのもうとするが……

ひとこと

こちらは恒例の長尺コント。

妹の結婚をめぐり、兄と、その友人が、笑いをおこします。

じつは、あらすじのできごとは、後半ストーリーのフリになっています。

その意味では、かなり練られた作品になっています。

さいごはすこしホロリとさせられます。

このあたりが、バナナマンさんらしいですね。

もちろん笑いもバッチリおこしています。

兄を演じる日村さんのスピーチの〝グダグダっぷり〟には、笑いましたね。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ぜひ、ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。

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コロムビアミュージックエンタテインメント