バカリズム『宇宙時代 特大号』感想&レビューです。

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、バカリズム『宇宙時代 特大号』。

バカリズムさんが、ひとりになってから、さいしょの単独ライブです。

バカリズムさんの原点ですね。

『トツギーノ』は、テレビのネタ番組で、話題になりましね。

『ま行の時代』、『ぱ行の時代』は、さいしょの人類をえがいた作品。

そうだいなテーマですが、うまく笑いに展開しています。

この2本をみれば、バカリズムさんが、いかにコトバに敏感になっているかがわかります。

個人的に良かったのは、「野球官能小説」「泣き男泣く」「イケなくて……」 ─ 。

以下、くわしくみていきます。

『野球官能小説』

あらすじ

シブい声の男(バカリズム)が、マイクにむかって官能小説を朗読。

しかし、みさこ & たかひろの情事を〝野球用語〟にたとえて語っていく。

ムネは「キャッチャーミット」、お◯ん◯んは「ペタジーニ」……。

そのあとも、エロティックなワードは、野球にからんだコトバにおきかえられ……。

ひとこと

発想が good 。

みさこのセリフが、なぜか「ビールいかがっすかー?」「代打とりごえ」など、トーンをおとした声になるのが、おもしろい。

ふつうのネタなら、野球を〝官能小説風に語る〟かんじになりやすいが、お色気ワードを、野球用語におきかえる──その点がバカリズムさんらしいですね。

『泣き男泣く』

あらすじ

自分の〝涙もろさ〟について語るサラリーマン(バカリズム)。

一般的な「泣き上戸」とは比べられないほど、泣きやすい。

あさ通勤するときには、並走する電車が、とちゅうではなれていくだけで涙があふれてくる。

「それぞれの電車が、それぞれの目的地にむかって、ガタンゴトンって進んでいくんだなぁ(泣)」

「オレなんて、まだまだガタンゴトンって鳴らせてないなぁ(泣)」

さらに、会社の会議では、上司のメガネをみただけで泣いてしまう。

「課長のメガネ、度がはいってんなぁー(泣)」

「だてメガネじゃないんだなぁー(泣)」

けっきょく、会社をクビになってしまい……。

ひとこと

これもバカリズムならではのネタですね。

じっさいにはありえないストーリーですが、なぜかキモチをもってかれます(笑)

泣いてしまう対象が、〝ヒト〟ではなく〝モノ〟なのが、バカリズムさんの性格をあらわしているような気がします。

まさか「度の入ったメガネ」にカンドーするとは ^_^ ;

『イケなくて……』

あらすじ

交通事故で亡くなる男(バカリズム)。

自分のカラダから遊離して、しばらくその場にただよう。

しかし、あの世へ逝けるかと思いきや、いくら待っても、何もおこらない。

焦りだす男。

「成仏! 成仏!」など、天国へ行けるようなフレーズを口にするが、何もおきない。

ようやく空から〝それっぽい光〟が降りてくるが……。

ひとこと

全体をとおして、いちばんストーリー性があるコント。

たったひとりで、これだけの物語を組み立てるんですから、ほんとうにスゴイ。

死んでもなお、みじめで、不安におもいにかられる。

なんだか、いま時代のようすを、暗に示しているようにもみえます。

ちなみに、このコントと同じ人物が『ヌけなくて……』でも、登場しています。

こちらは「エロ系」のネタで、びっくりするくらいアホらしい。

けど意外に、「生(性)」と「死」のコントラストを意識して、つくったのかもしれません。

考えすぎかな?

まとめ

こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。

公演日 2007年2月
収録 ま行時代
オープニング
ヌケなくて……
冬ジョンソン
NHSNJG
野球官能小説
泣き男泣く
トツギーノ
九龍の拳
イケなくて……
エンディング ぱ行時代 マキガミ