バカルディ(さまぁ~ず)『少年と犬と公園と私』感想&レビューです。

公演日 1999年7月
収録 電器屋さんが来た日
鉄板焼の男たち
ぬのぶくろ
少年と犬と公園と私

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、バカルディ(さまぁ~ず)『少年と犬と公園と私』。

さまぁーずさんのバカルディ時代のコントライブを収録したものです。

むかしのものですが、内容は、まったく古びていません。

『鉄板焼の男たち』は、鉄板焼きの料理店にきたコックと客のやりとり。

大竹さん演じるコックが、小ボケを連発していく。

男にもかかわらず、

・パンツが見えそうで、見えないサービスをする

などなど、三村さん演じる男性客をホンロウしていく。

くりかえされるボケに、おもわず笑ってしまいましたね。

『ぬのぶくろ』は、アパートの廊下でのやりとり。

ふたつのドアのまえに、見知らぬ「ぬのぶくろ」が置かれている。

その処置をめぐり、住人ふたりがはなしあう。

といっても、笑いの軸は、ストーリーよりも、三村さんの〝あのツッコミ〟。

一時期、「ツッコミボケ」として有名になりました。

「……じゃねーよ!」

と、さまざまな喩え(たとえ)をくみこまながら、大竹さんのボケに、すかさずツッコミをいれていく。

なんだか、なつかしいキモチになりました。

ちなみに、このコントで登場する女性は、さいしょのコントのシーンとリンクしています。

このあたりのつながりを発見できるのも、本作品の魅力です。

個人的によかったのは、『電器屋さんが来た日』『少年と犬と公園と私』

以下、[あらすじ → ひとこと]の順で、くわしくみていきます。

『電器屋さんが来た日』

あらすじ

アパートの一室。

クーラーが壊れた男(三村)は、直すために、電器屋さん(大竹)を呼ぶ。

しかし、修理にやってきた電気屋は、

・「型が古くて、直せない」
・「風水的に、クーラーの置く場所が悪い」

などなど、なかなか作業をせず、ムダ口ばかり。

そこへ、住人のもとに別れた恋人から電話が、かかってくる。

おもしろそうなはなしに食いつく電気屋 ─ 。

復縁したい男に、みずからの経験をもとに、

・カノジョが忘れたピンクのワンピースを着て待て

などなど、ふざけたアドバイスをくりかえす。

ギモンを抱きながらも、部屋でカノジョを待つ男だったが……

ひとこと

電気屋さん演じる大竹さんのボケがひかる作品です。

個人的には、住人の言い分に、まったく共感せず、否定をくりかえすやりとりが、めちゃくちゃツボでした。

それにたいする三村さんのツッコミも、キレキレでしたね。

テンポがよく、安心して笑えるコントに仕上がっています。

『少年と犬と公園と私』

あらすじ

公園でペット犬「チロル」を遊ぶ少年。

そこへ、挙動不審の中年女性があらわれる。

少年と話したいばかりに、とっぴに行動をくりかえす。

どうやらこの女性は、少年のほんとうの母親 ─ 。

息子に会いたくて、やってきたらしい。

なんとか話と糸口をみつけた母親だったが、少年は、まったくピンときていない。

女性は「お母さん」と呼ばせようと、はなしをもっていこうとする ─ 。

けれど、カンのわるい少年は、天然炸裂の返答ばかり。

イライラする母親は、ほんとうの息子にもかかわらず、きたない言葉でグチをこぼし……

ひとこと

おふたりのやりとりが笑いを誘います。

三村さん演じる少年の〝天然ぷり〟に、グチをたらたらこぼす。

きたない表現による不満が、なんともいえない笑いをおこしています。

このあたりの大竹さんの演じ方・口調は、ほんとにおもしろいです。

少年の年齢をきいているにもかかわらず、チロルのトシをこたえる少年。

それにたいして、

・「流れを読めよ」
・「なんでいきなり犬の年齢を聞くんだよ」

と、きたない口をたたく。

このあたりの間のとりかた・テンポよさは、大竹さん独特ですね。

ついつい笑ってしまいます。

まとめ

こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。