さまぁ~ず『さまぁ~ずライブ 8』感想&レビューです。

公演日 2011年5月
収録 上司のひみつ
お見舞い
教頭先生
復活
鶴の恩返し

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、さまぁ~ず『さまぁ~ずライブ 8』。

8回目の単独公演をおさめたものです。

『上司のひみつ』は、女装が趣味の社長と、社員のやりとり。

前回と同じように、社長演じる大竹さんのボケに、三村さんのツッコミが、ビシッとひとこと。

オープニングにふさわしいネタです。

『復活』は、数年ぶりに再会した、ミュージシャンとタレントをめぐるコント。

キホン歌ネタで、さまぁ〜ずさんらしい、シュールな歌詞が、笑いのキモになります。

個人的には、やや〝中だるみ〟している印象でした。

もうすこし、歌以外にも、ふたりの会話&やりとりがみたかったかなぁ。

個人的によかったのは、『お見舞い』『教頭先生』『鶴の恩返し』の3本。

以下、[あらすじ → ひとこと]の順で、くわしくみていきます。

『お見舞い』

あらすじ

病室。

盲腸で入院している「ミツヤ」。

そこへ、元上司の「イヌイ」がやってくる。

部屋に入ってきた早々、馬の仮面をかぶり、ビックリさせようとする。

しかし、元部下「イヌイ」の反応はうすい。

さらに、イヌイが、

・巨人ファンの「ミツヤ」に、選手のサイン入りユニホームを渡そうとする
・お見舞いの花をプレゼントしようとする

ものの、

・ユニホームに興味ない
・すでに、ほかの人から花をプレゼントされている

などなど、やることなすこと、すべてうまくいかない。

善意が裏目に出るイヌイは、「おまえのためじゃない」と言い訳をくりかえすが……

ひとこと

笑いの軸は、善意が裏目に出たときの「ミツヤの言い訳」。

・自分のためにユニホーム&花を買ったなど、ムリな口実がつづきます。

これまでなら、裏目に出るイヌイの役を、ツッコミ担当の三村さんがやっていたかもしれません。

こちらの善意を〝反故する〟ミツヤに、イヌイがツッコミを入れる流れ、みたいな。

その意味では、すこし変わっているネタかもです。

シナリオについて、[展開 → オチ]がしっかりしていて、わかりやすい流れになっています。

だれがみても、おもしろく感じられます。

『教頭先生』

あらすじ

放課後の校庭。

教頭先生がひとり、のぼり棒を上り下がりして、〝いい気分〟になっている。

そこへ年下の教師が、やってくる。

みられたくないトコを隠すため、教頭は、べつのはなしに話題をもっていく。

気になるものの、年下の教師は、ちかちが小2のクラスで開かれる「なぞなぞ大会」
のついて相談をはじめる。

なぞなぞの内容が、小2の生徒にふさわしいか、じっさいにきいてもらうことに。

しかし教頭は、どのなぞなぞも〝イジワル〟すぎて、「教育上よくない」と指摘。

「パンはパンでも、食べられないパンは?」の問いには、

・パンじゃないけど、かたい、野菜をいためたりする、なになにパンは?

に訂正したほうがいいとアドバイス。

その後も、ほかのなぞなぞも、ヒネリをきかしすぎていると修正させて……

ひとこと

教頭と教師のやりとりをめぐるコントは、以前のライブにも出てきましたね。

前回は「浦島太郎」のお芝居をするのは、「性教育上、よくない」と修正させる流れでした。

今回は「なぞなぞ大会」が、ひねくれた子どもにしてしまうことをおそれる教頭 ─ かれの〝過剰な心配〟が、笑いの軸になります。

あまりに素直すぎるなぞなぞのため、もはや「問題」にすらならない ─ 極端な展開に、ついつい笑みがこぼれます。

教頭先生の答えも、回答のかたちをなしておらず、それがまたなんともツボでした。

『鶴の恩返し』

あらすじ

雪山のなかの一軒家。

そこへ、ひとりの中年女性がたずねる。

どうやら道に迷ったらしく、今晩だけ泊めてほしいとたのむ。

しかし出てきた男の住人は、女性をひとりウチ泊めるわけにはいかないと拒む。

きょうはたまたまいないが、奥さんもいて、もし浮気していると思われたらイヤだと、つっぱねる。

てっきり泊めてもらえると思っていた中年女性は、ぼうぜん。

その後も、しつこく泊めてほしいと、要求する。

それでも認めてくれない住人に、

「じつは、あたしは、先日助けてもらった「鶴」なんだ」

とうちあける。

が、はなしを信じない住人は、むりやり家に上がり込んでくる中年女性を、ふたたび押しのけて……

ひとこと

こちらは、幕間映像の「つる」とセットになっているコント。

童話『鶴の恩返し』のパロディです。

ベースのはなしを知っていれば、かなり笑えます。

さまぁ〜ずさんらしく、ゆるいボケが連発。

たしかに、いきなりやってきた女性を泊めるのは勇気がいりますよね。

このあたりのリアリティを反映させた内容になっています。

後半は、じっさいに家に入れたあとのはなしに。

いちおう「鶴」と信じた住人が、人間から鶴に変身するようすを、なんとか見ようと、障子をあけしめする ─ このかけひき&やりとりも、グダクダなかんじがして、とてもおもしろかった。

鶴から人間に変わるときに、いったん服を脱ぐようすに、笑いが止まりませんでした。

本作のなかでは、いちばんおもしろかったです。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。