公演日 | 2013年6月 |
収録 |
渡し舟 張り込み 明日から南仏 センセイ 虹太郎遊技場 |
どうも、コント作家のりきぞうです。
きょうも、コント作品をレビューしていきます。
取りあげるのは、さまぁ~ず『さまぁ~ずライブ 9』。
9回目の単独公演をおさめたものです。
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『渡し舟』は、船頭とお客のやりとり。
風流を感じる男性客にたいして、滑舌のわるい船頭が、チャチをいれる。
かみ合わないようすが笑いをおこしていきます。
ちなみに、ラストのネタとリンクしています。
これをみたあとに、さいごのコントをみるのがおすすめです。
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『張り込み』は、一般人の部屋にやってきた刑事と、住人のやりとり。
捜査協力に応じる住人 ─ 。
しかしはじめてみる刑事に、テンションが上がる。
その勢いで、はりこみをする刑事にたいして、チョッカイをいれる。
これといったストーリーはないものの、おふたりの〝おふざけっぷり〟が、笑いを誘います。
みているだけで、ついつい笑ってしまいますね。
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個人的によかったのは、『明日から南仏』、『センセイ』、『虹太郎遊技場』の3本。
以下、[あらすじ → ひとこと]の順で、くわしくみていきます。
『明日から南仏』
あらすじ
マンションの一室。
住人の男が、麦わら帽子をかぶり、ウキウキしている。
どうやら明日から、南フランスへ旅行するらしい。
そこへ、元同僚の後輩がやってくる。
きょうは先輩のウチに泊まり、あすの朝、いっしょに成田空港にむかい、旅立つ予定。
しかし後輩は、さきほどからセキを〝ゴホゴホ〟やっている。
海外旅行をまえにして、カゼをひいたようで……
ひとこと
あらすじだけをみると、わりとベタです。
けれど、さまぁ〜ずさん演じる後輩/先輩の、ゆるいやりとりが、なんともおもしろい。
これといった事件はおきないものの、大竹さん演じる先輩のキャラが、やたら目をひき、ついつい笑ってしまいます。
おそらく前回のライブ『お見舞い』で登場したキャラと同系統の人物です。
旅行にむけて用意周到にはりきるものの、おおざっぱな後輩のせいで、計画が台無しに ─ そのさいのリアクションが、笑いの軸になっています。
とはいえ、爆笑というわけではなく、みていてクスクス笑ってしまうかんじ。
この雰囲気がおふたりの魅力です。
『センセイ』
あらすじ
雰囲気のいい BAR 。
部下に連れられて、上司がやってくる。
女性の部下は、よく来るらしく、いつも「センセイ」と呼ばれる男性と鉢合わせるらしい。
そんな会話していると、じっさいにはなしをしていた「センセイ」があらわれる。
登場するなり、いきなりマイクをかたて
に、オリジナルソングを歌いはじめる。
ふしぎな曲に、ぼうぜんとする上司の男性客 ─ 。
そのあとも「センセイ」は、店員たちをバックに、おかしなオリジナル曲を熱唱しつづけて……
ひとこと
さまぁ〜ずライブ恒例の「歌ネタ」ですね。
大竹さん演じる、歌の「センセイ」が、シュールなオリジナルソングを歌いつづけるのが、キホンのながれ。
それにたいして、三村さん演じる、初見の男性客が、ツッコミをいれていきます。
個人的には、「センセイ」が歌いはじめるまえに、バックのクローゼットに入り、そこからいちいち出てくるのが、なんともツボでした。
歌詞の内容も、
がくりかえし登場し、やたら強調させる。
この反復もまたよかったです。
後半になるにつれて、三村さんがホンロウされるようすも、いいかんじでしたね。
『虹太郎遊技場』
あらすじ
地方の遊園地。
老人がひとりで営んでいる。
かなりの高齢のため、東京から義理のむすこがたずね、いっしょに都内に住もうと説得をしにやってくる。
しかしガンコな義父は、その提案には応じない。
それどころか、遊園地のアトラクションを、義理のむすこに、むりやりやらせる。
そのゲームも、
・犬のぬいぐるみを投げて、お乳を吸っている子犬のぬいぐるみを、親犬から引きはなす
など、まともな遊びじゃないものばかりで……
ひとこと
シュールなゲームをつぎつぎに、義理のむすこにプレーさせる─ これが流れが、笑いの軸になります。
個人的には、
と、伝えるだけのシーンが、めちゃくちゃおもしろかったです。
たいてい、シュール系のボケは、お客さんをシラけさせて終わります。
けれど、このネタでは、しっかりとした笑いをおこす。
このあたりは、さまぁ〜ずさんならでは、雰囲気がもたらすワザといえます。
本作のなかでは、イチバンおもしいネタでした。
まとめ
こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。
ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。
ちがう記事ものぞいてみてください。
ではまた。
よきコントライフを〜。