発売日 | 2017年4月 |
収録 |
オープニングコント 医学部 気絶 小説家 金メダリスト 漫才 予備校 居酒屋 葬式 エンディングトーク |
どうも、コント作家のりきぞうです。
きょうも、コント作品をレビューしていきます。
取りあげるのは、さらば青春の光『会心の一撃』。
ひさしぶりのDVD作品です。
前回の『なにわナンバー』から数年たっています。
そのときのネタとは、まるで別物です。
レベルが格段にあがっています。
ハズレがほとんどありません。
現在も勢力的にコントライブをおこなっているようなので、これからも作品集は発表されるはず。
おいかけていきたいコンビです。
…
個人的に好きだったのは、「小説家」、「居酒屋」、「葬式」 ─ 。
以下、くわしくみていきます。
目次
『小説家』
あらすじ
喫茶店。
小説を読もうとしたときに、となりに著者本人がやってくる。
テンションの上がる読者。声をかけ、サインをもらう。
しかしそのファンは、本人の目のまえで〝速読で一気に読む〟。
長い年月をかけて執筆した小説家のきもちはフクザツで……。
ひとこと
パラパラマンガのように読むファン。
ちゃんと把握しているのかうたがう小説家。内容をたずねる。
しかしストーリーはもちろんのこと、行間のニュアンスまで読みこんでいる。
わるぎもなく「先生の本は速読しやすいんですよー」の一言には笑ってしまいますね。
ビミョーな心理をついた作品です。
たしかに5年かけて書いたものを、5秒で読まれたら、泣きそうになりますね(笑)
『金メダリスト』
あらすじ
金メダルを獲得した水泳選手。インタビューを受ける。
よろこびを述べるかと思いきや、「めちゃくちゃ練習した」「プライベートまで犠牲にしてきた」とグチばかり口にする。
さらには「この4年の努力は、ワリにあわない」と訴えはじめる。
「金メダルを取ったうれしさが、ツラさをこえてこない」
インタビュアーはフォローするが、選手の毒舌はとまらず……。
ひとこと
金メダルの報奨金は300万。
4年で換算すれば、月給6万そこそこ。
リアルな数字を口にして、インタビュアーを説きふせるシーンは、おもしろいですね。
「練習するくらいなら、BAR に行きたかった」
なぜか BAR に行けないことを後悔するのも、またツボだった(笑)
『居酒屋』
あらすじ
居酒屋。
たのんだメニューとはちがう料理をもってくる店員。
パリパリ餃子、だし巻きたまご、肉豆腐……。
においにつられた、客は同じものを注文する。
しかし店員のミスは、その後もつづく。
〝わざとじゃないか〟
〝目のまえにホンモノをみせることで、注文させようとしているんじゃないか〟
客はうたがいはじめて……。
ひとこと
事態はさらにすすみ、ほんとうに注文したメニューを、ほかの客にも見せはじめる。
自分がたのんだ料理が、宣伝に利用されることにキレる客。
これも発想がおもしろいコントですね。
じっさいこんな店があったら行きたくない。
しかしそんなきもちも見すかすように、オチがつけられています。
うまいなぁ。
『葬式』
「よっさん」の葬式。
暗い雰囲気のなか、友人のひとりが、おどりはじめる。
死ぬまえに、よっさんは「しめっぽい葬式にするな」「あかるく送りだしてくれ」と言っていた。
その想いをくんで、しっかり騒ごう。
友人はオンドをとる。
しかし〝よっさんの死因は他殺〟。
強盗殺人で殺された。
さらに、犯人も捕まっておらず、友人のなかに犯人がいる可能性も……。
騒ぐ気になれない、もうひとりの友人は……。
ひとこと
さいしょは伏せられ、とちゅうで〝よっさんの死因=他殺〟があきらかになる。
ストーリー展開がうまいですよね。
それでも「騒ごう」とする友人、それを止める友人。
ふたりのコントラストもハッキリしていて、はなしのスジもわかりやすい。
オチで〝どちらが犯人だった〟っていうながれにしなかったのも、よかった。
ムダのない作品です。
まとめ
こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。
ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。
ちがう記事ものぞいてみてください。
ではまた。
よきコントライフを〜。