ハナコ × 四千頭身『ハナ頭身』感想&レビューです。

公演日 2018年7月
収録 あぁ~夏休み
初めての原宿
夏練!
四千頭身の夏の思い出しりとり
ハナコもしりとり漫才をやってみる
深夜バス
インターハイ予選の夏
ツヅキクタ
ハナコ「犬」
四千頭身「漫才」
ロングコント「JURI」

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、ハナコ × 四千頭身『ハナ頭身』。

2018年の合同ライブを収録したものです。

「あぁ~夏休み」〜「ツヅキクタ」までは、一連のスケッチコント。

ハナコさん&四千頭身さん、各メンバーの思い出のエピソードを素材にしたコント作品です。

夏休み・初めての原宿・夏練など、だれもが学生時代に味わったできことから、作品がつくられています。

あるあるネタの要素があり、安心してみられます。

そのなかでも、「深夜バス」は、やや変わった内容でした。

卒業旅行で、大阪まで深夜バスにむかう。

そのときに出会ったサラリーマンと高校生のやりとり。

高校生のはなしというより、嫁さんに逃げられた「サラリーマンの哀しみ」が、はなしの軸。

岡部さん演じるサラリーマンが、いい感じのキャラクターにしあがっています。

個人的に良かったのは、「インターハイ予選の夏」「ハナコ「犬」」「ロングコント「JURI」」 ─ 。

以下、くわしくみていきます。

『インターハイ予選の夏』

あらすじ

サッカーインターハイの試合直前。

コーチが、高校3年の生徒に、


「7番をつぶせ」

と、こっそりアドバイス。

動揺する生徒。

「つぶせ」とは、「わざとケガをさせろ」という意味なのか、問いかえす。

けれどコーチの先生は、ひたすら「つぶせ」とだけしか言わない。

くわえて、「もし、つぶさなかったら、おまえをレギュラーから外す」とまで。

試合開始。

戸惑いつつ、選手の生徒は、あいての「7番の選手」にアタックをきめる。

しかし、ヒョロヒョロのカラダにもかかわらず、まったく倒れず、仁王立ち ─ 。

あせる生徒は、再度こころみるが、まったく動じない。

さらに、「7番の選手」を、まるで「ラジコンロボ」のように、操縦している者まで、あらわれて……

こちらは、以前話題になった「日大ラグビー部のタックル問題」から発想をえたコント。

ゴシップネタのパロディですね。

おもしろいのが、たんなるパロディではなく、相手の選手が、なぜかロボットのようにリモコンで操作されているトコ。

突飛ながら、2組のオリジナリティが出ていてよかったです。

まったく倒れない生徒にたいして、


「まるでターミネーターみたいじゃねーか!」

のひとことには笑いました。

選手演じる岡部さんが、ほんといい味出してます。

『ハナコ「犬」』

あらすじ

マンションの1室。

人間のようにしゃべる犬が、あたりをウロウロしている。

そのとき、飼い主が帰宅。

一気にテンションがあがる犬 ─ 。

「うれしい」を連発し、


「どうしてだろう、毎回うれしいだよなぁー!」

とさけぶ。

いっぽう、エサがないと思った飼い主は、いつものように、ドックフードをあげる。、

けれど、惰性でエサをあたえるご主人に、どこか不満げ。

あれば食べるけど、好きじゃないようす。

しかし「ビーフジャーキー」を取り出したら瞬間に、ふたたびテンションがあがる。

「ドックフードはなにか分からないけど、ビーフジャーキーは安心して食べれる」

と、おいしそうに口にいれる。

すこしして、飼い主の友人が家にたずねてくる。

警戒心むきだしの犬は、友人にたいして、「だれこれ! なにこれ!」を連発して……

ハナコさん1組によるコント。

全体のなかで、イチバンおもしろかったです。

「ペットの犬が、人間のように、言葉をしゃべれたら」という発想から、はなしが展開します。

シンプルな設定ながら、


・ドックフードには不満
・ビーフジャーキーにはテンションが上がる
・見たことないオモチャ&人間には警戒心をむきだしにする

などなど、ひとつひとつのアクションにたいして、セリフをわりあてる。

言葉のチョイスが、ほんとにうまいです。

シナリオの構成も、みごと。


・ビーフジャーキー
・見たことないオモチャ

など、ストーリーに登場する道具が、すべてフクセンになっている。

ムダのないプロットで、はなしの展開が洗練されている。

なによりみてほしい作品です。

『ロングコント「JURI」』

あらすじ

大学のサークル「オカルト研究会」の新人歓迎会。

1年生の2人をまねくためのイベント。

生徒7人がキャンプにやってくる。

たのしく談笑していると、先輩のひとりが、


「3年生「石橋」が、トイレにいったきり、なかなか帰ってこない」

と、言いだす。

みんなであたりを探すが、みつからない。

すると、先輩のひとりが、「血のついた包丁」を発見。

もしかしたら、なにかの事件に巻き込まれたのかもしれない。

あせるようすの先輩に、新人2人もビビリはじめる。

すると、ビニールシートにくるまれた「遺体らしきもの」を、先輩2人がみつけてくる。

シートにおそるおそる開ける先輩たち。

そのようすをみて、完全にビクつく新人2人に、


「ドッキリ」

と告げる。

じつは毎年、歓迎の行事として、ドッキリをしかけていた。

むねをなでおろす新人2人だったが、ふと、ひとりが「ドッキリ 第2弾」と書かれたパネルをみつけてしまう。

どうやら先輩たちは、新人2人に、もう一回ドッキリをしかける予定のようで……

30分ほどの長尺コント。

ちょっとした喜劇にちかいです。

笑いのポイントは、ドッキリをしかけれらる側の新人が、さきに先輩のワナ・作戦を知ってしまうトコ。

気をつかうために、あえてドッキリにのる ─ そのわざとらしいしぐさが、笑いをおこしていきます。

このパターンを3回くりかえす。

個人的には、反復は1回にして、もうひとつヒネリのある笑い・プロットの展開がほしかった。

やはりコントのかたちをとりながら、長尺にするには、それなりの工夫が必要かなぁと感じました。

とはいえ、ひとりひとりの演技もうまく、飽きずにみることができます。

オチも、ほのぼのしてよかったですね。

まとめ


https://www.youtube.com/watch?v=Ok7Mr0ICOH8

こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。