公演日 | 2003年8月 |
収録 |
オープニング 万引きGメン 保健室 育児ノイローゼ 駐車場 企業スパイ インターネット自殺 携帯ショップ エンディング |
どうも、コント作家のりきぞうです。
きょうも、コント作品をレビューしていきます。
取りあげるのは、インパルス『おちゃらけソーセージ』。
インパルスさんにとって、さいしょの映像作品になります。
『万引きGメン』は、万引き犯と思って、あやまってチャラい高校生をつかまえてしまう女のはなし。
冤罪を認めたくないばかり、なんとか高校生を犯人にしたてようとするさまが、なんもとおもしろいです。
『育児ノイローゼ』は、子どもが泣きやまないことに、あたふたする女性のはなし。
泣き声をとめるために、おへその「しぼり」をさげて、ボリュームを下げようとする。
けれどなかなか泣きやまない。
おとぼけはママさんに、男性カウンセラーがホンロウされます。
ひとつひとつのボケはよかったんですが、ちょっとリアリティがないかんじでしたね。
…
個人的に好きだったのは、『駐車場』、『企業スパイ』、『インターネット自殺』の3本。
以下、[あらすじ → 感想]に順で、みていきます。
『駐車場』
あらすじ
駐車場。
不動産業者が、購入希望者をつれて、下見にやってくる。
しかしあいては、どうみてもホームレスの男。
・砂利の地面でも、さいあくシートをしけば、背中が痛くならず問題ないよね?
などなど、どうみても駐車場で住むようす。
不動産屋は、物件を紹介しつつも、ホームレスの男性を疑って……
ひとこと
発想がおもしろいコント。
駐車場なのに、そこに住もうとするホームレス ─ 。
ねらいを隠すようすが、笑いの軸になります。
後半、疑いをつのらせた不動産屋に、追い詰められる男 ─ かれの言い訳が、よりいっそう笑いをおこしていきます。
初期作品ながら、すでにインパルスさんのダークさとコッケイさが、あらわれていますね。
『企業スパイ』
あらすじ
企業のオフィス。
以前から社員として企業にもぐりこむ男。
今夜、仲間とともに、大事なデータを盗もうとしている。
いっしょにパソコンのディスプレイがみていると、警備員の足音がきこえる。
仲間を隠すため、更衣室のロッカーへとじこめるスパイの男。
しかし、閉じこめたのはいいものの、
・出すときに、アルミのロッカーをガンガン叩く
・食べていたカップラーメンの汁を、なかでぶちまける
などなど、ムダに危害をくわえる。
仲間だったはずのスパイに、ホンロウされら協力者は……
ひとこと
こちらは、ストーリーよりもアクションによる笑いが軸になります。
企業スパイということで、ドラマ性があるかなぁと思いきや、協力者演じる堤下さんが、ムダに痛い目にあうネタでした。
インパルスさんにしては、わりとベタながら、個人的には、むかしはこういうネタもやっていたんだなぁと、新鮮でした。
すでにこのときから、堤下さんのリアクション&ツッコミは、冴えています。
それをねらったコントなのかもしれません。
『インターネット自殺』
あらすじ
富士の樹海。
ひとりの男が車内で待っていると、もうひとりの男が入ってくる。
ふたりは初対面。
ネットで知り合い、もうひとりといっしょに集団自殺をするつもりらしい。
もうひとりを待っていると、発案者の男に、メールが届く。
友人からの合コンの誘い ─ 。
一瞬まようも、ことわりの返信をおくり、ケータイをとじる。
いっぽう、まっているあいだに、やってきた男性は、自殺を志望する理由を語りだす。
ふかく同情する発起人の男。
すると、しつこく合コンのお誘いメッセージが送られてくる。
参加者全員かわいいらしい。
葛藤しはじめる発起人に、自殺願望の男は、すでに妻&子どもを殺し、もうあともどりはできない、とつたえる。
すでに合コンに目がむかっている発起人には、車内から離れようとするが……
ひとこと
こちらはプロットの構成が、めちゃくちゃうまいコント。
板倉さん演じる集団自殺・発起人のジレンマが、ほんとによく描かれています。
若手時代に、これだけドラマ性のあるネタが書けるんですから、さすがです。
葛藤だけではなく、合コンのお誘いメッセージをもじった返信をかえす ─ このあたりのフレーズセンスも、かなりのものです。
セリフ&プロットのおもしろさが、うまくマッチしています。
本作のなかでは、イチバンおもしろかったです。
ぜひチェックしてほしいです。
まとめ
こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。
ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。
ちがう記事ものぞいてみてください。
ではまた。
よきコントライフを〜。