ハナコ『タロウ4』感想&レビューです。

公演日 2019年6月
収録 新元号発表
距離感
ネタバラシ
救助
清掃員
インタビュー
親戚のおじさん
俺だ
行かないで

どうも、コント作家のりきぞうです。

きょうも、コント作品をレビューしていきます。

取りあげるのは、ハナコ『タロウ4』。

2019年の単独ライブを収録したものです。

『救助』は、海でおぼれ、意識がうすれる男のおはなし。

深海でぼんやりするなか、「海猿らしき」救援隊が、近づく。

助かるかと思いきや、もうひとり、べつの男を助けているため、いっぱいいっぱいの「海猿」。

駆けつけたものの、たいして活躍できないさまが、笑いをおこします。

『親戚のおじさん』は、兄の家にきた弟のおはなし。

兄の子ども(甥っ子)は、4歳ということで、すこし〝人見知り〟が出てくる。

相手のようすをみて、弟は、年長らしくあやす。

そこへ弟の親戚「おじ」がやってくる。

甥っ子と同じく、かれもまた、極度の人見知り ─ 。

相手のようすを知って、こちらも兄の子ども同様、あやし、仲良くする。

若者が、おじさん相手に、とまどいつつも、ジャレあうようすが、なんともいえない笑いをさそいます。

個人的に良かったのは、『清掃員』『俺だ』『行かないで』の3本 ─ 。

以下、くわしくみていきます。

『清掃員』

あらすじ

面接をひかえる就活生。

呼ばれるのを待っていると、建物の清掃員らしき男があらわれる。

なにげなく学生に

「これから面接?」
「緊張している?」

などと声をかける。

しかし相手の風貌からして、ただの清掃員には見えない。

堂々としたふるまいからして、あきらかに

いまから受ける会社の社長が変装している ─ 。

とたんに焦りだす就活生 ─ 。

「どうして、この会社を選んだの?」

などなど、清掃員の問いかけに、まるで〝本番の面接〟のような受けこたえをして……

ひとこと

笑いの軸がしっかりとしたコント。

社長の変装がバレバレ ─ これが起点となり、さまざまな笑いの状況を生み出していきます。

くわえて、はなしの後半、社長よりもさらにうえの立場である、会長が登場 ─ かれもまた清掃員に変装している。

このあたりの〝かさねぐあい〟も、よかったですね。

『俺だ』

あらすじ

犯人が立てこもる建物に急行する刑事3人。

リーダーの掛け声で、突入を決行 ─ 。

しかし部下2人は、なぜかリーダーに銃をつきつけ、外に引きづりだす。

「俺だ!」

と、あわてて、とめるリーダー。

緊張から、犯人ではなく、味方である上司を捕まえてしまった部下たち。

気をとりなおして、ふたたび、建物に突入する3人 ─ 。

しかし、またもや部下2人は、銃をつきつけたまま、リーダーを引きづりだして……

ひとこと

ほかのコントは、わりとストーリー性があり、すなおに笑えます。

けれどこちらは、はなしのスジがよく分からず、めちゃくちゃ ─ にもかかわらず、笑ってしまう。

岡部さん演じるリーダーの、

「俺だ!」

の叫び声が、何度もくりかえされ、反復の笑いを起こします。

間違いを犯した部下2人が、謝ることなく、一貫して無表情なのも、おもしろい。

「パニクるリーダー/クールな部下たち」の対比がはっきりしていて、それがよりいっそう笑いをもたらします。

シュール系のネタは苦手ですが、これはめちゃくちゃおもしろかったです。

『行かないで』

あらすじ

アパートの一室。

カップルが、くつろぎ、イチャついている。

そこへカレシのケータイに通知が。

確認したカレシは、

「呼ばれた、行かない」

と、言って、席をたつ。

「いいかげんにしてよ!」

と、どなりちらすカノジョ ─ 。

「きょうはいっしょにいるって約束したでしょ」とつめよる。

「いかないで!」と引きとめる。

いかにも重要な用事で出ていくかと思いきや、カレシは、おもむろに「大きなリュック」を背負う。

背面には、でかでかと「uber eats」の文字 ─ 。

通知というのは、宅配要請の知らせだった。

ひっきりなしに「ウーバー」しに出かけるカレシに、うんざりするカノジョ ─ 。

「あたしとウーバー、どっちが大事なの!」

と、ブチギレて……

ひとこと

いまのトレンドをつかんだネタ。

こういうのが、さらっとつくれるトコに、ハナコさんの才能がみえます。

「あたしとウーバー、どっちが大事なの?」の問いかけに、悩むカレシ。

その態度に、

「むずかしいこと、きいてないだろ!」

と、くかさず切りかえすようすに、思わず笑ってしまいました。

「なぜ、それほどまでにウーバーにハマるのか」 ─ ラストのオチも、じんわりしてよかったですね。

まとめ


こんなふうに、プロットに注目してみていくと、よりいっそうコントを楽しめます。

ほかの作品でも、こんな視点に立って作品で観ています。

ちがう記事ものぞいてみてください。

ではまた。

よきコントライフを〜。